現代視覚文化研究会「げんしけん」

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舞-乙HiME 第12話「仮面舞踏かい?」

2005年12月25日 16時29分47秒 | アニメ・映像全般
 第12話のストーリーは「ジパングの王子である【鴇羽巧海頭忠頼】を出迎えることが、仕組まれた外交(お見合い)であることを耳にした【マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム】は、その道中で車から飛び降り、逃げ出した。だが、木の上でカラスと格闘して落下した【ミコト】が直撃し気絶してしまう。【マシロ】を介抱したのは、外国からやって来たという自分を「アキラ」と名乗る少年。彼は【マシロ】とともに街の中を見て回ることになる。しかし、実は【アキラ】の正体は、ジパングの王子【巧海】だった。お互いの立場を知らないまま、一時、楽しい時間を過ごす【マシロ】たちだったが・・・。【巧海】と【尾久崎 晶】は今シリーズでも相思相愛で、「ジパング」を巡る「ヴィントブルーム王国」・「アルタイ公国」を含めた他国の思惑、【巧海】が捜す『炎珠の紅玉』と呼ばれるマイスターオトメでもある【鴇羽 舞衣】の名の登場、お互いに身代わりになった【アリカ・ユメミヤ】と【晶】の面白さなどが、今作の見所だと思います。その中でも注目したのが、一国を治める君主として、女王としての【巧海】と【マシロ】の王たる資質の描きに関する表現が良かった。【マシロ】にとっては国を治める者としてどうあるべきか?の方向性を【巧海】の姿勢を通して感じて、どのように受け止めるのかに今後の期待している描きになっていた。
 風華宮に「ジパング」の一行が到着し、【マシロ】が居なくてどうするかを考えている【サコミズ・カージナル】と【アオイ・セノー】。そこへ【アリカ・ユメミヤ】と【ニナ・ウォン】が来る所から物語は始まる。仕方がない状況になり【サコミズ】が切腹の仕草、【アオイ】が【マシロ】の身代わりなどの意見が出るが・・・「おバカではなく、天真爛漫さを真似る者・・・」と言って、3人で【アリカ】を見た。【アリカ】は訳が分からずに「えっ?・・・なんですか?」と言うだけだった。そのアニメ劇中では、いきなり有り得ない設定が描かれる。【ナギ・ダイ・アルタイ】「君の為なら死ねる!」と言われて、顔を赤くする【マシロ】からいきなり、表情が一変し「わらわの為に、死んでみせよ!ナギー!」と【ナギ】も「あ~ん、もっと~」ともの凄い『夢オチ』が表現される。いきなりだからかなり笑えました。目を覚ますと【ミコト】と遊ぶ一人の青年が見えた。その頃、王宮では【アリカ】が扮した【マシロ女王陛下】が登場していた。【アリカ】の姫様としての格好は、ピンク色を基調にしたお姫様らしい格好ですね。髪型も普段とは違っておろしています。とても可愛いと思います。「ジパング」の王子【巧海】(影武者の【晶】)を目の前にして「わっ・・・わらわがマシロじゃ、くるしゅうないぞ・・・うん、くるしゅうないぞ、くるしゅうないぞ」とガチガチで、ドキドキの表情と仕草が面白かった。その【アリカ】の態度を見兼ねて強力な「肘打ち」をする【ニナ】が「私は、マシロ女王陛下のオトメ、アリカ・ユメミヤでございます」と言う。その事を聴いて驚く【アリカ】に更なる「肘打ち」が・・・。この場面で良かったのが【チエ・ハラード】と【アオイ】との会話ですね。お互いが仲の良さを表現している。【チエ】が得意の宝塚歌劇団の男役のような風貌と言動も【アオイ】に効果なしな所が良かった。【チエ】と【アオイ】の2人が内面での繋がりの強さも同時に感じる事ができるシーンだった。
 その【マシロ】が目を覚ました所は、バラック小屋の並ぶ水路脇だった。もちろん「ヴィント市内」であるが・・・【マシロ】「どこなのじゃ?ここは・・・」とい周囲を見渡す。「ヴィント市!そんなはずがあるか!・・・わが国にこんな汚い・・・」言って、自分の住む王宮を見て「あっ・・・あれは、わらわの・・・では、やはりここは・・・」と言葉が少なくなる。ここでは、今の【マシロ】は自国の内情も知らない無能さが強調されていた。【巧海】が、温かい食べ物を手に持って来るが、手をつけずに【ミコト】に上げてしまう。このシーンはお互いが偽って自己紹介をする。【巧海】「僕は、えっと・・晶、尾久崎 晶です・・・君は?」と聞かれ、【マシロ】「わらわか?わらわは・・・アルタイの・・・そう!ニナじゃ!ニナ・ウォンじゃ」とのやり取りがある。【ミコト】はガツガツ食べているだけだった(笑)。
