うちの学校ではもうすぐ、ビッグイベントがひかえています!
年に一度のアニュアルセレブレーション!というもので、全学年がそれこそ、
毎日一生懸命練習した成果を発表するイベントです。
生徒の親御さんだけでなく親戚、友人、ありとあらゆる関係者、また関係ない人も見に来ます。
もちろん、うちの学校は自閉症の生徒ばかりです。
各学年それぞれ体育の部門と音楽の部門で、トータル二つ発表するのです。
小学校低学年から高校生まで、個性あふれる演目をテンポよくこなしていきます。
たとえば、竹馬、一輪車、マット競技などです。
一輪車なんて、めっちゃ練習しても小さいころの私はたいしてできなかった。
できてた友達がうらやましくて仕方なかったなぁ・・・。
それが彼らはもう特訓して、まったく乗れなかった子でも、乗れるようになるんですよ!!!
もう、感動ものです。泣きます、毎年。
てなわけで、前置きが長くなりましたが、生徒は学校で非常に頑張っているので、
くたくたなのです。それで、寮に帰ってきて、疲れが爆発したりします・・・。
昨日も、うちのグループの子(うちの学校にきてまだ間もない)、普段はとってもいいのですが、
初めてのイベント一週間前の今は、もう、精神的にもいっぱいいっぱいなのが目に見えてわかります。
ちょっとしたことがきっかけで、パニックになってしまいます。
たいてい、理由がわかるのですが、昨日は不可解でした。
ランドリーから戻ってきた水着を見て、「これはランドリーにださなくちゃ」と言うのです。
「Jくん、これはもうランドリーに出したものだから綺麗なんだよ。クローゼットにしまいなさい。」
というと、ちょっと困惑した顔になりましたが、一応自分でクローゼットにいれました。
そのあと、夕食で、機嫌よく全部食べることができて、
さて、次はシャワーだよーってときに、またその水着を出してきて、
今度は唾をかけたのです。そして「これはランドリーにださなくちゃ」と同じセリフ。
そして、激しく泣きだし、自分の腕をかんでしまいました。
理由として考えられるのは、
●スイミングが嫌い→でも行ったときはとても楽しんでいた。
●この水着が嫌い→もう一つの水着には何も反応を示さないので。
しかし、前にも一回、同じ水着に同じことを言って勝手にランドリーバスケットに入れたことがある。
●この水着でおもらしをしたことがある→ごくたまにおもらしをすることがあるのですが、その時は自己嫌悪なのか、不安定になってしまいます。
●水が怖い→寮に入る前は一週間に一度しかシャワーを浴びていなかったそう。
うーん。。。まったく他の理由なのかもしれません。
保健室に行って、傷の手当てをしてもらってると、「もう噛まない。ごめんね。」って反省した様子でJ君が言ってくれました。
こういうことがあると無性に切なくなってしまいます。
つらいのは本人が一番なのに。
でも、彼がうちの学校に来て、まだ3か月ほどですが、めきめき成長していて、先日親御さんや教育委員会の方との会議があった時には、
お母さんの口から、「Jの中にいた悪魔を神様が天使と入れ替えてくれた。」との言葉がでてびっくりしました。
でも、それほど彼は変化したようです。
今、J君は15歳。今後の5年でどれほど変わるか、本当に楽しみだと家族で喜んでいたそうです。
しかし、そんな急には変わらなくていい。焦らず一歩一歩成長していけばいい。前に進んだり、時には後ろにさがってしまったり。
そういうときもあると思う。変化がまったく見えないときも来るだろう。
でも、何より大事なのは、絶対に教える側があきらめないことだと強く強く思うのです。
自傷をしたり、先生にかかってきたりするときは、それはとても悲しいけれど、
その回数は以前よりぐっと減っているんだから、これからも減り続けるはず。
気が付けば、こちらで子どもたちを教え始めてもう丸3年が過ぎました。
いろいろあったけど、全部意味があったといえます。
そしてこれからも、この子どもたちと一緒に成長していきたいなと思います。
さー、また明日も朝早くから!頑張ってきます♪