「大東亜戦争」 と 「太平洋戦争」

　「太平洋戦争」は、日米開戦前に多くの小説（日米未来戦記：1925年など）で「太平洋戦争」の名称が使われたようですが、1941年の開戦直後に「大東亜戦争」として閣議決定されました。世界では、1865年のチリやペルーとスペインの戦争、1879年～1884年のチリとボリビアやペルーとの戦争を「 The War of the Pacific（太平洋戦争）」と呼び、米対日戦争は 「The Pacific War（太平洋戦争）」と表記するそうです。

　但し、第二次大戦中は、「the Pacific Theater in the Second World War（第二次世界大戦の太平洋戦線）」と戦域名として用いられ、戦時中は「太平洋戦争」という名称が使われたことはなかったそうです。

　日本側からは、開戦後に「大東亜戦争」と命名したところをみると、山本五十六による「真珠湾攻撃」は「予防攻撃」だったと言えます。例えば「第二次欧州大戦（通称、ＷＷⅡ）」で、ドイツが中立国であるアイスランド王国に侵攻するのを防ぐ為、イギリスやアメリカがアイスランドを予防占領した事が戦争犯罪にはならないのと同様に、日本国が大東亜諸国を開放する為に、必要不可欠と判断した真珠湾攻撃は「予防攻撃」と言え、戦争犯罪には当りません。

　勿論、真珠湾攻撃は「浅はかな作戦」ですが、英米（ソ）にとっては単なる「オトリ作戦」で有ったことが解明されつつあります。この「事実」を山本五十六が最初から知っていたのか、単に騙されたのかが今のところは分らないのですが、日本を敗戦に導いた事だけは確かなようです。

　強大な国が弱小国に対し戦闘を開始する前に「宣戦布告」をするのは、戦争を避ける最後の手段なので、必要不可欠です。逆に、弱小国が強大な国に宣戦布告をするのはバカげた行為と言えます。多くの戦争は、戦闘状態が起きた事をもって「宣戦布告」に替えます。

　「日米開戦（太平洋戦争）」の後に「大東亜戦争」が開始された事になっていますが、経緯を考えると、帝国陸軍の主目的である欧米からのアジア開放である「大東亜戦争」の継続中に、帝国海軍が「アメリカの参戦を躊躇させる為」に「太平洋戦争」を仕掛けたと言えます。実際には、山本五十六は米国の罠に嵌まっただけなのですが、当時の報道機関の影響で、英雄にされていまいました。

注）帝國陸軍や帝国海軍の「帝国」は、世界標準の「独裁拡張主義（世界帝国）」の意味では無く、日本独自の「帝（みかど）を頂く」大日本帝国の軍隊の意味です。「八紘一宇」が「世界統一」とは正反対の意味である事に似ています。

　報道機関も、この「事実」を最初から知っていたのか、単に騙されたのかは分からないのですが、軍事施設を狙った「真珠湾攻撃」を理由に、結果として「数百万人の日本民間人」が虐殺される事に繋がりました。

　帝國陸軍は、一般の民間人が徴兵されて戦闘の最先端に立つので、市民意識は残っていて概ね常識的な行動を取ったと思いますが、帝国海軍はエリート集団だったせいか、行動は英雄的な反面、非常識です。

　「大虐殺時代（通称、大航海時代）」でも、白人が現地民間人を平気で殺す事で勢力を拡大してきたのは「当時の常識」です。日本では軍人同士が戦う事を「戦争」と思っていたようですが、白人の「戦争」は人の生死に関係なく領土を広げる事です。

　この、日本人と白人の「常識の違い」が悲劇の原因でした。現在は、日本人と中国人の「常識の違い」が心配ですが、自由公明党と中国共産党の「常識」は似ているようなので、少しだけ安心かも知れませんww