 民衆、国を挙げて【マシロ】の誕生日を祝うパレード。その車中では【アリカ】「無理だよ~マシロちゃんのマネなんて」【ニナ】「今更、何言ってんの・・・」「だいたい、何で自分が「アリカだ。」何て言ったの?」「例え、お芝居でもニナ・ウォンがマシロ女王のオトメになるのが嫌なの」と言われて、意気消沈の【アリカ】だったが、次の【ニナ】の言葉で「それに、あながち嘘ではないでしょう。あなたマシロ女王ともう契約しちゃっているんだし」「どっ!どうして知っているの?」とショックを隠せない【アリカ】。「お願い!みんなに内緒にして!マシロちゃんと約束してるの!」と必死にお願いする。その【ニナ】からは今までの出来事を忘れる事と言われた。下着になって川を泳ごうとしたり、【セルゲイ・ウォン】への恋心など。すると【ニナ】は街並みに【マシロ】の誕生日を祝う肖像画のたれ幕を発見し【アリカ】と慌てるのだった。さて【マシロ】は【巧海】に正体を明かそうとするが、そのたれ幕が片付けられてしまい「なっなぜじゃ・・・わらわの誕生日だというのに」と聞いて【巧海】が「ニナさん、誕生日なんだ」とお花屋さんを見つけて走り出す。同時期に【晶】「まだ、見つからんのか?」【伊織】「残念ながら・・・」と聞き、「ちっ!そろそろお薬も切れるだろうに・・・あの方は優し過ぎるから・・・」と心配する【晶】。そして、【巧海】「はいっお誕生日、おめでとう」と一輪の花をプレゼントする。「これを、わらわに・・・」と【巧海】の優しさに触れて惹かれて行く。所持金を全て使って買った事を聞いて「お人好しじゃな」と言われて【巧海】は、同じ事をよく言われて怒られた姉【舞衣】を想い出して笑っていた。【マシロ】は自分が沢山のプレゼントの山に囲まれた姿を回想する。一輪の花とのギャップはあるが【マシロ】の心を捉えた。その花を【マシロ】の髪に飾って上げる【巧海】の何気ない所も良い感じですね。
 その「ジパング」一行が視察先の「ガルデローベ学園」に到着し、出迎える【ナツキ・クルーガー】と【シズル・ヴィオーラ】。なぜか【セルゲイ】も一緒に居た。ここにも各国の思惑を窺い知る事ができる場面と言える。【シズル】は【晶】の身体つきを見て「女の子」だと直感した(笑)。それと【アリカ】と【セルゲイ】の会話を黙って聴いている【ニナ】の仕草と表情が良かった。義父である【セルゲイ】を好きと想っている【ニナ】。微妙な女の子の展開に対しての期待感が高まります。
 一方、【マシロ】と【巧海】は公園の縁日みたいなフェスティバルで、楽しい一時を過していた。その中で【巧海】が薬を飲むシーン。最後の一錠だったらしい。この事を【晶】は心配していた。【マシロ】「そなたは、何をしに来たのじゃ?」と聴くと「僕は、この街に人を捜しに来たんだ・・・って言っても、もうここに居ないのは分かっているんだけどね・・・」と【舞衣】の住んだ街並、見たり感じた物を共有する為に来たと思えた。ほのかな恋心を抱く【マシロ】は、その捜している人が気になる様子だが、その相手が【巧海】の姉と聴いて、表情が明るくなった。学園内を見て回る【晶】たち、その姿を見ていた【アカネ・ソワール】と【ジュリエット・ナオ・チャン】も面白かった。【ナオ】の将来の人生設計を語っていた。やはりお金持ちとの出会いを模索しているらしい(笑)。【アカネ】と【カズヤ・クラウゼク】の中にも言及する【ナオ】も最高ですね。そろそろ【アリカ】にも疲れた見えて来ていた。そんな【ニナ】の容赦なき二段攻撃がヒットする。しかし、その疲れは【晶】にも言える事だった。お互いに、慣れない女王と王子の役をしていたので、当たり前に疲労があるだろう。【晶】は【巧海】の姉へのベッタリなのが羨ましいらしいとの本音が見え、言動などから【巧海】への家臣以上の想いが伝わる。【伊織】に笑われて顔を赤くするのだった。【晶】が一人になり、汗を流す為に衣服を脱ぐと・・・全体的にしなやかな女の子らしい身体と晒し姿が・・・その時「やっぱり、おなごはんどしたか」との【シズル】の声。【晶】は苦無(クナイ)を出し周囲の気配を探るが【シズル】に捕まり事情を聴こうとすると、そこへ【アリカ】「あの・・・デェナーのお誘いに・・・」と入って来る。それを見た【シズル】の一瞬の隙を見逃さず、煙幕はり脱出をする【晶】。既に「忍者装束」だった。【シズル】にローブ姿にして貰い、【晶】を追跡する事になる。
