フランス憲法制定への第一段階として、1789年に「フランス人権宣言」が採択されました。
人権宣言 第3条
いかなる主権の原理も本質的に国民に存する。どの団体も、どの個人もそこから明確に発しないような権威を行使することはできない。
人権宣言 第16条
権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない。
但し、この宣言において人権が保障されていたのは、「市民権を持つ白人の男性」のみで、女性や奴隷、有色人種を「完全な人間」として見做していないので、人権保障の対象外です。この事から考えると、「人権が保障されているのは共産党員だけ」と云う「共産主義国家の憲法」と親和性が高いかも知れません。また、2003年にはユネスコが「フランス人権宣言」を「世界の記憶」に登録しました。
世界人権宣言(1948年) 第1条
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。
但し、世界人権宣言は条約ではなく、総会において採択された決議で、この国連総会決議は勧告であり法的拘束力がない為、「世界人権宣言」も拘束力は無いとされています。
世界人権宣言 前文
・・・すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の規準として、この世界人権宣言を公布する。
前文には「達成すべき基準」と書いてある事からも、当時の「人権の保障」は世界標準では無かった事が見て取れます。
明治憲法(1889年) 上諭
・・・朕は我が臣民の権利および財産の安全を貴び重んじ、またこれを保護し、この憲法および法律の範囲内においてその享有を完全に確かなものだとしてよいと宣言する。 ・・・
昭和憲法(1947年)第11条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
「世界人権宣言」の59年前に発布された明治憲法には「臣民(国民)の権利」が保護される事が明記されています。GHQ占領統治法(通称、日本国憲法)によって日本人の人権が保障されるようになったと思い込んでいる人もいるとは思いますが、1919年のパリ講和会議で世界で最初に「人種平等・民族自決」を主張したのも日本である事を知れば、世界の人権宣言の胡散臭さも理解できます。
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