ローリーグラハム 著
丸山惠也 監訳
大月書店 1997年5月20日 第1刷発行
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日本的生産システムが導入された頃、
とある女性が、日本の自動車メーカーで半年働きながら観察した内容をもとに書いた本
Laurie Graham, on the Line at Subaru-Isuzu: The japanese Model and the American Worker, ILR Press, Cornell University, Ithaca, N.Y., 1995 の全訳
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P7~ 筆者要約
アメリカの伝統的な自動車産業における労使関係は
流れ作業の生産方式、直接的監視、厳格な階級制、高賃金、敵対的な労働関係によって特徴づけられるフォードモデル
日本的経営方式は、一般的に「リーン生産」と呼ばれ
働き手の参加プログラムが用いられ、生産が作業チーム中心に遂行され、生産改善と品質管理への労働者の提案が重視される
労働者と経営者の協調の時代を生み出しつつあるのは、
強制に根差したことか合意に根差したことか
本書は、日本型モデルに対する労働者の反応を直接検証することで、今日の論争に貢献しようとするもの
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訳者あとがきの
3 職務規制力の解体とジャパナイゼーション より要約
・アメリカの工場労働は
テイラー主義の原理(工程を細分化、作業を単純化、能率向上)+ベルトコンベアのフォード・システム
→細かい職務区分によるJOBが編成
労組は、そのJOBの内容を協定で固め、労働者の不利にならないようにしてた
一方、ジャパナイゼーションは、チーム作業、多能工化、ジョブ・ローテーション
→アメリカの労組が守ってきた労働権を弱体化、協調化させる
この特徴は、イギリスやドイツでも基本的に共通
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6.本書の特色と意義 筆者要約
#1
労働者の生の声. 組合のない日系企業の職場における労働実態調査・研究である点がユニーク
#2
日本型モデルが労働者管理に社会的・心理的側面を動員する
→職場集団のプレッシャーにより労働者を従順にさせる高度に合理化されたシステム。ほか、雇用不安も。
※日本型モデルが労働者の組合への組織化を妨げるのは、労働者の自己防衛すべきところ、彼らがたがいに頼りあうべきところを支配していることによる
#3
日本型モデルであっても組合組織化の展望を見いだせることを示す
→日本型モデルの唱える会社一帯のチーム・アソシエイトというユートピアは、現実のジャスト・イン・タイムのもとでの労働過密化と時間外労働の常態化、安全軽視、労災多発の顕在化によってその基礎から崩れる
※(本文より)目標から遅れているから「残業して」と急に言われたときに、何人かが拒否をしたということがあったらしい
会社の規定では、書いてない残業は断ることができたから
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P17 より一部抜粋
これまでの研究者の多くには、労働者の精神的な諸能力が日本型モデルで高い役割を演じているということを強調する傾向があった。『大量生産を超えて―日本型システムとそのアメリカへの移植―』の中で、ケニーとフロリダは、日本型モデルをイノベーションに媒介された生産と呼んで(略)
しかし、わたしは自らの調査体験に基づいて、知的な側面での参加の役割を強調する傾向が、たいていは会社の謳い文句を鵜呑みにしていることからきていると確信している
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P34 筆者要約
アメリカの自動車産業での採用:
もっとも有能な人々と、特定の仕事種目に応じて要請される技能とを突き合わせること
典型的には、労働局の記録によって応募者の過去の経験が証明されるという形
日本的な社員募集:
「鍛えるのに適した性格」を備えた人物を見つけ出す努力
必要な技能を備えているかよりも、人物の社会的経歴や気質や人物保障が重視される
→前提として、従業員志願者の「意識面での適合性」、「適合手金あ精神的特性」が必要
結局は、人付き合いのうまさ、ふるまい
労働者の心構えや価値観を審査の標的とすることで、現場に対する経営者の支配を強める
強み:進化する機械に遅れを取るまいと進んで努力する働き手
※アメリカでは、仕事に集中する代わりに、価値化や信条が調べられたり尋ねられたりしない
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P177
改善は「つねによりよい方法をさがし求める」というフレーズで要約される
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個人メモ:
さっき、廊下でバングラディシュからきているという方と会った
医薬メーカーに勤務する予定で、そういう勉強をしているらしい
人材系の会社で働いていると自己紹介すると、
「日本の会社に就職したい。人事部は何を大切にしている?」のか今度聞かせて、とのことだった(そういえば、、今度っていつになるだろうか)
外国の方の日系企業就職って、、専門ではないから何が言えるだろうと考えていて、、
peronarity って、上記にあるような「会社との一体感」「一緒に働けそうな雰囲気」というのを内包するんだろうか
と単語で悩んでみたり、
そもそも、グローバル企業なら「実績」に変わってきてるのかもしれないし
採用基準ってなんだ???ということから、
何より、採用の基準はケースバイケースといいつつ、わたしがわかってないのではないか???
とぐるぐるし始めた。
「採用」ってなんなんだろうか
日式の経営方式ってなんだ???
工場労働者と営業マンと、技術者では求めるものが違うのだろうし
やはりケースバイケースになるのか?
そもそも、キャリア学って成り立つのだろうか
結局は、組織側からの採用術と育成術と組織活性あたり、心理学とモチベーション論の話に内包されるのか
カイゼン、というけど、仕事に関することで意見を求められたことはない、とのインタビューもあって
今は、どうなっているんだろうかと思う
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