遡ること40年以上前「イージー・ライダー」や「俺たちに明日はない」などのアメリカンニューシネマ、さらには鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」などのアートシアター系の映画にあこがれて始めた8ミリ映画なのですが(結局撮ったものは我が子中心のホームムービー)
当時の8ミリカメラは コダック社のスーパーエイトというフィルムを使う スーパーエイトカメラ、そして我らが富士フィルムの、シングルエイトというフィルムを使う シングルエイトカメラ に大きく二分されていました。
スーパーエイトフィルムは厚めで真四角な形の「カートリッジ」というプラ容器に入っており黄色いパッケージ。シングルエイトは薄い縦長の「マガジン」という容器に入っていて緑のパッケージでした。
↓左がスーパーエイトフィルム 右がシングルエイトフィルム
まあビデオの世界で言う「VHS」と「ベータ」みたいな感じなのですが、現像すればフィルムに厚みの違いはあるものの同じ規格で、同じ映写機にかけて見ることが出来ました。
他にも一部のマニアの方が使っていた 16ミリフィルムを往復して撮影し現像時に真ん中から分割して2本にするという「ダブルエイト」という規格がありましたが、それは少し古いものでした。
海外ではスーパーエイトが主流だったようですが、我が国では「私にも使えます。マガジンポン‼」のCM効果もありシングルエイトカメラを使っている人のほうが多かった気がします。
↓スーパーエイトカメラ
↓一時期だけ生産された珍しいキャノン製シングルエイトカメラ
シングルエイトの最大の特徴は、そのマガジンの形状からフィルム全巻巻き戻しが可能で、さらに高速度撮影にも強いことでした。つまりオーバーラップ効果を自在に操れ、スローモーション撮影にも有利、というのがシングルエイトの大きな売りでした。
一方、業界老舗のスーパーエイトにもある程度のオーバーラップやスローモーションが出来るカメラもありましたが、最大の売りはその画質の良さ。フィルムの発色、ヌケの良さでした。
それは「コダクローム」という特殊な現像をするフィルムの特徴でしたが、僕はZC1000という富士フィルムのカメラを使っていたので当然シングルエイト派でした。
↓なつかしいフジカZC1000
ここからやっと本題です。
僕が撮ったシングルエイトフィルム
1977年頃から始めて1996年8月で8ミリやめるまでのフィルム
結構な量のフジフィルム
僕のフジクローム
全て変色しています…退色というのでしょうか…経年劣化というのでしょうか、酸化というのでしょうか。。
全部真っ青に変色・・・
ビニール袋に乾燥剤と一緒に入れて、缶カンに入れて、さらにこれをお茶を保管する茶箱にまで入れておいたのに…この保管方法がいけなかったのかどうなのか…時々映写機にかけて観たりはしていたけど、最近は…ぜんぜん…
↓変色したシングルエイトフィルム
唯一の救いは’81年 新婚旅行でハワイで撮ったフィルム(当時は新婚旅行といえばハワイ)
ZC1000は新婚旅行にはデカすぎるので知人から同時録音ができるスーパーエイトカメラを借りました。その時のフィルムだけが変色を免れ、今もきれいな色で見ることが出来ます。
↓今もきれいなコダクローム40フィルム
タイムマシンがあったら過去の自分に言いたい!「スーパーエイトカメラにしとけよ」・・・
サイモンとガーファンクルも歌っている Kodachrome 恐るべし‼
このフィルム、以前は一眼レフ用もあったのですが、現像が特殊らしく今は製造されてないようです。