現代視覚文化研究会「げんしけん」

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ARIA The ANIMATION  第12話 「その やわらかな願いは…」

2005年12月22日 18時25分08秒 | アニメ・映像全般
 第12話のストーリーは「街が真っ白に染まった日。いくらネオ・ヴェネツィア一番の人気といっても、こんなに寒くてはゴンドラに乗って街を観光しようという人は少なく…アリアカンパニーも開店休業。思いがけないお休みをもらい、【水無 灯里】は【アリア社長】とお出かけです。日頃行くことのない、水路から離れた場所にある観光スポットが今回のお目当て。それは、開拓時代に作られたネオ・ヴェネツィアで一番古い橋。いろんな人の思いを、往来を支えた橋でした・・・。」という再び【アリア社長】との時を越えた放映回になっております。今回は、主に橋で出会った【星野 明子】さんとの会話シーンで構成されており、【藍華】、【アリス】、【晃】さん、【アテナ】さんはアニメ劇中では出て来ません。ですが、4人の担当声優さん達はしっかり出演しております。【明子】先生の教え子たちの声優さんとしてちゃんと出ています(笑)。内容としては、第4話「その 届かない手紙は・・・」に近い仕上がりになっていますね。「アクア」の開拓時代の人々との交流、その人々の想いの伝達、繋がりと言った所でしょうか?その「アクア」が人との共存を始める瞬間に立ち会う事になるのが【灯里】だったと思います。水路に徐々に水が満ちて行くのを見て、感動しキラキラの表情をする【灯里】に注目ですよ。
 その12話でのOPトークは【灯里】が主でした。やっぱり【藍華】と【アリス】が居ないと何か寂しいですね。「ここってどこなんでしょうか・・・ネオ・ヴェネツィアですか?」「アクア・・・なんですよね・・・今は冬なんですか?」「あなたは誰なんですか?」「どうして、水路の水が枯れているのですか」「とっても不思議な所ですね・・・」と今作の内容がだいたい推測できますが、私はそんな真っすぐな作りをするアニメが愛おしいです。ひねらないから感動があると思います。
 物語は【灯里】と【アリシア】さんが「アリアカンパニー」の周囲の雪かきをしている場面から始まります。「ふぅ・・・」と一息の【灯里】。「ご苦労様、灯里ちゃん疲れた?」「いいえ、全然」とスコップを持ちながら空を見上げると「また降って来ましたよ」「あらあら・・・今日は予約も入ってないし、お休みにしちゃおうっか?」と【アリシア】さん。こうも続けます「灯里ちゃん、昨日行きたい所があるって言っていたわよね」と。【アリア社長】は肉球で雪を食べようとしているのかな~。「はい、ネオ・ヴェネツィアで一番古い橋です。」もちろん【アリシア】さんも行った事あるが、最近では行きたいお客様も居ないので行っていないらしく、今は誰も行かなく、何にもないただの橋と言われる。その事を聞いて「えっ・・・昨日、本で写真を見て素敵な橋だなぁ~と思ったんですけど・・・」とガッカリする【灯里】だったが、【アリシア】さんが「他の人には、ただの古い橋だったとしても、灯里ちゃんには素敵に見えるかもね」と笑顔で答える。そして「行って来たら?・・・どうぞ」と言ってくれる【アリシア】さん。【灯里】はその言葉に甘えて、その古い橋に向う事にします。もちろん、【アリア社長】も一緒に・・・。ここから、【灯里】に素敵な奇跡の出会いが待っている事はまだ知るよしもなかった。顔をまっ赤にしながら、その橋に到着します。「ありました。アリア社長・・・これ・・ですよね」とあまりの古さに本のコピーを出して確める。その古き橋を渡っていると突然、【アリア社長】が何を感じ取ったかのように走り出します。追い掛ける【灯里】。その暗闇の橋内で無数の光が・・・【灯里】も何かの視線を感じて立ち止まるが、【アリア社長】が向こうで呼んでいるらしく「あっ!アリア社長、今行きます」と渡る。すると「あれ?雪が積もってない・・・それにいつの間にか、すっかり雲が晴れましたねぇ~」と橋の向こうとこっち側で天気が全然違う・・・季節は春なのかも。【アリア社長】に促され歩き出すと「あっ・・・誰か居る」と撮影機材を落として慌てる女性【明子】さんの姿が目に入った。近づき声を掛ける【灯里】「あの・・・」【明子】さん「へっ?あ・・・すみません、騒がしくて」と話をします。この2人の会話はどこかかみ合っていない所が多かった。それは【灯里】と【明子】さんとの「時間軸の差」があったからですね。またも【灯里】は【アリア社長】の不思議な力を借りて、開拓時代の「アクア」に来てしまったのです。アニメ劇中では、ここが『過去のアクア』だと気付かせる要因がかなり描かれていた。そんな2人の会話は続きます。「変わった服ね」「あっこれアリアカンパニーの制服なんです」「アリア・・・カンパニー?」「はいっ、私のその会社のウンディーネで、こちらがアリア社長です」と紹介するが「ネコが社長?それにウンディーネって」と【灯里】の言っている事が理解できない様子からも想像がつきますよね。お互いの自己紹介を済ませて、【明子】さんの家にお茶を誘われます。【明子】さんの家に行くと、その家にもネコの【ピート】が居ますが、もちろん初対面の【アリア社長】はお約束で嫌われてしまう(笑)。【灯里】と【明子】さんもどこか似ている感じがありますね。のんびり屋で、ドジで、名前が似ているかは何とも言えないですが・・・(笑)。それと【灯里】が「はずかしいセリフ、禁止・・・って誰かに突っ込まれた事ありませんか?」と【明子】さんに聞いたり、外の天気が良く暖かいので、野外でお茶する場面では、【明子】さん「ポカポカのお日様が当たる陽だまりのカフェへようこそ・・・心のリフレッシュしたい方は大歓迎みたいなぁ」と言うと【灯里】も「メニューは真心と安らぎですね」とのやり取り。そして2人で「はずかしいセリフ、禁止」とコミカルな表情で向かい合いながら2人で笑ったりと面白い描きが多くありました。