 夕方になり【巧海】「そろそろ、帰ろうよ」と言う、【マシロ】はそれを何とか引き止めようとする。それと【巧海】は【晶】や【伊織】に対して迷惑を掛けている事も十分認識していた。この場面で【マシロ】の女王としての資質を問われてしまう決定的なシーンがあります。【マシロ】「どうじゃった?良い国じゃろ?」と言われて【巧海】は「そうだね・・・ニナちゃん・・・」と言うが、こうも続けた。「でも、誕生日で街中がお祭り騒ぎをしたり、お城の改築とかする前に・・・この国の女王はやる事があるんじゃないかって、そう思った・・・」その言葉に対して【マシロ】はどう思っただろうか?表情は戸惑っている感じだった。【巧海】は続ける「君が目を覚ました場所・・・あそこの人たちの事とかも」と言う。【マシロ】は「あんなの働かぬやつが悪いのじゃ!」「働けないんだよ、仕事が無くて明日食べるパンにも困って、盗みに手を出す子までいる・・・」その【マシロ】は「パンがないのなら・・・菓子を食えば良い!」と手に持っているキャンディーを前に出す。その【マシロ】を見て「君は幸せなんだね」の一言を言われる。何か悔しい【マシロ】だった。だが、これが2人の国を想う差が如実に表れた場面である。【マシロ】が今後、この言葉をどう感じ、受け止め、治める者としてどう行動を示すかが楽しみであります。その直後、【巧海】は胸をおさえて苦しみ出す。【アリカ】は【晶】と一戦、交えるが【巧海】を上空から見つけて、「若に何をする!」と【マシロ】に向って行く。そこに【ニナ】もローブ姿で登場。そこで【晶】が家紋入りの印籠を出し、【マシロ】も「そなたが・・・」と【巧海】の正体を知る。苦しむ【巧海】に口移しで薬を飲ませる【晶】だった・・・その後、2人で抱き合っているのを見ていた【アリカ】【ニナ】【マシロ】は驚きを隠せないでいた。【アリカ】「男の子だよね・・?2人とも・・・」との問いに【シズル】「これも、一つの愛の形どす・・・」と【晶】が女の子だと告げない所もさすがですね。【マシロ】のほのかな恋心が終わった瞬間でもあった(笑)。
 【ナツキ】と【巧海】との学園長室での会話シーン。【巧海】の「巧海頭忠頼」として、ジパングの将軍家の嫡男としての「オトメ」に対する否定的な発言と見方がアニメ劇中では表現されていた。そして【巧海】から「ならば、『炎珠の紅玉』。彼女の事はどう説明されるのです」と言われて【ナツキ】の表情が変わり言葉に詰る。「彼女は、恋と夢に引き裂かれた、強い人だとみな思っていた。なのに・・・」とのやり取り。【アリカ】には理解できない様子で「ねぇ?炎珠の紅玉って何?」と小声で聴くが・・・【ニナ】の肘打ちが・・・【アリカ】のおさげで感情表現がされていた(笑)。【巧海】は「ジパングは今後、しばらくの間、この西方諸国に対しての不干渉を貫く」とした。具体的な国名はないが「アルタイ公国」もコンタクトを取って来た多くの国の中にいた事は描かれている。【マシロ】は【巧海】に言われた言葉を思い返していた。【巧海】に貰った一輪の花に手を伸ばす・・・そして、あの歌を歌うのだった・・・【ナツキ】も自身の学生時代(ローブ)の集合写真を見ていた。楽しげに写る【舞衣】と【ナツキ】の姿が・・・。
 そうして【巧海】と【晶】たち「ジパング」一行が帰るシーン。【マシロ】は体調不良の為に見送りに来れないと告げられる。そんな【マシロ】に気を遣ったのか「陛下には申し訳ない事をしました。楽しかった。良い女王になって下さいとお伝え下さい」と言う。【ナツキ】は「はい・・・あの殿下は・・・舞衣の・・・」と言われ、頷くだけの【巧海】。「さよ~なら~またね~」と手とおさげを使って、お別れをする【アリカ】。【巧海】も「そうだね・・・また来る事になるかも・・・」と意味深な発言をするのだった。行方不明の【舞衣】の登場が待たれますね。その時、また【巧海】に会う事になるとは思いますが・・・。