ミニ四駆グランプリ2019SPRING大会の公式コース、『ステップサーキット2019』(約213m)。
発表時から、「最大の難所」と噂されたのが、デジタル系が折り重なった“デジタルゾーン“です。
内訳は、中心にデジタルドラゴンバックの2連を挟むカタチで、前後にデジタルカーブが組み合わされる複合セクションになっています。
デジタルカーブは過去の大会でも登場していて、ある程度の対抗手段は発見されていますが、新設のデジタルドラゴンバック✖2はこれから、というところ。
昨日今日と『ミニ四駆グランプリ2019スプリング 東京大会』(品川シーサイド)に足を運び、その特性を直に眼にして来ました。
取り急ぎの内容になりますが、簡単に考察していこうと思います。
■デジタルゾーンを紐解いてみる
まず、このセクションを各マシンがどのような挙動を示すのか、コマ落としの画像を確認してみます。
※カメラと加工の都合、画像が暗いのは申し訳ない。
このデジタルドラゴンバック✖2は、要は2連タイプのジャンプになっています。
手前に低いリップ(飛び面/スロープ)、その先にバックサイド(着地面)があり、すぐに同じセクションがもう一つ続きます。
現地では、奥のデジタルドラゴンバックのほうがやや大きめに見えましたが、これは目の錯覚かもしれません。
いずれにしろ、通常、この手のセクション(ジャンプ)は1発で飛び切れればよいですが、現状、ここを一気にクリアしていたマシンは1台しか確認できませんでした。
では、一般的にはどうなるか?
次に、1コマずつの写真で見ていこうと思います。
1.今回は、写真一番手前のレーンに注目。デジタルドラゴンバック✖2進入手前の、デジタルカーブでの挙動。さすがにここは対策が練られているのか、ひっくり返るようなマシンは見られなかった。
2.1つ目のデジタルドラゴンバックのテーブルトップに、マシンが到達したところ。デジタルカーブで姿勢が多少は乱れている筈だが、今の所、破綻は見られない。
3.デジタルドラゴンバック1つ目の下りスロープからすぐに、次の上りスロープをクリア。2つ目のテーブルトップに差し掛かっている。
4.と、突如ここでマシンの姿勢が大きく乱れる。どちらのデジタルドラゴンバックも、ナメて行けば、上下に挙動が乱れることはないが、現実、それではタイムが伸び悩む。完走率は上がるものの、1位勝ち抜きのミニ四駆レースでは通用しない。
5.結果、トップスピードを上げざるを得ないが、すると、スロープを上りも下りもかなりの勢いで通過することになり、マシンは路面から大きく離れたり、ピッチング方向に乱れが生じる。写真でも、完全にジャックナイフ状態に陥っている。
6.2つ目のデジタルドラゴンバックが終わった区間でも、マシンはアウト・オブ・コントロールのまま。
7.このすぐ先には、出口側のデジタルカーブが待ち構えていて、フロントローラーやバンパーが正しく壁面に当たらなければクリアは相当に難しい筈。
8.ここに来て、ようやくマシンのリアが下がりつつあるように見えるが、デジタルカーブはすぐそこ。時すでに遅し。
9.現在の参加者マシンは、そのほとんどがかなりの高速系なので、結局そのままデジタルカーブに進入してしまい、車体の向きもオカシイ。
10.勢いのままデジタルカーブを通過するが、もう、とてもコースに復帰できる姿勢ではない。アスラーダお得意の、リフティングターンでもできれば別であるが。
11.最終的に、普通のストレートもクリアできず、大きくコースアウト。完全に宙に舞い、この後、地面に叩きつけられた。
■ひとつのセクションと見るか2つの山と見るか
と、解るように、確かにこのニューセクションは難所です。
先に述べましたように、2連を一息で飛び切ってしまえれば杞憂でありますが、そうすると出口のデジタルカーブは相当なスピードで進入することになり、無事クリアできるかは、運次第になります。
現に、見ている間は1台だけデジタルドラゴンバック✖2を飛び切っているマシンがいましたが、4周目だかでコースアウトしました。
余程セッティングが決まって、デジタルドラゴンバック2つ目のバックサイドに着地してブレーキを掛けられれば、減速してデジタルカーブに進入でき、クリアできると思いますが、当然、そんなのは至難の業です。
当面は、デジタルドラゴンバック✖2を1つずつの山と思って、対策を練らなければいけないのではないでしょうか。
