花咲く丘の高校生

平成時代の高校の授業風景を紹介したり、演歌の歌詞などを英語にしてみたり。

選者の目は確かだった(3)

2024-11-15 | 雑記帳
選者の目は確かだった(3)
  私が英訳した俳句の自賛です。
The Gimyo River  儀明川は
 Looks desolate streaming down 荒涼と流れていくように見える
From the hamlet brook 山村の川から
英訳自賛:
①音節が5-7-5である。 
②desolate[ソレット ]は 荒れ果てた、淋しい、住む人のいない の意味だから、「住む人がいなくなったhamlet集落」と「私は淋しい(look desolate)」の両方の意味を含んでいる。
③the Gimyo looks desolateは「儀明川の源流であるこの小川から流れて行ってしまった昔が淋しく見える」
 荒涼として流れている今の自分の姿を、昔のまま変わらなく澄んだ川面に映し出して、思い出に浸っている。原句のキーワードが「訪ねて淋し」なら翻訳句のキーワードは「look desolate」なのである。
 サイデンステッカー(『雪国』の翻訳者)なら私の翻訳した句に五つ星をつけてくれるだろうか。

 余談: お題「夏の満員電車で」
早大卒のタレントタレント藪宏太さんの句
   幼子を守る隙間に青田風
この句を酷評して俳人夏井いつき先生が「せめてこれくらいにしなさいよ」と言って直した句
   子が潰れそう満員の冷房車
 梅沢富美男さんもダメ出しした。藪さんの俳句では「言いたいことが伝わらない」らしい。 
 そこで私も一句:お題「バラエティー番組で」
   虐められ 藪さんなんだか可哀そう
   先輩に いびられ  宏太 うれしそう 
お付き合いありがとうございました。これに懲りずに次回からもよろしくお願いいたします。(ゆ~)




 


  

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選者の目は確かだった(2)

2024-11-08 | 雑記帳
選者の目は確かだった(2)
さて、どっちの句を選ばれたでしょうか?
後谷訪ねて淋し儀明川(昭雄)
後谷流れて淋し儀明川(ゆ~)

流れて淋し」では、作者は上越市高田の市街を流れている儀明川に架かっている高田橋か四ノ辻橋(しのつじばし)に立って、故郷後谷(うしろだに)で小鮒を釣ったあの小川に思いを馳せながら、孤独な自分の心情を詠んでいる。
 一方、「訪ねて淋し」は、廃村になった故郷の村、後谷を実際に訪ねて、子供の頃に楽しく遊んだ小川の、その水面に遠い過去の映像を映し出しながら思い出に沈んでいる。親兄弟、自分と同じように年老いてゆく友達、祭り太鼓の音や稲藁の匂い、あの娘と逢った村はずれの一本杉。
 どうしても、「訪ねて淋し」にぴったりの心情を七音節以内で表現する英語は思い浮かばない。ということは、「訪ねて淋し」は日本語以外の言語では表現できない素敵な日本の言の葉だったのだ。言い換えれば、「訪ねて淋し」は並みいる世界の言語をフィルタリングして抽出した言葉のエキスなのだ。
 私は四苦八苦して楽しみながら言葉をこね回してうちに、ようやく「後谷 訪ねて淋し 儀明川」は卓越した俳句であることが分かった。

 コメ主さまから次のようなアドバイスを頂いた:
「『後谷 訪ねて』は『後谷を訪ねて』の意味だと分かるが、
『後谷 流れて』は文法的に考えると意味が曖昧になる。
 そこで、『後谷 流れ淋しき 儀明川』としてはどうでしょうか」
 なるほど、と思って英語にしてみた:
「後谷訪ねて」 I visited Ushirodanで正しい英文だが、 
「後谷流れて」では The river streams Ushirodani は間違った英文で、
  The river streams from Ushirodani が文法的に正しい。
  The river streams down Ushirodaniなら、表情(感情)のある英文になる。

 後谷 流れ淋しき 儀明川
      これで、入選確実!

