趙財(ちょうざい)と李富(りふ)は友達だが、両者ともにひどいけちんぼだった。ある日、趙財が李富に会いに行く時、彼は何か土産を持っていこうと考えたが、お金を使うのがもったいないので、魚の形に紙を切り、この「紙の魚」を持って李富のうちへ行った。
この日、ちょうど李富は外出していて、彼の息子が一人で留守番をしていた。趙財は彼の息子に言った。「これはあなたの父上へのお土産です。どうぞお受け取りください。」李富の息子は紙の魚を一目見て、いやな気分になり、<こんなものをお土産にくれるとは!こんな奴にうまい汁を吸わせるわけにはいかない>と心の中で考えた。そこで、客を見送りながら、手で空中に丸い形を作って、「あなたにこの月餅(げっぺい)をさしあげます。どうぞ帰り道に召し上がりください。」と言った。
李富が帰ってきてから、息子は父にこの話をした。息子は父をきっと満足させるだろうと思っていたが、図らずも父は大いに怒って言った。「おれはお前に何を教えてきたのだ。お前は半分の月餅を作れば十分だったんだ。急いで取り返して来い。」
《中国笑話・謎語50選》
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