闇猫日記

夢を完璧に思い出すのに時間がかかります。
思い出せずに忘れてしまう事もあります。

大きすぎる”モノ”で (6)

2021-08-26 18:23:00 | 小説
その女性、マダムは一人暮らしでお手伝いさんが欲しいとの事で私を家に招き入れてくれた。
家の中は広いはずが、物が多くあり狭く見える。壁紙や絨毯は高そうだが汚れている。暖炉もある。奥にはまだ部屋がありそうだ。
「どうせお手伝いさんを雇うのなら若い男がいいなぁって思ったの。そしたらあなたをみつけたってわけよ。しかも、あなたアソコが大きいじゃない。フフッ…先に、お風呂に入ってくれない?あなた汚れてるから。」
「すみません、汚くて。」
「出来れば髭も剃ってくれない?あなたの顔に髭は似合わないわ。」
「はい。」
風呂場に案内された。脱衣所の鏡で初めて自分の顔を見た。ボサボサの髪に顔が分からなくなる程伸びた髭。毛の色はブロンズのようだ。
「カミソリはそれよ。鏡はお風呂場のシャワーの前にもあるわ。あと、ボディーソープとかは好きなの使ってね。フフッ。」
「…あの、服はどうすれば?」
「?…あぁ、あなたがお風呂に入っている間に用意しておくわ。」
そう言うと奥の部屋に消えた。

風呂場も広く、奥の大きなバスタブが窓からの光に照らされていた。シャワーはバスタブの手前にあった。シャワーの前には鏡、その下の棚にはボディーソープやシャンプーなど数本のボトルが置いてあった。どうしてこんなにボトルがあるのかは分からない。ボディーソープは三つ、気分によって使い分けるのだろうか?
私には違いがボトルの色と香りしか分からなかった。ピンクのボトルはローズの香り、紫のボトルはラベンダーの香り、水色のボトルはソープの香り。ローズ、薔薇に惹かれた。
シャワーで全身を濡らしボディーソープを泡立てた。すると、全身ローズの香りに包まれた。何となく、懐かしさを感じた。…なぜか薔薇の花束が思い浮かんだ。
…失った記憶の一部かもしれないが今は何とも言えない。汚れていた体のせいで泡が黒ずんだ。
体を流し髪を濡らした。シャンプーボトルは二つ?いや、一つだ。もう一つはトリートメントらしい。シャンプーで髪を洗うと体と同じように泡が黒ずんだ。しかし、おかげで綺麗になった。鏡を見て髭を剃っていない事を思い出した。ボディーソープを泡立て、髭に塗る。借りたカミソリでは剃りにくかったが、何とか剃る事が出来た。しっかりと自分の顔を確認できた。まだ整える必要があるが今日はもういいだろう。使わなかったバスタブに寂しさがあった。

浴室から出るとマダムが…。”モノ”を隠そうとしたが、隠しきれない。
「フフッ、大きすぎるもんねアハハ。」
と言って凝視している。
「もう、すごく面白い!アハハハ!何で動かないのよ?フフッ、恥ずかしいの?アハハ!」
……
「フフッ、ごめんねハハッ。…はいこれ。」
差し出されたタオルを奪うように取り”モノ”を隠した。
「あぁ、それバスローブなのよ。」
”モノ”が見えないようタオルを確認する。…確かにバスローブだ。
マダムに背を向けバスローブを着た。これで安心できる。
「あなた、髭を剃るといい男ね。」
「いや、そうですか?ありがとうございます…。」
「フフッ、照れてるの?可愛いところもあるのね。」
可愛いと言われたってどうしようもない。
「あなたの部屋なんだけど、使ってない部屋があったから掃除しておいたわ。あなたの好きに使ってね。」
案内された部屋はベッドと小さな机、小さなタンス、窓が一つずつある。これで安心して眠れる。

大きすぎる”モノ”で (5)

2021-08-08 22:18:00 | 小説
食事を終え立ち上がった。
周りに人が集まっている。妙だ。
「実はね、昼間の事みんなに話したんだよ。そしたらね、みんな見たいってさ。」
集まった人々が少しずつ距離を詰めてくる。まずい!このままでは囲まれる!

