「実効再生産数」 と 「基本再生産数」

　「実効再生産数」とは、感染症が既に流行している集団で、一人（当たり）の感染者が二次感染させた人数の平均値で、「再生産数」が１．０を上回ると感染は拡大し、１．０を下回ると収束に向かうとされます。

　「基本再生産数」とは、その感染症に対応する免疫を未だ持っていない集団を対象にした「再生産数」とされていますが、「自然免疫や生活免疫」（事前免疫）が考慮されているかどうかは分かりません。「事前免疫」は、人種（民族）や風習（民俗）によってまちまちなので、地域ごとの「基本再生産数」は違う為、これらを平均した値なのかも知れません。

　2020年10月31日の日本の現感染者（正確には、陽性と判断されて、現在管理されている人数。）が6,300人で、累計患者数が10万人とされています。また、「実効再生産数は約１．１」とされています。実際には「未確認感染者」が必ず存在する筈で、更に「適正に管理された患者」は他人に感染させる事は無いと考えられるので、これらの値は統計値（理論値）に過ぎません。（武漢ウイルスの場合は、二次感染可能期間を５日間とし、１週間単位の合計で比較計算しているようです。）

－－－－
　実効再生産数とは「1人の感染者が平均して何人に感染させるか」を表す指標。計算式は「（直近7日間の新規陽性者数／その前7日間の新規陽性者数）^（平均世代時間／報告間隔）」。平均世代時間は5日、報告間隔は7日と仮定。リアルタイム性を重視して流行動態を把握するため、報告日ベースによる簡易的な計算式を用いている。精密な計算ではないこと、報告の遅れに影響を受けることに注意。モデルと監修は北海道大学大学院医学研究院・西浦博教授。計算式の詳細は西浦教授の公開するGitHubリポジトリを参照。　
－－－－

　最近の一日平均の新規感染者数は600人前後なので、この状態が続くと、日本人全員が効率よく感染しても500年以上かかるので、寿命を超えます。

　ニュースでは、この状態を「感染が拡がり危険な状態が続いている」と流布します。これは、現在入院治療等を要する患者が6,000人前後でほゞ一定していても、新規感染者が毎日600人誕生して「累計感染者数」に加算されるので、文系脳では「ウソ」では無いのですが、同時に毎日600人が退院するので「統計学」では間違いと言えます。理系脳では、この状態は拡大ではなく「安定的（平衡状態）」と言い、現状の良し悪しとは別に客観的に示します。

　何故なら、感染する事で「獲得免疫」を得ることが出来るので、医学的にも悪い事ではないからです。しかし、文系脳の人は「患者の痛みが判らないのか！」と怒鳴り付けてきます。

　最近の「武漢肺炎」による「その時点での重症者数」は160人前後で、毎日の死者数は10人以下です。ところが、今年の「超過死亡」はマイナスになると予想されています。つまり「統計学的」には、「武漢肺炎」は人口統計上「日本では影響を与えなかった」と言えます。

　これは、日本人の年齢帯から見た「例年の死亡傾向（簡易生命表）」と、「武漢肺炎での死亡傾向」が同じである事からも言えます。