オメガねこ

知識は人をバカにする。
智識はバカを人にする。
信じるか信じないかは、自分次第です。

「縄張り」 と 「国家」

2021年06月15日 | 雑感
 「個人の自由領域」には様々な定義(域)が有るとは思いますが、ここでは「支配者と被支配者」の関係性を合理的とし、それが現在の「国際標準」である場合は「正しい」とする個人の領域に限定します。

 例えば、古来「騎馬民族」や「流浪の民」が自由に往来していた領域の「領有権」は、過去の経緯は如何であれ、「WWⅡ」以降の国際秩序を維持するためには「無効」である事を意味します。現在の「国際秩序」を無効にする為には、現在の「戦勝国連合(通称、国連)」を解体する以外には無いのですが、それには「(既に始まっているかどうかが分からない)WWⅢ」の終結を待つ以外にありません。

 「国家の定義」が定かでは無かった、或いは、現在とは違っていた近世以前の「縄張り」に対して、現在でもその所有権を主張する「民族」が散見されます。「我々の土地を返せ!」と。しかし、その「我々」の定義が不明瞭で、しかもその奪われた時代には「所有権」の定義すら存在していない時代の「領域(縄張り)」を、です。

 その「我々」は、その「領域」をいかにして手に入れたのかは、何も述べません。先ずは、主張する「我々の土地」を、入手以前の状態に現状復帰してから、その領有権の正当性を示す必要があります。当然ながら、「我々の土地の入手方法」が当時の慣例に即していた事を「正当」とするのならば、「我々が奪われた土地」も当時の慣例に即していた場合は「正当」になります。

 宮古島島民遭難事件(1871年)では、台湾沖で遭難した宮古島の島民69人の内54名が台湾の原住民に殺された事から、当時の日本人が「台湾を管理しているのは清朝」だと思い込み、清朝に抗議した所「化外(中華文化の及ばない地域:統治の対象外)の民の責任は負えない」とされました。

 その後色々あって、1873年から日本は台湾に出兵し、殺害された被害者の遺骨を集め、現地人の協力を得て現地に墓を造ったそうです。清朝側は「このままでは台湾が日本領になる」との危機感から日本側に賠償金(日本の戦費の1/10程度)を支払い「台湾は清朝の領土」で有る事を日本に認めさせ、同時に「琉球民は日本国属民」である事を清朝は認めました。

 この事は、日本と清朝が当時の国際基準である「領域の住民を統治する事で領土とする」ことを認めたと言え、中華思想の「領域(縄張り)主義」から、近代思想の「統治主義」を国家の定義とする国際社会の流れをアジアにも齎しました。

 日本は、明治以前は「藩」ごとに統治され、天皇が認める幕府が「藩」を統治する「日本藩連合国」でしたが、明治以降は「日本国」として一括統治されるようになりました。

 近代以前の「中華思想」によって成り立った支那大陸の統治機構を否定すると、現在の「中共が領土と主張する中国」を否定する事が出来ますが、多くの「知識人」や「学者」これに同意しません。

 それどころか、「日本の領土」に関しては、「沖縄は琉球民族の領土」「北海道はアイヌ民族の土地」と云う学者もいて、「親中派」に多くみられる意見です。若しも、この曲学思想が正しいのなら当然、支那大陸は四分五裂する事も認める事になりますが、そこはそれ「サヨク」なので、黙して語らず。

 「中華思想」を認めた場合には、蝦夷(エゾ)には7世紀に阿倍比羅夫が後方羊蹄(シリベシ)に、蝦夷(エミシ)の要請を受けて政所を置き、郡領を任命して帰ったことから「日本領」である事は明らかで、「アイヌ民族」が入植したのは13世紀以降(それ以前の史跡や史書が無い)とされ、少なくとも「北海道の先住民族では無い」事だけは確かです。強いて言えば「北海道の北方周辺の先住民族」だったかも知れませんが。

 「統治主義」を認めた場合は、アイヌが北海道を統治した形跡はなく、史料に残されているのは「部族間の縄張り争い」くらいです。日本側の統治は江戸時代に「松前藩」が有った事は史実であり、幕府直轄領と含めて、確実に統治されていました。

 「統治」の意味は、「宮古島島民遭難事件」の例の様に、統治されている領域内にいる領域外の人(外人)を含む住民に対する法律の適用です。「化外の地」では済まされません。アイヌ同士のいざこざも、松前藩が幕府に申し立てて処理をしました。「シャクシャインの戦い」の様に、アイヌ同士の縄張り争いの仲裁に入った松前藩が、「シャモ(隣人:和人)」対「アイヌ(良い人)」の統治権の争いの様に史実を捻じ曲げられる場合も有ります。

 これは「縄張り」と「国家」の定義が曖昧である事が原因なので、「国家」とは最低でも「統治:文書による法の適用」された地域である事を共通認識とする必要があります。勿論、「文字を知らない」ことを理由に統治を否定することは出来ませんし、統治領域内の国民の行動が、例え領域外に及んでも国家が対外的な責任を持つ必要があります。

 ミカジメ料を徴収できる領域は「縄張り」と言い、縄張り外での責任をとる義務は有りません。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yusuke1012)
2021-06-15 21:12:25
テレビ倒さん、改めてましてこんばんは。
史実以前に、多くの日本人(とくに本土の人は)は、北海道はアイヌ人が先住民族だと認識しているのではないでしょうか。

北海道には、新十津川町という地がありますが、それも結局は奈良県十津川村の元村民による開拓民がつくった新興の町ですし、やはり困難なときであっても、地元を離れずにその地域に残った人からすれば、田舎を棄てた村民として、一部語り継がれていたこともありました。

アイヌ云々については分かり兼ねますが、やはり、同和問題とも同じように、「触らぬ神に祟りなし」の方がいいのではないでしょうか?
返信する
Unknown (yk-soft-85)
2021-06-15 21:43:40
「触らぬ神に祟りなし」とは言っても、アイヌ協会に「神が居ない」チュチェ思想と習思想が入り込んでいて、「カムイ(神居)」を信じる本来の「アイヌ系日本人」が排除されているのです。

目を逸らしたら「負け」です。
返信する
Unknown (dearmadonna)
2021-06-16 08:46:13
北方領土は日本の縄張りですか?🐇
返信する
Unknown (yk-soft-85)
2021-06-16 10:49:35
dearmadonnaさん、こんにちわ。

「条約上の日本領土」ですが統治をしていないので、現状は「ロシア統治地域」です。現在の「クリミア半島」みたいに奪ったもの勝ちで、「領土」とは言えませんが力ずくで「縄張り」には出来ます。

日本は(迂回して)「ミカジメ料」を払っているので「ロシアの縄張り」です。また、日本が外国に買われた土地や領事館・大使館の土地も「日本の領土」ですが、「外国の縄張り」です。
返信する

コメントを投稿