硯日記

書道の話、硯の話、字の話、いろんな話をします。

暦は時間の地図だ!【令和四年壬寅略暦】②

2021-12-10 09:13:34 | 日記


結局このブログって
カレンダーを作る話じゃなくて篆書体を書く話なの?


って思ってるみなさまこんにちは!
大丈夫です!カレンダーの話ちゃんとしますよ!硯コレクターのえみです(゚∀゚)


さてさて!
前回は篆書体の話を主にしていきました。

令和3年壬寅と神武天皇即位紀元は篆書体で書くことに成功しました……がっ!

他の欄の書体はどのようにしていきましょう(゜.゜)

はて……(゜.゜)

うーーーん…???(゜.゜)


やばい
全く考えてなかった。




「何事も始めることが肝心だ。」
「スタートしてしまえば半分終わったようなものだ。」
「ためらわずに初めの一歩を踏み出すことだ。」
などと先人はよく言ったものですが、
何も考えずに始めてしまうとこういうことが起こるのです。

なるほど。来年の教訓にしよう。

と思ったところで、とにかく今年のカレンダーは書き進めなければいけないのです。なんせ始めちゃったもんで。

一瞬魔が差して、このまま篆書体で全部書いちゃおうかな(๑´ڡ`๑)なんて思ったんですけど、
何度も言うようにこのカレンダーのモットーは読める暦なので、篆書体で全部書いたら、そりゃもうマヤ文字のカレンダーを突然突きつけられてるのと同じことです。読む以前に暦かどうかも分かるまい!

つまりこの時点で私に残されているのは、楷書体行書体のどちらかしかありません!なんという究極の選択!!


じゃあやっぱり楷書体にするぅ??( ゚∀゚)o彡°

なんて軽々しく思ったのですが
よくよく考えてみよう。
楷書体と篆書体……なっ、なんて相性が悪いんだ!!!

そうなんです。実は楷書体と篆書体ってめちゃくちゃ相性が悪いんです。
作品を書くときに絶対にこの二つは組み合わせたくないです。給食に出る白米と牛乳ぐらい相性が悪いです。

篆書体との相性で考えてみるとやっぱり
草書体が一番相性がいいです。うんうんこの組み合わせなら私も何回か作品にしたことがある。じゃあもう草書体にしちゃう??( ゚∀゚)o彡°

……いやだから読める暦じゃなきゃいけないんだって!!

草書体は読めるには程遠い書体なので、やっぱりどうにかこうにか相性が悪くとも楷書体で突き進むことにしたいと思います。
犬と猿も仲が悪いといいますが、桃太郎にきびだんごをもらった後はおとなしく鬼退治に行っていますし、暦を書きながらきびだんごをこねまくって、どうにか篆書体と楷書体には仲良くしてもらいたいと思います。

楷書体と篆書体をどうにかこうにか調和させる、これを名付けてきびだんご作戦とします!名付けてどうする)


きびだんご作戦その1、
丸みを帯びた楷書体にする。

楷書体にも色々な種類があって、
今回は全体に丸みをつけ(円筆といいます)、左右の縦画を膨らむように(向勢といいます)書いていきます。


きびだんご作戦その2、
少し古典的な字形にする

読みやすい暦にするために、基本的には現代的な字の形にしたいと思いますが
線の交わるところを現代とは違う場所が出るようにしたり、旧字体などを適度に取り入れていきます。


……もっと作戦があるかと思って名づけたんだけど2個しか作戦なかったところで、
日付を入れる書体も決まったことですし、早速書いていきましょう!



(私の机周辺が墨だらけで汚いことがモロバレのアングルですね)



……この時私は知らなかった。
こんな悲劇が待ち受けているなんて……。





さっそく暦に書き入れていく日付を検索していきます。

まずはお馴染みの、満月・新月

昔はいちいち数えなきゃいけなかった月の満ち欠けが、今やスマホひとつでちょちょいのちょいと調べられます。便利な時代になりました。

まず満月の日にちを書き込み、新月を書き込みはじめ、5月分まで書いたところで

一瞬地球が止まったかと思うほどの衝撃が走りました。


なんと……

2022年は……

新月が
13回ある……!!!??



え、ちょっと待ってちょっと待って(゚A゚;)
ちょっと待ってちょっと待って(゚A゚;)
パニックやで!(゚A゚;)


ふっつーーーに
12個しか枠作ってないんだよね!
新月の枠、12個しか作ってないんだよね!(大事なことなので2回言いました)

よくよく考えれば当たり前ではあるんですけど、月の満ち欠けの周期って約29.5日なので、そりゃあ新月が13回ある年もあるでしょうよ(ノ´∀`*)って話なのですが

まさか2022年がそうだとはっっっ!!!
そんなの聞いてないよ!!


ぅっ(´;ω;`)
ぅっうっ…(´;ω;`)
枠が足りないよぉ…ゔぅぅ(´;ω;`)



えーもう
どこかにない?
2022年の新月が12回のサイト
どこかにない?

もしかしたら他のサイトで調べたら
新月が12回の2022年とかあるんじゃない?(ΦωΦ)

そんなバナナ🍌なことはもちろんありませんが、一応念の為(?)5つのサイトを見て回ったのですが、やっぱり13回だったので、私は新たな作戦を練ることにしました。


どうにかもみ消して誤魔化すことはできないか……

ヘ(゚∀゚ヘ)どうにか…

この暦、読める暦とかテーマで言ってるけど、別に読まなくて良くない?草書で書けば良くない?草書で書けばバレなくない?
むしろみんな新月の日数なんて見てなくない?そーっと一日減らしたところでバレなそうじゃない??

悪魔の囁きが脳内を駆け巡りますヘ(゚∀゚ヘ)ケッケッケッ



しかし、私の脳内の天使が声を上げたのです。

あかん!!
誰も読まなくても、気づかなくても、正しいことしか書いたらあかん!!
暦とは正しいことが書いてあると信じて、人間は時間の過ごし方を決めるのだから!暦は時間の地図なんだよ!!!ヽ(`Д´)ノ


この、天使の声がデカかった。


ということで私は泣きながら枠を書き換え、こうなったらええい!野となれ山となれだ!と思い、仲秋の名月やら最大満月やらの欄をさらに付け足していったのでした。
(むしろ書く項目を増やすという謎スタイル)






ふぅ、これで難関の新月満月は片付いたぞ( ´Д`)=3

もう二度と新月が13回も来てほしくないですね。(堂々と言う)


あら、こんなところで手こずっている間にまた長くなっちゃった!

では続きは次回!($・・)/~~~