 物語は、庭で育てたキャベツを使って「ロールキャベツ」を【明子】さんが昼食をごちそうしてくれる事になります。【灯里】は汲んで来た水を移し替えていると「わざわざ、町のはずれまで水を汲みに行く苦労も今日までね」と【灯里】を被写体にして機材で映している【明子】さん。今日は水路に水が来る日だとも付け加える。「これこそ、アクアの常識じゃないの?」と言われて、「そうなんですか?・・・すみません」と恐縮しっぱなしの【灯里】だった。その【灯里】が木の柵に寄り掛かるとそのまま庭の方へ倒れてしまう。直立だったけど(笑)。その柵を修理したのに、今度は【明子】さんも一緒に庭の方へ、しかも「ロールキャベツ」も少し焦がしてしまう。【灯里】にも負けない位に【明子】さんも天然さが炸裂していました。食卓に並んだ自家製のパンを食べて「あっ!こっちは本当に美味しい」と素直な感想を述べる【灯里】。「こっちはって事は・・・」と汗ジトの【明子】さんだった。2人のコミカルなやり取りも良かった。【灯里】に水先案内人(ウンディーネ)の仕事の内容を聞いて「それって仕事になるの?」と言う。まだ想像もできないと思います。「アクア」が水に満ち溢れた素敵な星になり、ゴンドラが交通の中心となり、アイドル的な職業のウンディーネまで誕生するとは・・・。そして【灯里】は気付き始める。橋の向こう側とこっち側での天候の事、新しいはずの「カードレコーダー」の存在、「カードレコーダー?・・・あっ・・・それ、データカード・・・普通に使ってるんですか?」と質問すると「もちろんよ」との返答する【明子】さん。「浮き島」の形も違うと「ここってやっぱり・・・きっと・・・」と謎の少女【アミ】の事を思い出す。【灯里】と【明子】さんが水路に来ると、町の子供たちや人々が集まっていた。【アリア社長】はその子供たちの餌食になりました(笑)。もちもちポンポンで和んでいる子、【藍華】と【晃】さんに似た子、【アリス】ちゃんに似た方などがいました。みんなで水路に水が来るのを待つ事になります。夕方になり【灯里】「ここは、昔のアクア・・・水が町を潤す前のアクアなんだ」と確信します。水が来るか?来ないか?で話をしている人達に「大丈夫ですよ。大丈夫です。アクアは必ず、水に包まれた素敵な星になりますよ」と語りかける。「あっ・・そっか・・・アクアが手作りの星なんですよ・・・数え切れない程の人達の手と汗と想いが作った星・・・」「そうね、無数の失敗にも諦めず、幸せに満ち溢れた星を作ろうとした人達・・・その願いに応じるように、いくつもの奇跡が起きて、そして今のアクアがあるのよね」と2人で会話します。そして「水がくるよ!」と子供の声が聞えると、水路に少しずつ、少しずつ水がやって来ます。【灯里】はこの光景にキラキラした表情で感動しています。「凄い・・・水が満ちて行く。何だか心の中までどんどん満たされて行くみたい・・・ここがはじまり・・・この人達の願いがアクアのはじまり・・・全ての素敵な出来事のはじまり・・・」とこの「アクア」に来て、ネオ・ヴェネツィアで過した一年半の間の出来事、出会った人々【アリシア】さん、【晃】さん、【アテナ】さん、【藍華】、【アリス】などの今まで事を思い出す【灯里】。「どうして、こんなにも心を潤す事ができるんだろう・・・私、アクアに来て良かったです」と優しさと奇跡の星「アクア」の誕生の瞬間だった。
 そして【明子】さんとの別れが近づいていた。【灯里】「それじゃ・・・そろそろ」【明子】さん「え・・・」「明子さん、お元気で」「灯里ちゃんもねぇ」「はい」と別れの挨拶を交わす2人。【アリア社長】も【ピート】と交わしている。そして【明子】さんが「ネコは過去と未来を繋ぐ動物と言われている・・・だから、アクアではネコを飼う人が多いのよ。過去と未来を繋ぐ為に・・・」「あぁ・・・」「さようなら・・・私のアッペニーレ(未来)」と・・・別れるのだった。【灯里】は【アリア社長】と『今のアクア』に帰って来た。こちらでは夜になっていた。「おそいわね・・・灯里ちゃん」と心配する【アリシア】さん。「あっ・・・あらあら、お帰りなさい。灯里ちゃん、アリア社長」と優しく出迎える。「心配しちゃったわ」すると「アリシアさん!ただいま」と言って抱きつく【灯里】。「あらあらあら・・・どうしたの?」「いいえ、別に」と言う。笑顔でどんな時でも優しく受け止めてくれる【アリシア】さん。そんな【アリシア】さんが嬉しくて、胸に飛び込んだと思います。言葉ではなく態度(気持ち)で示したのかもしれないですね。 静かに、雪が降り続くのだった・・・。