花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

英訳たかすえドーターのうた-2 まどろまじ

2025-01-28 | 英訳更級日記の和歌
あづま路の道の果てよりも、なお奥の地で育った娘、孝標女(たかすえドーター)の「更級日記」より

まどろまじ 今宵ならでは いつか見む くろとの浜の 秋の夜の月
まどろまじ こよいならでは いつかみん くろとのはまの あきのよのつき 

十七日(1020年9月)の朝に、いかた(千葉県北部)を出発。その夜は「くろとの浜」というところに泊まった。明るい月に照らされて、遥か彼方まで続く白い砂丘。松原を吹きわたってくる風に、しみじみ心打たれもする。歌を詠む人たちに交じって、私も一首。
まどろまじ 今宵ならでは いつか見む くろとの浜の秋の夜の月(玉葉集)
I will not  slumber  if I miss seeing tonight, when can I see it ?
The moon of an autumn night above the beach of Kuroto.
slumberンバまどろむ   beachーチ砂浜 above上に
I will not slumber  眠らないことにするわ
If I miss seeing tonight 今夜見逃したなら
When can I see it? いつ見ることが出来るというの
The moon of an autumn night  秋の夜の月を
Above the beach of Kuroto くろとの浜に出ている

ここ妙高山麓の雪は、1月中旬からは落ち着いていましたが、
下旬に入って週末は大雪警報です。
灯油代が70円/Lの時代に設置した屋根融雪装置も、灯油代が
倍ちかくになった今では、稼働を控えています。
雪おろし人足代は2,500円/hour。これでは一家の大黒柱の私が
老骨に鞭うって屋根に上がらざるをえません。

ご訪問ありがとうございました(ゆ~)
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英訳たかすえドーター のうた-1くちもせぬ

2025-01-21 | 英訳更級日記の和歌
  ーあづま路の道の果てよりも なお奥つ方に生ひ出でたる人ー
 東海道の果てよりももっと奥の地で生い育った人とは、この私たかすえドーターです

更級日記(菅原孝標女すがわらたかすえのむすめ)の和歌の英訳です
 参考書は、小・中学生むけ『更科日記』現代語訳(森山京著 ポプラ社)
 齢とともに変わりゆく作者の心情を辿れるように編集していきます。
 朽ちもせぬ この川柱かわばしら のこらずは     昔のあとを いかでしらまし
 10歳から13歳までの少女期を私(たかすえドーター)は上総国かずさのくに千葉県中部)で過ごした。私の父菅原孝標すがわらたかすえが国司こくしとしてこの国に赴任中であり、私も兄や継母とともども京から移り住んでいたのである。
 私が13歳になった秋、父の任期が終わり一家は京の都へ帰ることになった。
 出立しゅったつは寛仁かんにん4年(1020年)9月3日
 9月15日、雨のなかを国境(くにざかい)を越え、下総国しもうさのくに(千葉県北部)のいかたというところに泊まる。

 17日早朝に、いかたを出発。
 聞けば昔、この下総国に、まのの長者という大金持ちがいたそうな。その長者屋敷のあったあたりが、いまは深い川になっていて、私たちはそこを船で渡った。昔の門の名残りだという4本の太い柱が、流れの中に突っ立ていた。
 一行のなかには、さっそく歌によむ人もいた。で、私もつぎのような歌をつくり、口の中で詠んだ。

 朽ちもせぬ この川柱 のこらずは 昔のあとを いかでしらまし
If it were not for these pillars remaining undecayed in the river, how could we  know there used to be a millionaire's residence here?
 millionaire ミリオ大富豪 residenceズイデンス邸宅 pillar
     decayデイ朽ちる undecayed=not decayed
If it wee not for these pillars  この柱がなかったなら
Remaining undecayed in the river 川の中で朽ちずに残っている
How could we know  どうしてわかるかしら
There used to be a millionaire's residence here? 昔、ここに長者屋敷があったことが

   ご訪問ありがとうございました(ゆ~)





 



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英訳百人一首010蝉丸

2025-01-16 | 百人一首英訳
蝉丸せみまる(生没年不詳 平安前期)

これやこの行くも帰るもわかれてはしるもしらぬも逢坂(あふさか)のせき
これやこの いくもかえるも わかれては しるもしらぬも あうさかのせき

This is such parting ways ここがあの別れ道
Where travelers come and go 行く人も帰る人も
Friends and strangers  知るひとも知らないひとも
All are to meet and part みな出会ってまた別れねばならない
At the gate of this "Meeting Hill" この逢坂の関で

part 別れる、分かれる stranger[ストインジャ-]見知らぬ人、他人

  ご訪問ありがとうございました。
次回からは、『「更級日記」たかすえドーターの歌』の英訳をブログします。
よろしくお願いいたします(ゆ~)


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英訳百人一首009小野小町

2025-01-13 | 百人一首英訳
小野小町おののこまち(生没年不詳 平安前期)

花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
はなのいろは うつりにけりな  たずらに  わが身よにふる  ながめせしまに

Color of the flower 花の色は
Has faded away 色あせてしまった
My life passes vainly by わたしの身も空しく過ぎてゆく
While watching the long rain falling 降っている長雨を見つめている間に

    fade イド萎れる あせる vainイン空しい  無駄な

   ご訪問ありがとうございました(ゆ~)

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英訳百人一首008喜撰法師

2025-01-09 | 百人一首英訳
喜撰法師きせんほうし(生没年不詳 平安前期)

わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢやまと人はいふなり
わがいおは みやこのたつみ しかぞすむ よをうじやまと ひとはいうなり
宇治は京都の辰巳(東南)の方向にある
My shabby hut is  私の草庵は
Southeast of the capital 都の東南にあって
Where I chose to live alone with deer そこで鹿とひっそり暮らしている
People call it "Mount of Gloom" 世間ではここを「憂(う)じ山」と呼んでいる

  shabbyみすぼらしい  hut小屋  chose選んだ  aloneひとりぽっちで  gloom憂うつ
  
   ご訪問ありがとうございました(ゆ~)

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