サンマの値がここのところいくらか下がってきた。
というよりも、そろそろ終わりだなと感じるようになってきた。毎年、このことの繰り返しになっている。昔のように底値になる前に、その好物はどこのお店からも姿を消す。
他の鮮魚もそうだが、特にサンマとカツオはそう思う。
サンマが庶民の口にたくさん入るようになった頃に、いよいよ秋本番となるから、日本では秋の味覚を代表する大衆魚といっても決して過言ではない。以前は私もそう思っていたのだが。
ここ数年はまったくの不漁というではないか。漁獲量が少なければ価格が上がるのは仕方のないことか。
秋刀魚と書いてサンマと読んでいるが、いつ頃からそうなったのか調べてみた。
意外に新しく、それは大正時代かららしい。
誰が最初に使ったのかは知らないが、秋が旬で、銀色に輝くその魚体が刀を連想させることにあるらしい。つまり、秋に穫れる刀のような魚という意らしい。
それまでは、サイラ(佐伊羅魚)、サマナ(狭真魚)、サンマ(青串魚)などと読み書きしていたようだ。
回遊魚だが、日本では特に太平洋側の東北や関東沖がたくさん穫れる。
食べ方はいろいろあるだろうが、その中でも塩焼き、刺身が一番うまい。大根おろしの塩焼きでキューッと一杯なんてのは、アルコールの好きな人なら誰でも望みたいところだと思う。
血液の流れを良くする効果が秋刀魚にはあるので、お酒と合わせればダブル効果などと考えるのは私一人だけであろうか。
今夜も塩焼きで一杯やろうかなどと、これを書いていて思ってきた。
「つれづれ(37)秋刀魚の秋」