
潜水艦モノというよりかは、併行して展開するシールズの装備品に興味があったりしたものの、公開中に観られなかった映画。
たまたま『爆音映画祭』なるもので再演するということで、高いチケットを買って観て来ました。
結論としては「金返せ」。
というのが、そもそもほとんど音響や演出には気を遣っていない作品なのでしょうね。
今回の爆音映画祭にあたり、日本のプロデューサーにより音響調整は当然、行われている筈ですが、まるで意味なし。
素材が悪ければいくらイコライザーやタイムアライメントを掛けても限界があります。
爆音以前に、空間演出がまるでなってない作品でした。
なので、こういう祭りには実に不向き。
ネーミングの「爆音」についても、我が家はパッシブラジエーター(別名、ドローンコーン)を持ったフロント2chとマトモなサブウーファーを設置してあるので、低音感についても家で再現できるレベル。
7.1chや9.1chはまだ再現できていないので、この点については映画館にアドバンテージあるのですが、そこにウェイトがない作りなので無意味。
プラス1,000円の鑑賞料はドブ金でした。
他、作品自体については、
・ロシア対アメリカの作品なのに、何故かほぼ全編、英語
(鑑賞中の耳が間違えなければ、唯一、セルゲイ・アンドロポフ/ソビエト/ロシア海軍アクラ級原子力潜水艦コーニクの艦長-ミカエル・ニクヴィスト氏が、ひとこと喋っただけ)
・よって、ロシア側の人間がまるでロシア人っぽくない
(一応、あとで調べたら何人かは非アメリカ人ではあるようだが)
・ビル・ビーマン(トビー・スティーヴンス氏)率いる偵察チーム、シールズ隊員の装備品
(気になったのは、ヘルメット。あったほうがいいと思うんだけど)
・これはうろ覚えだが、ロシア領バレンツ海にて沈められた、アメリカ海軍ロサンゼルス級原子力潜水艦タンパベイは何か機密を積んでいた、とか言ってなかったか?
(最後まで回収なし。もっとも、これについては字幕読み間違えかも)
・アメリカ海軍バージニア級原子力潜水艦アーカンソーのクルーに紅一点が居たように思うが(通信士?)、貞操が心配過ぎる
・ゲイリー・オールドマンを起用した理由が不明
(日本でのポスターも、本国のHPでもめっちゃ主張してるけど訳わからん)
・ソビエト/ロシア海軍アクラ級原子力潜水艦からの魚雷を誤爆発させるために、海底に沈んだ潜水艦タンパベイを囮に使い爆散させたが、乗組員の遺体回収は必要なかったのか?
(前段の機密と関係あり? 遺族はショックだよねー)
・音波センサーだっけ。敵国であろうと“潜水艦”自体の音には反応しないの?
(多分、ポリャールヌイ海軍基地を目指した時にフィヨルドを抜けるところに設置されてて、アーカンソーが通過しても反応しなかった)
・アメリカ軍の協力をかなり得られたらしいけど、空母でのホーネット、ライトニングIIの演出は過剰かつ不要
・シールズ隊員の潜水時の装備
(上陸後、ブーツで歩いたところに水が残らない。ブーツごと覆う防水服を着てた? 見逃した)
・クーデター起こした軍部の尖兵で酷薄そうなヤツが、偵察部隊の可能性をあぶり出すのに施設を下から闇雲に撃ったけど、うっかり配管とかに穴空いたりするのを考えなかったのか?
(賢そうには見えなかったが、確かに)
逆に驚いたり称賛すべき点は、
・冒頭の、バージニア級原子力潜水艦アーカンソーが潜行する時の、乗組員の姿勢の変化
(内部を精密に再現した実物大のセットを、実際に傾けて撮影したことでのリアルな演出とか)
・現代の潜水艦のハイテク振り。ほぼ、グラスパネルだし、救命艇は疎か、潜水艦自体も操作がジョイスティックになっていたこと
(潜水艦映画は、『レッド・オクトーバーを追え!』と『ビロウ』しか観たことないので、めっちゃビビった)
・なんと、魚雷も打ちっぱなしではなくセンサー付きのジョイスティック操作が可能で、発射後も目標を見付けて命中させたこと
(ありゃ、描写通りにロシアの装備が極端に旧式なら、想像もつかないでしょうね)
・シールズ隊員の装備品で、最後、きちんとフロントポケットに入れているマガジンがすべてなくなっていたこと
・潜水艦のハイテクに関連し、シールズの装備もハイテク満載なこと
(ラジコンみたいな潜水ドローン、カービン銃に付けたスマートフォン、隊員の腕にもスマートフォン装備、潜水時のLEDライトの種類と数。ドローンの映像や集音器の音声を、アメリカ本国にリアルに送れる能力。もっとも、あれだけのハイテク装備、現地に投棄してロシア軍にコピーされないのか、という心配が)
・潜水時の、銃を始めとした水密性の高さ
・予告でも思っていたが、ジェラルド・バトラー氏(アーカンソーの艦長、ジョー・グラス役)はかっこいい
・シールズ隊員に、珍しい左利きが居る
(デヴィン・ホール/マイケル・トルッコ氏かな? 突入時、テーブル越しにスゲー射撃の腕を披露するものの、ロシア大統領SP決死の自爆の煽りで死亡)
・魚雷発射管が2番までしかなかったこと
都合良すぎるなー、な演出は、
・ロシア兵とシールズの練度の差があり過ぎ
(自拠点&制圧目的のロシア兵と、敵地&無補給のシールズとはいえ、弾のバラ撒き具合、ヘッドショットなどの確率の差があからさま)
・港で回収を待つ時、ビル・ビーマンは、アーカンソーと何で連絡を取り合っていた?
(描写が不鮮明で解らない)
・ロシアの装備ってあんなに旧式?
(だって、空軍は凄いじゃん)
常々不思議なのは、潜水艦の乗員は何故ヘルメットを被らないのでしょうか?(特に発令所) 攻撃されると、いつも誰かしら頭から流血しますよね。
ウルトラ危険だと思うのですが。
パンフレットはもう買えないので、まあ原作本を読んでみるつもりで、気が向いたらブルーレイも買ってみます。
やかん