闇猫日記

夢を完璧に思い出すのに時間がかかります。
思い出せずに忘れてしまう事もあります。

大きすぎる”モノ”で (4)

2021-08-01 21:18:04 | 小説
今日はもう疲れた。朝から色んな事があり過ぎた。
逃げ去った男と出会った場所で寝る事にした。
目覚めたら何か思い出すかもしれない。

もう朝になっていた。
日当たりの悪いこの場所でも空が明るい事は分かる。
一応、自分の姿を見てみた。昨日と何ら変わらない。どうやら本当に現実らしい。やっぱり信じられない。
考えても仕方がない。教会に行こう。

少ない量だが有難みを感じる。
食事を終えたがする事が無い。他の人は何をしているか気になった。
「あの、すみません。」
「あ?何?」
「えっと、皆さんは普段何をしてるのかと思いまして…。」
「失礼な奴だなぁ!俺らにする事なんてねぇよ!!する事がねぇからこうなってるんだろ? …ったく、ふざけんな!」
怒られてしまった。気に触る事を聞いてしまったのかもしれない。
別の人に聞こう。
「すみません、お話、いいですか?」
「ん?見ない顔だね。」
「えぇ、まぁ…。」
「怖がらなくたっていいさ。気楽に生きていればいい。それで?話って?」
「はい、皆さんはいつもここに?」
「あぁ、一日中ってわけじゃないけど、する事ないからね。」
「…何かする事は無いんですか?」
「そんな事考えちゃダメだよ。楽しんで生きてないとね。」
「…その、楽しみっていうのは?」
「考え方だね。…そんな事より兄ちゃん、しゃがんだ時に見えたんだけどね、」
「!」
「すごいなぁ!どうやったらそんなに大きくなるんだい?」
じいさんは覗き込んで触った。
「うわぁぁぁ!」
「いやぁ、会った時からね服が妙に膨らんでたから、これは何かあると思ってたんだが、まさかこんなに大きいとはね。」
「揉まないで下さい!」
私は手を払い除けた。
「…触ってる時は気持ち良さそうだったけどね。」
「いいえ、そんな事ありません。」
「へぇー、そうなの?随分溜まってそうだったけどね。」
「…もう結構ですから。」
私はその場を離れた。じいさんはニヤついていた。
もうあの人とは関わらない!

しかし、2回目の食事の時、また出会ってしまった。
「昼間はすまなかったね。でもさ、男の憧れじゃない?」
「だからって勝手に触るのはどうなんですか?」
「じゃ、触っていい?」
「駄目です。」
「えぇー、そこは触らせてくれるんじゃないの?」
「触ってどうするんですか?」
「いや、男の憧れだからさ、ね。」
呆れて物が言えない。私はそのまま教会の敷地内から出る事にした。

大きすぎる”モノ”で (3)

2021-07-24 21:35:00 | 小説
食料を探しに歩く。
すれ違う人の目が自分の”モノ”を見ているようで、恥ずかしい。
服の上からでも大きさが分かるほど大きいのだから仕方がない。

食料がある場所なんて分からない。人には聞きたいが、今はお店に行ける状態ではない。
ゴミ箱を漁ってみた。食べられる物は食べカスくらいしかなく、あとは腐った物しか無かった。
これでは腹は満たされない。

歩いていると、自分と同じ境遇らしい男が近付いて来た。
「お前、困ってんだろ?」
「えっ?」
「見れば分かるよ。メシはこっちだ。」
ついて行くことにした。もちろん不安はある。しかし、食料があるらしい。

「着いたぞ。」
そこには食うに困っている者達が食事を摂っていた。
「ここは教会だ。1日2回メシが出る。量は少ないが餓死は防げる。」
早速食事を摂った。
パンとスープだけだったが、満足な食事にありつけた。

「会った時から思ってたんだが、あんた何隠してんだ?」
「いえ、何も…。」
「どう見たって隠してるだろ?服の上からだって分かるんだよ!」
私は黙った。どう説明していいのか、正直に話しても信じてはくれないだろう。
「なぜ黙る?卑しい事でもあるのか?」
「そういう訳では…ただ、どう説明したらいいか…。」
「説明はいい。隠している物さえ分かればいいんだ。」
「…ここではちょっと、ついてきてもらえますか?」
人通りの少ない場所へ彼を連れて行った。そして見せた。
「!…うそだろ…? そんな…。俺はこんな奴知らねえよ!」
そう言って彼は逃げて行った。

食事を摂ることは出来るようになったが、まだ問題は残っている。お金はないし、寝床もまだ見つかっていない。

大きすぎる”モノ”で (2)

2021-07-20 23:25:00 | 小説
人気のない場所はどこだ…。

嘘だ、そんなはずはないと言い聞かせながら走った。しかし、走れば走るほど嫌な予感がする。何かが内ももに当たるのだ。いや、内ももというより太ももだろうか。

息を切らしながら服を脱ぐ。

目の前にあるのは紛れもなく”アレ”だ。
股間から胸まであり、腕ほどの太さの”アレ”だ。”アレ”の大きさは大きい方がいい。”ソレ”も大きくソフトボールより大きい。

正直、嬉しい。

しかし、現実的な大きさでは無い。
「これは夢だ。嬉しい夢だが、起きるしかない。」
そう思ったが、どうしたら起きられるのか分からない。
頬をつねったり叩いたりしても、痛いだけ。
他にも色んな事をしてみたものの、やるだけ無駄だった。
「ここは夢じゃない、現実だ…!」
これからどうしたらいいのか…

そうだ、まだ何も食べてない!
私は食べ物を探しに歩き出した。

大きすぎる”モノ”で (1)

2021-07-18 14:07:00 | 小説
何時間眠っていたのだろう。今まで何をしていたのだろう。
私は見知らぬ街で目が覚めた。
目の前で通り過ぎる人々。
私はこれまでの事を思い出そうとした。

今の自分は体のあちこちが痒く、臭くて汚い。お腹も空いている。
どうやら私はろくに風呂に入れず、ご飯にもありつけなかったらしい。
それに、服装もなんだかおかしい。膝上までの黒いワンピースで裸足だ。
しかし、それくらいの事しか分からなかった。
とりあえず、何か食べなければ…
今までの事は何か食べた後にしよう。
そう決めて立ち上がった。

?!
「なん、だ…?」
体がやけに重い事に気付いた。
服の下に股間から胸の辺りまで円柱状の何かがある。
…まさか、あれか?…!
私は人通りのない場所に急いだ。