■デス・マグネティック メタリカ 豪華45rpmLPようやく聴いた

　相当以前に紹介した、メタリカ(METALLICA)の一番新しいアルバム、デス・マグネティック(DEATH MAGNETIC)の45回転LP盤。ようやくまともに聴きました。(過去記事はこちら)

　LPを聴くというのは、その手間の掛かる所作により、毎日の習慣となっている人でないと結構な気構えがいる、と個人的には考えています。なにせ埃が大敵な音楽媒体なので、部屋をクリーンにしておくのが重要ですし、そうなるとこれはかなりやっかい。そういった個人的心の障壁もあり、購入してから作品をフルで聴き通す機会を作ることができませんでした。
　今回、空気が乾燥して静電気が発生しやすいこの時期ですが、奮起して再生環境を整え、ようやくフル試聴と相成りました。

　このパッケージは、片面に1曲しか収めら(記録さ)れていないとんでもLPなので、CDとはまったく聴き方が違います。1曲聴いて「うーん」なんて浸っていても、次の曲は始まりません。それどころか、再生が終わったLPを針を降ろしたまま回転させておくのは一般的によろしくないと言われているので、カートリッジを速攻アップ。片面1曲だけの盤は初めての体験でしたが、結構面倒くさいです。おちおち聴いてもいられない。1曲聴いては裏返して、終わったら別の盤に交換して。この繰り返し。
　昔の人は、こういうスタイルで音楽を聴いていたのだなーと、少し感慨にふけってしまいました。ジャンル問わず、LPの通常仕様と言える収録方法であれば、片面にもう少し曲が入っているので腰据えて聴けますけどね。

　この豪華版パッケージには、前に書きましたようにノーマルのCDが1枚入っているので、作品自体は何回か聴いて覚えています。それで普通は、「CDと聴き比べてどう？」とかなるのですが、そもそもまったく再生方式が異なりますので、これは少しナンセンスかなーと感じます。LP再生の環境がゴージャスであれば、それもおもしろい話しになると思いますが、ぼくのLP再生環境はCDのそれと比べると雲泥の差があるので、LPがかわいそうになってしまいます。
　LPにはLPの、CDにはCDのそれぞの良さがあるので、目的によって使い分けるのがベストと思います。
　この盤を一度、45回転仕様が持つ潜在能力を引き出してくれるゴージャスシステムで聴いてみたいのは、もちろんのことではありますけど。

　最近は、世界的にまたLPの特性が見直されて結構色々なタイトルが発売されるようになったので、「LPなんてオールドな世界だし中古盤しかないんでしょ？」とか「ジャズとクラシックだけじゃねー」なんて思われている方、興味あればこの世界に突撃してみてください。音楽を「パッケージメディアで聴く」という世界の、また違った一面が見られるのは絶対です。ある程度の投資は、どうしても必要ですけどね……。

やかん