オメガねこ

知識は人をバカにする。
智識はバカを人にする。
信じるか信じないかは、自分次第です。

「中華」 と 「シナ」

2019年08月15日 | 国際情勢

 中華思想とは、「中華」として「天子(天命を受けた君主)の住むところ」の周囲に「内臣(中華直轄の国)」と「外臣(臣下を派遣している国)」、そして朝貢によって国の存在を認めてもらう「朝貢国」のみが文化を持っていて、文化の存在しない「化外の地」である「夷狄」として蛮族を卑しむ華夷思想の事です。

 今の「支那大陸」で言うと、北京が「中華」で、満州・南モンゴル・東トルキスタン・チベットが「外臣」です。「外臣」の内側が「内臣」で本来の中国なのですが、中共はこれら総てを「中国」であると主張し、更に欲深い事に「過去の朝貢国」も元々は中国だったと仄めかしています。その内、「化外の地」も中国に認識されていた事を理由に、中国領と言いだす筈です。

 中華民族の偉大な復興の実現(習近平による中国の夢)では「富強、民主、文明、和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善」の12の社会主義核心価値観を謳っています。殆ど実態が無いにも拘らず、これを目指している事からも「中華思想による世界統一」を狙っている事は明らかです。

 中国共産党は、中華民族には「漢族」だけでなく、蒙古族、満州族、チベット族やウイグル族などの少数民族も含むとしています。この中で「漢族」と「満州族」は既に実態は有りません。漢王朝を出自とする「漢民族」はその後の混乱で500年間の間に人口は6000万人から500万人以下に減少したと言われていて、その後の征服王朝の政策によってさらに減少した事は明らかです。また、「満州族」も中共の人口侵略によってその実態は失われました。

 日清戦争で敗北し混乱の真っただ中にあった清王朝を転覆する為に、孫文や蒋介石などの「満州族の軛から逃れて漢民族による独立国を持ちたい。」との希望を以て、日本に対して協力を要請し、これに騙された日本政府が、溥儀を「漢民族」の土地かから引き離す為に大清帝国の故郷である満州を開拓し満州国のトップに据えました。

 日本による援助で大満州帝国は発展しましたが、中華民国による「満州の領有権主張」と、溥儀の夢である「中原(中華)への進出願望」等も有って、関東軍は満州国に対する影響力の行使を継続しました。

 つまり、「中華」とは「中国支配の根拠」の事で、「中国語で言う中国」とは「中華の影響力の及ぶ範囲」を意味し、現在の国際標準である「国境」の概念とは相いれない概念です。ちなみに、日本語で言う「中国(なかつくに)」は「高天原と黄泉の国の中間」と云う意味です。

 「支那」を「中国」と呼称する事は「中華思想」を認めることになり、投資資金を回収できない「朝貢貿易」は将来の「小中華民族」への道に繋がります。



11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「シナ」は「秦」に由来する (mobile)
2019-08-15 10:41:56
「シナ」に日本では「支那」の当て字を使うのでこれを蔑称だと思っているヒトがいるがトンデモナイことである。
「シナ」の語源は「秦」のことなのである。
英語名「China(チャイナ)」の元も「秦」である。
こう知れば「シナ」の表現が歴史的な事実にもとづいていることがわかる。
返信する
mobileさんへ。 (テレビとうさん)
2019-08-15 12:44:11
コメント有難うございます。

史実もそうですが、「辛亥革命」を孫文は「支那革命」と書いていますし、日本に入国する時には国籍を「清国」ではなく「支那」と書いています。

http://seitousikan.blog130.fc2.com/blog-entry-21.html
返信する
支那のことです (猫の誠)
2019-08-15 22:13:37
アナロジーで考えるとわかります。支那はヨーロッパに対比すべき概念です。するとドイツ人、イギリス人、フランス人、イタリア人などに対比すべきは北京人、広東人、福建人、上海人などです。(言語は民族概念の根本だからです)するとチベット、ウィグル、モンゴルなどに対比すべきは、ペルシア人、アラビア人、ロシア人などとなります。オリジナル漢民族は滅亡していなくなりましたから、混乱を除くには、中共政府の言う漢族という概念を用います。すると漢族には、、北京人、広東人、福建人、上海人などがはいります。すると漢族にはヨーロッパ人すなわち、ドイツ人、イギリス人、フランス人、イタリア人などが対応します。これで整合がとれました。小生の結論が以上です。
返信する
前も書いたかもしれませんが (ぬくぬく)
2019-08-16 01:52:18
ツイッターに「支那」と書いたら凍結されてしまいました。フェイスブックはやっていないので確認はしていませんが、やはり「支那」と書き込むと凍結されるようです。

