小森陽子のブログ

ジャズピアニスト小森陽子の徒然日記

Junior Mance

2006-06-24 17:14:08 | Weblog

 
 今日はKnickerbocker Bar and Grillへジュニアマンスを聞きに行ってきました。すごくおじいさんかと思ったらシャキンとしてある、こぎれいなおじいさんでした。ピアノのすぐとなりの席で聞くことができました。
 リラックスしているけどタッチは指先でしっかり踏ん張っている感じ。ブルースばっかりひいていて、でも飽きない。とてもピアノが歌っているのでヴォーカルみたいにも感じられ、ブルージーだしブロックコードみたいなのもよく出てきくるしオルガンみたいにも聞こえる。今の売れっ子の人たちを聞くようなおどろきはないけど、ごくごく自然なフレーズが無駄も無理な感じもなく歌になっていてかっこいい! 余裕ありありです。
 
 あくまで私の独断と偏見だけど、今この時代にジュニアマンスみたいなオールドスタイルのピアノの人がそれだけで売れることはまずなさそう。あれはジュニアマンス本人だからかっこいい。あの時代のあの前に聞いたあのCDのジュニアマンスがああいうことをやるからっこいいんだろうと思う。
 この今の時代には、例えば最近聞きに行った人の中では、あの独特の世界とテクニックあるメルドーがかっこいいと思ったり、尊敬しているけど、リスナーとしてはちょっとやりすぎがんばりすぎのように感じてしまうこともあるミシェルカミロがかっこよかったり、かろやかでさらさらすごいことをやっていて洗練されているチックコリアがかっこよく思えたりして。でもその彼らのスタイルは今の私の弾くスタイルは近い訳ではなく、どっちかというと私はジュニアマンスのほうがまだ近い気がする。まあね、こっちにくるまでジュニアマンスみたいな古いスタイルばっかり聞いて、新しいものは意味がわからなかったし。


 Hal Crookのレッスンで、「真似をしてそれを理解してそこから新しいものを作り出せ、ってクラークテリーが言ってたぞ、ほらHow to improvize(ハル先生の教則本)に書いてるだろう、ここ、(指差す)
クラークが自分にいったんだ、それを君に伝えてるんだ」って。

 ハル先生のスタイルも強烈にハルだもんなー。

 ちなみにハル先生の本に「何もいいとか、悪いとかないのだ、ただ考え方がそうしているだけ」「毎回のどの選択もそれが運命につながる小さな一歩を踏み出していることになる」とか書いてある。

 さて自分はどうしましょう?