今日はもう疲れた。朝から色んな事があり過ぎた。
逃げ去った男と出会った場所で寝る事にした。
目覚めたら何か思い出すかもしれない。
もう朝になっていた。
日当たりの悪いこの場所でも空が明るい事は分かる。
一応、自分の姿を見てみた。昨日と何ら変わらない。どうやら本当に現実らしい。やっぱり信じられない。
考えても仕方がない。教会に行こう。
少ない量だが有難みを感じる。
食事を終えたがする事が無い。他の人は何をしているか気になった。
「あの、すみません。」
「あ?何?」
「えっと、皆さんは普段何をしてるのかと思いまして…。」
「失礼な奴だなぁ!俺らにする事なんてねぇよ!!する事がねぇからこうなってるんだろ? …ったく、ふざけんな!」
怒られてしまった。気に触る事を聞いてしまったのかもしれない。
別の人に聞こう。
「すみません、お話、いいですか?」
「ん?見ない顔だね。」
「えぇ、まぁ…。」
「怖がらなくたっていいさ。気楽に生きていればいい。それで?話って?」
「はい、皆さんはいつもここに?」
「あぁ、一日中ってわけじゃないけど、する事ないからね。」
「…何かする事は無いんですか?」
「そんな事考えちゃダメだよ。楽しんで生きてないとね。」
「…その、楽しみっていうのは?」
「考え方だね。…そんな事より兄ちゃん、しゃがんだ時に見えたんだけどね、」
「!」
「すごいなぁ!どうやったらそんなに大きくなるんだい?」
じいさんは覗き込んで触った。
「うわぁぁぁ!」
「いやぁ、会った時からね服が妙に膨らんでたから、これは何かあると思ってたんだが、まさかこんなに大きいとはね。」
「揉まないで下さい!」
私は手を払い除けた。
「…触ってる時は気持ち良さそうだったけどね。」
「いいえ、そんな事ありません。」
「へぇー、そうなの?随分溜まってそうだったけどね。」
「…もう結構ですから。」
私はその場を離れた。じいさんはニヤついていた。
もうあの人とは関わらない!
しかし、2回目の食事の時、また出会ってしまった。
「昼間はすまなかったね。でもさ、男の憧れじゃない?」
「だからって勝手に触るのはどうなんですか?」
「じゃ、触っていい?」
「駄目です。」
「えぇー、そこは触らせてくれるんじゃないの?」
「触ってどうするんですか?」
「いや、男の憧れだからさ、ね。」
呆れて物が言えない。私はそのまま教会の敷地内から出る事にした。