「性自認」 と 「差別主義者」

　アッチ系の人士は別にして、「ヒトは男女である前に、人間である」事を否定する人は余りいないと思います。先ずは人間で有る事を自覚しているヒトでも「五体満足」と感じる人もいれば、手足の不自由な人や頭の不自由な人もいますが、そこから「生物科学的基準（見た目も含む）」を排除すると、「自認」しか決め手が無くなります。

　例えば、「自認女性（外見男性）」の人が、女性でありながら子供を産む事の出来ない体は「障がい者」であると自認するかも知れません。逆に、子供を産ませる事の出来ない「自認男性（外見女性）」は、障がい者認定を要求するかも知れません。

　「性別による差別は禁止」だとすると、男女が互いに等しく対応する必要が有り、互いに相手の性を識別すると「差別主義者」と思われる恐れがあります。「ＬＧＢＴ法」で「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」とされた場合は、更にクリティカルになり「本人の性自認」とも関係なく、男女を平等に扱う必要が有ります。

　誰が「老害」の対象を決めるのかはさて置いて、「老害は集団自決すべき」などと年功序列も否定される昨今では、年齢による差別を禁止する社会運動も起こりかねず、「自認男女」と同様に「自認年齢」の社会的受け入れが流行するかも知れません。

　ヒトを見た目で判断すると「差別主義者」になるので、自認の性別や年齢は言ったもの勝ちです。

　それは兎も角、生殖可能年齢も含めて「生物学的な男女」の場合は、本人の自認の如何に由らず「男女として認識」しなければ「種の保存」は失われます。人間が生物である限り、男女の生物学上の差異の認識は「差別」には当りません。本来は。

　一方、科学的根拠なしに「本人の性自認」が優先された場合、例えば男性専用の施設に「外見女性（自認男性）」の人がいても問題はないのですがww、女性専用の施設に「外見男性（自認女性）」を受け入れると、困るのは「外見女性（自認女性）」です。

　男女の平等性を認めれば、「男性スポーツ界」で落ちこぼれた人でも、「自認女性（外見男性）」に成れば救われる場合も有るので良いように見えますが、その陰で「自認女性（外見女性）」が振り落とされます。

　これらの混乱を防止するには、総ての種目や施設を「男女共用」にする必要が有り、「男女共用」を嫌う人は「差別主義者」のレッテルを張られる事になりますが、「共産主義者」である事を自認する人もいるくらいなので、「差別主義者」である事を自認しても何の問題も無く、寧ろ「多様性のある社会」と言えます。

　この場合の「自認差別主義者」は、単に科学的で伝統的な正しさを主張しているだけなのですが、それでも「自認差別主義者」を差別する事も多様性に含まれるので、何も問題は有りません。

　「差別主義者」として差別された人は、伝統的な男女別の施設を「差別主義者専用施設」として利用すれば解決します。但し、多様性を否定する「平等主義者」は危険思想なので、近付かない方が無難です。

　「科学的に正しい事を主張する人」を差別する「平等主義者」も散見されるので、それなりの覚悟は必要です。