■マダナイ(VW・T-II '75)、車検からご帰還

　突如、一方的に2年に1回の車検を断られた今年。正確には、購入から永らくメインテナンスなどを頼んでいた空冷フォルクスワーゲン専門店が、今年は1度受けた車検の申し込みを突然1週間前に断ってきたのです。こちらとしては大慌て。

　店のスタッフが1人だけになり、その彼が体調を崩してスケジューリングが大幅に崩れたのが理由、という事でしたがこちらとしては他の専門店に本格的に掛かった事がなく、ひょっとしたらと尋ねたお店には断られ、しばし茫然。なんとかツテを頼って受けてくれるお店を探し出せましたが、そもそもの発端である専門店は代案も出さずに一方的に断ってきたので、さすがにムッとしました。

　そんなこんなで、6月の7日に車検が切れるが、6月のあたまはレッドブルエックスファイターズ大阪の取材で出張だったので、1週はやく新しくお世話になる専門店に持ち込み、しばらくお預けする事になりました。

　とは言っても、今度のお店はびっくりするぐらい手が早く、あっという間に車検は完了。しかし、お店とぼくのスケジュールが合わずに、先日、ようやくの引き取り、となりました。車検で手が早い、ってただ法定手続き通すだけだろ？　って思われるかもしれませんが、マダナイのような旧車になると、こういったタイミングで大幅にメインテナンスや点検をするのが必要になり、かなりメカニック的には手間になる作業です。

　2年前の車検で診断されていたフロントアクスルボールジョイントの交換は、まだもう少し持つとの事で大出費は抑えられ。代わりに、頻繁にドラムブレーキがあまくなる現象の原因を突き止めてくれて、車検後長く走っていないのでまだ分かりませんが、しょっちゅうジャッキアップしてドラムブレーキの歯車を回す苦労からは解放されるかもしれません。

　他は、何故か左右のキャブのバランスが大きく狂っていたようで、こちらもパーフェクトに調整済み。キャブレーターはシングルだって手を焼くのにツインは絶対に手が出せません。

　後、びっくりしたのが個人的には不満だったサイレンサーの音が、実は新しい専門店曰く、かなり盛大なようで、中身が抜けてしまっているのかほぼ直管仕様に近いようです。やりー！　夢の直管仕様に知らずになっていたとは。ただ、そうすると脈動効果のようなものはなくなるので、本来はもう少し下(トルク)があるような感じらしいです。

　マダナイは1,800ccツインキャブなので、結構トルクはある方だと思っていましたが、中央高速の談合坂などでは確かにちょっとなー、と感じる事は前より増えたので、徐々に抜けていったのかもしれません。

　本当はもっとデロデロ言わせたいのですが、ヌケを良くすると下がなくなるのはモーターサイクルも合わせて共通の傾向だそうで、さて悩みどころです。社外のサイレンサーは、事前に音を確認出来ない、という欠点もありますしねー。いざ装着して凄く静かになってしまったら、個人的には嫌なのです。理想はホットロッド的な音ですね。

　とまあ、紆余曲折あった今年の車検ですが、マダナイまた変わらずよろしくね。今回は、こういうクルマを所有していると、セカンドオピニオン的な備えが必要になってくるな、と痛切に感じさせられました。部品も知識も豊富で、手が早くても車検となるとお断り、という専門店もあり、今回の件は本当に助かりました。

やかん