 次回のブログは、私が翻訳した句の自画自賛になりますが、納得していただければ嬉しいです。(ゆ~)
 
  ↑2年前のphotoですが、今朝の妙高山はこんな初冠雪でした。↑





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選者の目は確かだった

2024-11-01 | 雑記帳
 先日、友人に頼まれて特選に選ばれた俳句を英語に翻訳した。
儀明川』というお題の句展で特賞になった俳句です。
 儀明川(ぎみょう川がわ)は標高1000メートルほどの山間の集落、後谷(うしろだに)から上越市街地を通って流れている川である。
  後谷訪ねて淋し儀明川(昭雄)
先ず、I vtsited Ushirodani to find the River Gimyo Streaming desolately.
         down the hamlet.       
 stream[ストーム]流れる desolately[サレタリー]淋しくhamlet[ムレット ]集落
  (わたしが後谷を訪ねてみると、儀明川がその集落を 淋しく流れていた)
と英訳してみた。
 これを捻りに捻って
     The River Gimyo/ Looks desolate streaming down/ From the hamlet brook   (儀明川は寂しく流れ下りているようだ あの小村の小川から)
 と5-7-5にした。
ところが、この英句を日本語の俳句に翻訳し直すと、 
 後谷流れて淋し儀明川 

 後谷訪ねて淋し儀明川(昭雄)
 後谷流れて淋し儀明川(ゆ~)
 私の目には、両方とも傑作のように思えますが、選者の目には優劣の違いが歴然としているのでしょうね。皆さまは、どっちを選びますか?   

 答えとその理由は次回のブログで。(ゆ~)
       



  


         

   




         

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笑顔は地球を救う

2024-10-08 | 知っておきたい話
笑顔は地球を救う平成時代の高校                                                                                             
1年生、現在完了形の授業で
「聞くのhearは、hear-heard-heardと不規則変化する。heardを規則変化と勘違いして、『ヒアド』と発音している慌て者も多いが、heardの発音は『ハ~ド』だぞ。困難なという意味のhard『ハード』との発音の違いだが、hardのアーは口を大きく開けて、佐渡おけさを歌う時のように『ハー』と言うのだ。 heardのア~は、『えっ?』って言う口つきのままで、お腹の方からゆっくり息を出して『ハ~』と発音する」
 では皆で言ってみよう。hear-heard-heard... 
「コラっ!うるさい!後ろの列の美香!減点するぞ!」
「え?あっ、はあーい」と言って我に返った美香がにっこりと微笑んだ。
「おお、いい笑顔だ。笑顔に免じて減点は取り消しだ」と言うと、
「え~、先生は美香をえこひいきしているっ」という声がした。
「美香を依怙ひいきだって?とんでもない。ただ、素敵な笑顔に依怙ひいきしているだけだ。いいかい、この21世紀に一番必要なのは、皆の笑顔だ。笑顔が地球を救うのだだから、若者よ Smile and  save the world!」

  
環境大臣さま
SDGsには smart(ぬけめなく)sexy(かっこよく)ではなく、『地道にどんくさく』取り組んでくださいね。

ひとり言
SDGs  誰でもが自分に都合がよいように解釈できるこの言葉は嫌いだ。
SDSs  誰もが逆らえないこの呪文を声高に唱える人間はどうも胡散臭い。
SDGsが CO2を吸収している山林を丸裸にし,ラムサール条約の湿地を潰して、環境破壊の無機質な光パネルで埋め尽くしている。国民から多額の森林環境税』を掠め取ってまで。
SDGsは 一部の者の利権のために庶民から笑顔を奪い、やがて自分以外の生きものを地球から抹消してしまう令和の「呪いの言葉」だから。 
                  
            ご訪問ありがとうございました。(ゆ~)
           

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愛は線香花火

2024-09-30 | 高校生
愛は線香花火
  授業中のエピソード(平成時代の高校で)
 私:「考えてみれば、永遠なんてものは存在しない。『Never forever.』なんだなあ」
「せんせい、愛は永遠です」と茜が言った。
「そうかなあ、愛だって線香花火のようなものだと思うけどなあ。暗闇にぽっと燃えて、火花が弾けて、すぐに散ってしまう。大切に、大切にしていたものだって、いつかは無くなる。儚いなあ。無常だなあ」
 茜:「今日のせんせいはちょっと変ですよ。どうしたの?奥さんと喧嘩ですか?」
「えっ? う~ん。というよりも、あの『3.11』(東日本大震災)以来、オレの価値観が崩れちゃってさ、人間不信というより、自分不信状態なんだよ。でも、線香花火って好きだなあ。闇夜を密やかに点してくれて、ぱっ、ぱっ、と美しく弾けて、もう少し待ってくれと思っている間に消えてしまう。愛も人生も線香花火なんだよなあ」
「あたいはスターマインがいいです。やっぱ、花火はスターマインです」と
いつも、いつも、前向きな茜さんでした。

                 『花咲く丘の高校生』(p.150)より
  ご訪問ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします(ゆ~)









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