男は、とても死ぬ事を恐れていた。いつも死の恐怖に取り付かれ、それから逃れる方法を求めて彷徨って板。
或る日男は神と出会う。男は神に不死の命を賜るよう哀願した。
それは、与えられた。
男は狂気した。人生を謳歌した。やがて両親、兄弟、知人はすべて死に耐えた。しかし男は生きていた。一抹の寂しさを感じながらも生き長らえていた。
どのくらい経ったのだろう。ついに人類は滅亡した。それでも男は生きている。話し相手はいない。人間はその男ひとりである。
男から命を奪うものは現れなかった。
男はあれほど欲していた不死の体を自ら捨てようとした。だが、何度自殺しても死ぬ事が出来なかった。男は生きる事に疲れ果てた。そして、自分を死なせて欲しいと再び神に哀願した。
あれほど死を恐れていた男が、本当に喜んで死んで逝った。まるで死によって平安を得たかのように・・・。
神は、死ぬ間際に男に言った。
「永遠の命を得た者が、どんなに苦しい思いをするか、少しは分かったじゃろ」
そして、呟いた。
「儂も疲れたわい。誰か儂の永遠の命を消してくれるもんはいないかのう」
惚けない内に楽に成りたいって?
死ねば誰でも成仏? お陀仏様よ!
生きてる内が華なのよ 死んでしまえば其れ迄よ!
♪ お座敷小唄が惚けない小唄と惚けます小唄に・・・
或る日男は神と出会う。男は神に不死の命を賜るよう哀願した。
それは、与えられた。
男は狂気した。人生を謳歌した。やがて両親、兄弟、知人はすべて死に耐えた。しかし男は生きていた。一抹の寂しさを感じながらも生き長らえていた。
どのくらい経ったのだろう。ついに人類は滅亡した。それでも男は生きている。話し相手はいない。人間はその男ひとりである。
男から命を奪うものは現れなかった。
男はあれほど欲していた不死の体を自ら捨てようとした。だが、何度自殺しても死ぬ事が出来なかった。男は生きる事に疲れ果てた。そして、自分を死なせて欲しいと再び神に哀願した。
あれほど死を恐れていた男が、本当に喜んで死んで逝った。まるで死によって平安を得たかのように・・・。
神は、死ぬ間際に男に言った。
「永遠の命を得た者が、どんなに苦しい思いをするか、少しは分かったじゃろ」
そして、呟いた。
「儂も疲れたわい。誰か儂の永遠の命を消してくれるもんはいないかのう」
惚けない内に楽に成りたいって?
死ねば誰でも成仏? お陀仏様よ!
生きてる内が華なのよ 死んでしまえば其れ迄よ!
♪ お座敷小唄が惚けない小唄と惚けます小唄に・・・