小森陽子のブログ

ジャズピアニスト小森陽子の徒然日記

うまいことと魂を込めることと美しいこと一生懸命なこと

2006-05-16 05:19:52 | Weblog
 先日、引退されて今は会社勤めをされているドラマー方が和太鼓を叩いている所に居合わせた。その姿がえらく美しく、一生懸命で、魂がこもっていてなんだか頭から離れない。
 彼はバークリー出身でプロドラマーとしてこちらでご活躍なさっていた方で、けっこう最近エンジニアに方向転換された方だ。
今はドラムを叩く機会もほとんどないとおっしゃっている。でも本当に美しかった。感動した。
 
 感動する音楽ができるためには、いつもいつも楽器にふれていること、うまいことは最低条件だろうと思っていたけど、うまいけど面白くなかったり、よく意味がわからなかったり、この人はすごい、と思って聞くから本当は楽しくないけどありがたがってみたり。。。
 いいか悪いかは、聞く側の私の耳がもちろん主観な訳で、作り手は自分の信念をアイデンティティ-をはっきり持って、これだと思ったものを聞いてもらうのでしょう。
 
 じゃあ、セッションは?。。。きっと同じことで、自分のピアノをそのときの一生懸命でもって周りの人と会話し、つくりあげていき、それを聞いてくださる方がいて幸せなのかも。 自分がセッションを聞いているときは、その人のフレーズなども聞いているけど、それよりも、その人が出す音やその人の振る舞いから「この人どんな人かなー?」って思うのが楽しかったりして。

 いつも言われるけど、人として大きくなること、音楽を磨いていくことは同じなのだろう。 
 なんか適当になーなーでやっていると、なーなーな音だしてしまうだろうし、ソトヅラばっかりだと、ちょっと一緒に演奏した感じではいいけど、何曲も共にしているとぼろが出るし、責任感がないと、人任せな音だしてしまうんだろうし。 ケチだと変なとこに手を抜いた演奏してしまうんだろうなー。

 頭隠して尻隠さず、自分で気づかないで変なこといろいろやってるけど、周りはお見通しだったりして。。。

 うまくて一生懸命で美しくて魂のこもった音は普段のきちっとした生活からでてくるのかな? どう思います?