少し前のことになるが、東京都心に泊まったことがある。仕事では何度もあるが、プライベートではほんの数えるくらいしか泊まったことのない東京。わりとそういうことは細部まで覚えている。
もちろんその日の宿泊地である水道橋にも何度と来ているものの、泊まることどころかカメラを持ち歩くことさえ、この付近では記憶にない。
携帯電話はあるものの、写真を撮るという気は仕事中では今までおこらなかった。
でもこの日はプライベート。だから、今日は写してみようと思っている気迫充分な我には恐れ入る。
地上約135メートル、37階の部屋からパチリ。腕はたいしたことはないのだが、できあがった写真を見て、まんざらでもないなあと一人でニヤリする。
腕よりもむしろ、最近は機器の性能が良くなったんだろうなと自分に言い聞かせている。
ホテルの窓から眺める夜景はすてきだ。東京ドームがくっきりと鮮やかに目の前に現れる。
観客数を無制限にして、早く超満員の中でプレーをしたいと巨人選手なら誰しも思っていることであろう。関係者でさえ言わずもがな。 観客数制限や無観客試合などというのはスポーツの世界には似合わない。
この街のどこかにきっと君はいるだからやっぱり月になりたい
平成30年3月「NHK短歌」4月号
「心に残る旅(6) 東京ドームを真上から」