昨年1月に日本で公開された韓国映画の紹介です。
この作品は韓国らしくない淡々としたストーリーですが、その心情にはとても引き込まれ、心地良い後味でした。
監督は長年にわたりホン・サンス監督作品のプロデューサーを務めてきたキム・チョヒという方で、以前紹介した『はちどり』と同様女性で、この作品が初メガホンだそうです。
作風としてはオフビートなコメディということです。
内容は自分の経験が参考になってると思われますが、映画プロデューサーのチャンシルが、ずっと支えてきた映画監督の急死で失業してしまって、その後の生き方の迷いや周りの見る目などもろもろの心情などを丁寧に描いてます。
人生の全てを映画に捧げてきた彼女には家も恋人も子どももなく、青春さえも棒に振ってきたことに気づき、そんな彼女に、思わぬ恋の予感が訪れる…。
という内容ですが、最後までトーンは変わりません。
それが韓国映画としては新鮮で、昔の日本映画のようで、すんなりと心に入ってきて心地良いです。
主人公のチャンシルには、本作で数多くの新人女優賞に輝いたカン・マルグム。
『ミナリ』でアカデミー助演女優賞の偉業を成し遂げたユン・ヨジョンや、「愛の不時着」耳野郎役のキム・ヨンミンらが共演しています。