気付けば人気の無い路地裏だった。無我夢中で走ったからだろう、息が上がっている。別に恥ずかしかった訳じゃない、ただ怖かった。
もうあの教会には行けない。

今日の夜空は星が悲しく見える。また私は独りぼっちになってしまった。
男の憧れでもコンプレックスになってしまいそうだ。でも、小さくするのも思いやられる。
腹が減っていたがもう、今日は寝よう。

貴方の望みは何ですか?叶えてみせましょう。…
…それなら、俺は…

…夢か。少し期待してしまった。また絶望に戻った私だ、こんな夢も見るだろう。
…また、ゴミ箱を漁らなければ…
はっきり言って疲れている。長距離走った上に空腹で野宿だ。誰でもいい、泊めて欲しい。

ゴミ箱を漁っていると人に見られ、笑われたり嫌がられたりした。まるで獣を見るような目で見る者もいた。同じ人間なのに大きな壁があるように思えた。
結局、腹は満たされなかった。あの教会に戻ろうとも思ったが、安心は出来ないだろう。それに寝床だって探さなきゃいけない。
うろうろしていると、通りに出た。街灯が眩しい。人はいない。地に腰を下ろし少し休憩する事にした。
肩を叩かれた。目を開けると顔が…!
「大丈夫?」
「…はい…」
どうやら眠ってしまっていたらしい。
「あなた、家ないんでしょ?私の家に来る?
目の前のマダムはそう言った。見知らぬ人ではあるが断る理由はない。
「フフフッ」
「フフッ、こんな事ってハハッ、あらごめんなさいね。で、どうするの?」
「…迷惑でなければ。」
「じゃあ、決定ねフフッ。」
なぜ笑っているのだろうか?
そういえば、今の自分の体勢は膝を抱えて座っている。…!
私は服の裾をつかみ素早く隠した。
「隠さなくてもいいのに。」
体中が熱くなっていくのが分かった。

今日見た夢

2021-08-05 18:53:16 | 日記
こんにちは闇猫です。
皆さんは寝ている間に夢を見ますか?
私はしょっちゅう見ます。

今日見た夢は小さな妖精が出てくる夢でした。正確に言うなら、小人です。
内容は自分が化粧をしていてマスカラをすると上手く出来ない。するとその小人がマスカラをキレイにしてくれるというでした。

普段私はマスカラをしないので不思議です。

大きすぎる”モノ”で (4)

2021-08-01 21:18:04 | 小説
今日はもう疲れた。朝から色んな事があり過ぎた。
逃げ去った男と出会った場所で寝る事にした。
目覚めたら何か思い出すかもしれない。

もう朝になっていた。
日当たりの悪いこの場所でも空が明るい事は分かる。
一応、自分の姿を見てみた。昨日と何ら変わらない。どうやら本当に現実らしい。やっぱり信じられない。
考えても仕方がない。教会に行こう。

少ない量だが有難みを感じる。
食事を終えたがする事が無い。他の人は何をしているか気になった。
「あの、すみません。」
「あ?何?」
「えっと、皆さんは普段何をしてるのかと思いまして…。」
「失礼な奴だなぁ!俺らにする事なんてねぇよ!!する事がねぇからこうなってるんだろ? …ったく、ふざけんな!」
怒られてしまった。気に触る事を聞いてしまったのかもしれない。
別の人に聞こう。
「すみません、お話、いいですか?」
「ん?見ない顔だね。」
「えぇ、まぁ…。」
「怖がらなくたっていいさ。気楽に生きていればいい。それで?話って?」
「はい、皆さんはいつもここに?」
「あぁ、一日中ってわけじゃないけど、する事ないからね。」
「…何かする事は無いんですか?」
「そんな事考えちゃダメだよ。楽しんで生きてないとね。」
「…その、楽しみっていうのは?」
「考え方だね。…そんな事より兄ちゃん、しゃがんだ時に見えたんだけどね、」
「!」
「すごいなぁ!どうやったらそんなに大きくなるんだい?」
じいさんは覗き込んで触った。
「うわぁぁぁ!」
「いやぁ、会った時からね服が妙に膨らんでたから、これは何かあると思ってたんだが、まさかこんなに大きいとはね。」
「揉まないで下さい!」
私は手を払い除けた。
「…触ってる時は気持ち良さそうだったけどね。」
「いいえ、そんな事ありません。」
「へぇー、そうなの?随分溜まってそうだったけどね。」
「…もう結構ですから。」
私はその場を離れた。じいさんはニヤついていた。
もうあの人とは関わらない!

しかし、2回目の食事の時、また出会ってしまった。
「昼間はすまなかったね。でもさ、男の憧れじゃない?」
「だからって勝手に触るのはどうなんですか?」
「じゃ、触っていい?」
「駄目です。」
「えぇー、そこは触らせてくれるんじゃないの?」
「触ってどうするんですか?」
「いや、男の憧れだからさ、ね。」
呆れて物が言えない。私はそのまま教会の敷地内から出る事にした。

もう8月!?

2021-08-01 17:46:03 | 日記
こんにちは闇猫です。
猛暑が続いたかと思えばもう8月です。早いですね。7月で35℃以上、8月ではどれ程暑くなるのか…。

8月の目標は小説を書き進める事です。
今、私は不定期で小説を上げています。
それをできるだけ決まった曜日に上げられるようにしたいです!
小説だけでなく、日記ブログも出来れば毎日上げたい!

これからもよろしくお願いします!