表現の自由がないSNSは嫌なものです。
返信する
猫の誠さんへ。 (テレビとうさん)
2019-08-16 07:43:07
アナロジー有難うございます。

ヨーロッパには幾つかの概念が有って、主なものはヨーロッパ州(ロシアを含むウラル山脈以西)と欧州共同体(主に西ヨーロッパ)です。

日系オーストリア人のリヒャルト・ニコラウス・栄次郎・クーデンホーフ=カレルギーが提唱した「汎ヨーロッパ主義」がEUの原型で、支那大陸も日本が勝っていればEU並みに安定した地域になっていたと思います。

しかし白人は、白人の安定は望みますが、有色人種の安定は望みません。これが今の世界情勢を決めていると思います。
返信する
ぬくぬくさんへ。 (テレビとうさん)
2019-08-16 07:47:10
コメント有難うございます。

「支那」を「支那」と書いても凍結されない環境になれば、「支那」は安定すると思います。
返信する
満州族は漢族化していません (猫の誠)
2019-08-18 00:05:57
河北、遼寧、吉林、黒龍江の4省は確実に満州族です(実際にはもっと広い範囲ですが言及しません)。なぜなら彼らは北京語(mandarin)を話します。mandarinは北京官話ないし、北京語と訳しますが、語源は満大人と書きます。つまり満洲旗人の意です。「中国人」の多くは北京語を話しますが、北京語の基は満洲語です。支那服も京劇も満洲人の風俗です。上記4省の「中国人」は満洲人と、満洲人化した漢人の居留地です。康熙帝伝(東洋文庫)にも満洲化した漢人という記述はありますが、満洲人が漢人化したとは書かれていません。ちなみに、溥儀(プーイー)はファーストネームで、フルネームは、アイシンギョロ・プーイーと言うのはご存知だと思います。溥儀とだけ書くと漢人のフルネームと誤解されますので。
返信する
なるほど (テレビとうさん)
2019-08-18 08:22:49
「中国」で今でも満州文字が使われていて「自治区」があるのなら「実態としての満州民族」は存在すると言えますが、それは聞いた事が有りません。勿論、「満州人の血を引く人」は多くいると思います。

「アメリカには今もインディアンは存在するか?」とか、「日本にアイヌはいるか?」と云う意味では、「アイヌの人々」と同様に「満州族の人々」はいると思います。しかし、その「実態」は怪しいものです。現在でも「中国は満州民族が支配している。」のなら、話は別ですが。

今、北海道では「アイヌ自治区計画」が裏で進められています。謂わば「アイヌ民族復活計画」です。
また、沖縄でも「琉球自治区計画」が半ば表だって進められています。謂わば「琉球王国復活計画」です。但し、「琉球王国」なるモノは元々存在していなく「琉球国」が在っただけなので「復活」とは言えませんが。

イスラエル建国でも明らかで、私は、民族自決が出来る土地の所有を「実態としての民族」の定義としています。
返信する
満洲文字を使う人たちはいます (猫の誠)
2019-08-18 09:48:06
インターネトではシベ族とありますが、楊海英氏によればシボ族が満洲文字を使っていて四書五経の漢文の満州語訳をさらに北京語に翻訳する仕事をしています。満洲文字は歴史が浅いので、北京語の漢字表記を使って、前記4省の満州族と満洲化した漢族なのはまちがいないです。北京官話となった満州語と支那服や京劇という満洲アイデンティティーを保持しているからです。満洲人以外にもかつて漢王朝以降に支那を支配した王朝の末裔が、広東語福建語上海語を使うものとして各々異なるアイデンティティーを保持して残っています。だから支那はヨーロッパに相当する概念です。なお、インディアンのアイデンティティーを保持する人たちは荒涼としたインディアン居留区にわずかに残っています。
返信する
余談ですが (猫の誠)
2019-08-18 09:55:10
小生のホームページhttp://www.ac.cyberhome.ne.jp/~bwidow/
の「支那大陸論」にいままで述べた説を書いてあります。長すぎて、あまりにも世間の常識とは異なりますが、巷間の説から論理的に敷衍したものです。一読をお勧めはできませんが。
返信する

コメントを投稿