小さな2つのジャンプならそう難しくないのかもしれませんが、テーブルトップ状になっているため、どうしてもマシンが浮いてからの接地回数が増え、それだけ跳ねるリスクが高まります。
セクション間の隙間がないのも、困難な要因のひとつです。
フロントが短いスロープで下がった先で、すぐに次の上りのスロープが始まり、ノーズは強くリップ面に当たります。
また、見ていると、やはりデジタルカーブでローリング側の乱れも発生していて、そのままの姿勢でデジタルドラゴンバック✖2に進入し、1つ目すらクリアできないマシンも多かったです。
もちろん、すべて高速系マシンに見られた傾向ですが。
今日の所は、時間がないのでこのぐらいにしておきますが、このエントリは加筆修正していく予定です。
ひとまず、ということで。(2019.03.17)
◆追記1 デジタルゾーン用
ステップアップ、またはドラゴンバック
A:理想のライン
B:実際に多いライン
C:速いマシンに見られるライン
ダブル#1
A:理想のライン
B:実際に多いライン
C:速いマシンに見られるライン
ダブル#2
ダブル#3
A:理想のライン
B:実際に多いライン
◆追記3 デジタルゾーン用
出典:タミヤ公式より
◆追記4 デジタルゾーン用
上の動画を見る限り、デジタルドラゴンバック✖2はダブル#3の形状のようです。正直、やっかいなタイプです。
理想のラインはAで、特に1つ目のテーブルトップから2つ目に移動する際、谷間に落ちずに移れるのがベストです。
今回のジャンプセクション・イメージの概念はモトクロスなのですが、2つのテーブルトップをダブル(2連)と捉えずに飛び切らないのであれば、1つ目のテーブルで加速し2つ目のテーブルに移動できればロスもショックも少ないです。
しかし、途中からの任意加速はミニ四駆では不可能なので、簡単ではありません。動画で確認してもそうですが、実際のデジタルドラゴンバック✖2はもっとリップが穏やかで、逆に距離があります。
1つ目の山を余程手前で着地して加速区間を多く取れれば、2つ目の山に届くかもしれません。でも、これも当然、難しいです。
仮にダブル#2と見た場合、ベタなめのほうがいっそよいかもしれません。これはBMXで多く見られる走法ですね(ロールに近い概念)。
現に、すこし遅いマシンのほうが生還率は高かったですし、アトミックチューンモーターで挑んだDAY1では意外と苦戦しませんでした。
もちろん、トータルタイム、もしくは他車との接戦を征するには速度は欲しいです。そうすると、ダブル#1も考えられるのかもしれません。
ここでの想定ラインは、Cです。2つ目のテーブルトップまで速度を維持するのです。当然、問題はあります。
まず、手前の加速区間はデジタルカーブがあり、勢いが削がれます。ひとつには横方向の対策ができていなければ、減速もしくはコースアウトとなるでしょう。
次は、手前をクリアしデジタルドラゴンバック✖2をかなりの高速で処理できても、今度は出口側のデジタルカーブにかなりの勢いで進入することになり、コースアウトの危険性があります。出口側は加速区間がある、というのも厄介です。
また、Cのラインを通るということは、2回の着地とも衝撃は相当なものになり、3次元的にマシンの挙動は大きく乱れます。
実際に、ほとんどのマシンの走行ラインはダブル#3のA→Bであり、何度も路面に打ち付けられてます。
見た目にボディが大きく上下に可変するマシンでもかなりクラッシュしていましたし、逆に自分のマシンはマスダンパーだけですが、デジタルドラゴンバック✖2で挙動が破綻することはありませんでした。タイムは別としても。(2019.04.01)
◆追記2 カープストリーマー用
ステップダウン、またはドラゴンバック
A:理想のライン
B:実際に多いライン
C:速いマシンに見られるライン
やかん
一年半前(2017年10月頃)にRTSについてコメントしました。
レストア計画がお蔵入りしたことは、非常に残念です。
私のRTSはレストア完了しました。この動画で主さんもまた、レストア計画を再始動していただけたら嬉しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=kvArZxPTP0Y&t=2s
慌ただしく、ひとまずコメントだけ先に公開しました。
動画も見途中なので、また後ほど。
取り急ぎm(_ _)m