自宅から車で30分くらいなので、行こうと思えばすぐに行けるのですが
私はかなり久しぶりに行きました。
我が家の周りは住宅地なので、ちょっと行っただけで
自然が豊かにある、というのはとても嬉しいことです。
沼の隣の公園では、春には桜が、秋には紅葉が見られます。
一人では行きませんが、子供が小さい時には何度か遊びに行きました。
数年前、夫がうつ状態の時に、毎日家の中でひたすらゴロゴロしているもんで
日光にも当たってほしいし(動物は日に当たってビタミンDを作るので)
きれいな景色を見たら、少しは気分が良くなるかな、と思って
2人で同じ所へ行ったことがありました。
季節は秋。
今よりちょっと寒くて、紅葉がきれいな時期でした。
ただベンチに座って、風が冷たく、少し寒かったんですが
美しい自然と、澄んだ空気に癒されました。
弱った時には、特に自然が助けてくれると思います。
単純に、気持ちがいいですからね。
夫は口数少なく、何を考えているのかも、全くわからない感じでしたが
連れてきてくれてありがとう、と私に言っていたので
まあ、良かったのかなあ?と、半信半疑でした。
近くに古民家を改装した蕎麦屋さんがあったので
2人でお蕎麦を食べました。
趣があって、素敵なところでした。
そのことを、この前、沼に行った時に夫が言ったのです。
あの時のお蕎麦が美味しかったから、また食べたいと。
あの時、表情も乏しく、ほとんど喋らず、何を考えているのかよくわからなかったんですけど
夫の中では、しっかりと記憶に残っていて
良い思い出になっていたようでした。
私は、わざわざ連れ出した意味があったのかなあ?って
あの時、何とも言えない気持ちになっていたのです。
私のただの自己満足でしかなかったのかなあ、と。
自然に触れることも、美味しいものを食べることも
良い影響があるとは思いますけど。
本人が自分からしたいと思わないことを、私がさせて
果たして良かったのかなあ、と。
うつ状態の時は、何をやってもこんな感じなので
私は何をやっているのだ?と、虚しくなることばかりでした。
けれど、何年も経って「あの時、こんなお蕎麦を食べて…」と
私よりよく覚えていたので、しっかりと心に刻まれていたのだなと
今になってわかりました。
食べることが好きだから、美味しいものは忘れない。
多分。
色んなことを、どんどん忘れてしまう夫ですが
美味しいものの記憶は、強いらしい。
私は何度も何度も、感情が停止しているような夫に対し
一生懸命に話をしたり、外に連れ出したり、美味しい料理を作ったり
できる限りのことをしてきました。
耳は聞こえていても、話が通じているのかなんなのか
半信半疑で、何度も。
それでも、きっと無意味ではないはず。
私の気持ちは、多少は通じるはずと信じて。
夫は今は元気で、精神状態がまともなので、
具合の悪い時は、どう思っていたのか聞いてみました。
当時、言われていることはわかるけど、心に入っては来ない状態だったそうです。
それでも無意味ではなく、後から、その気持ちを受け取れるようになったと。
これは、二人の関係性によると思います。
お互いに伝えよう、受け取ろうとしているから。
残念ながら、いくら心を込めても、一生懸命でも
違う方を向いている相手には、やっぱり受け取ってもらえません。
だから、気持ちを込めたら、必ず伝わるとは思いませんよ。
けれど、大事な人に伝えたい、と努めるのは無駄ではない、と言いたいです。
自分が後悔しないように、やるしかないですね。
夫には、私の気持ちはしっかり伝わっているようなので嬉しいです。
さて、そのお蕎麦屋さんですが、蕎麦が売り切れてしまったのか
お昼の営業が終了していて、入れませんでした。
残念でした。
また食べに行きたいです。
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