琴を弾くのが好きだけど、下手な人がいた。この人は何とか、大勢の人に聞いてもらいたいと思って、街頭に弾きに出た。弾き始める頃は、彼がどんな演奏をするかわからなかったので、大勢の人が集まった。しかし、しばらくすると、みんな面白くなくなって、少しずつ去っていった。ただ一人ずっとそこに立っている子どもがいた。琴を弾いていた人がうれしそうに言った。
「一人でも音楽を理解し、私の演奏を認めてくれたら、それで十分です。」
残った一人の男の子が言った。
「あなたが琴を置いている机はぼくのなんだよ。持ち帰るため、演奏が終わるのを待ってるんだ。そうじゃなかったら、とっくにここにいないよ。」
《中国笑話50選》
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