ヨコスカうわまちICUダイアリー

うわまち病院集中治療部の日々の活動や勉強会の様子をお伝えできればと思います!

8/26ヌーンレクチャー  手術室以外で行われる緊急気管挿管

2019-08-31 21:52:10 | 勉強会
今週は、手術室以外で行われる緊急気管挿管について話しました。

以下にポイントをまとめます。

1. 適応
   ・低酸素血症
   ・低換気
   ・ショック
   ・気道確保が必要(意識障害、大量喀血・吐血など)

2. 疫学
   ・緊急、スタッフが不慣れ、デバイスが揃っていない、患者の誤嚥リスクが高い、
    などで挿管失敗のリスクが高く、緊急気管挿管の2%で心停止
    → 上記失敗を減らすためmodified RSI(Rapid Sequence Intubation)

3. Modified RSI(Rapid Sequence Intubation)

  ① 挿管困難の評価: LEMON、MACOCHAスコア、
  ② 挿管前準備
  ③ 前酸素化: NC15L/分 or RM10~15L/分、HFNC30~50L/分
  ④ 導入: 
1. 鎮痛薬(フェンタニル:2~3mcg/kg IV)
2. 鎮静(プロポフォル1~2mg/kg IV or ミダゾラム0.1~0.2mg/kg IV)
3. 筋弛緩薬(ロクロニウム0.6~1.2mg/kg IV)
 ⑤ 気管挿管: Sniffing position
  ⑥ 挿管後管理

4. 挿管デバイス
  ① 直視型喉頭鏡: Macintosh vs Miller → 有意差なし
  ② 間接声門視認型喉頭鏡(ビデオ喉頭鏡): 
・ McGrath/C-MAC/King VISION/Glide Scope/Airway scope
・直視型喉頭鏡で挿管困難な症例(2014年気道管理ガイドライン)
   ・気管挿管に伴う口頭や気道損傷のリスクが懸念される症例
  ③ 気管支鏡下挿管
  ④ ガムエラスティックブジー
  ⑤ 声門上デバイス: I-gel
  ⑥ 輪状甲状靱帯切開


初めまして

2019-08-28 21:33:39 | 日記
みなさま、はじめまして。

横須賀市立うわまち病院集中治療部は、2018年4月に
立ち上げられた新しい部署です。

当院心臓血管外科の手術数増加に伴い、周術期管理の重要性から
2017年6月に初めて集中治療室へ専任医師として迎えられました。

赴任当初は集中治療医とは何か?という疑問にお答えしながら診療各科
とお互いの関係を模索しながら診療にあたってきました。

その後、院内各診療科からの温かいご支援も頂き2018年4月に集中治療部が
立ち上がり、同時に集中治療フェローも迎えることができました。

2019年には新たに2名の専従スタッフも加わり、ブログ表紙の通り集中治療部
の活動規模も次第に拡大してきております。

うわまち集中治療部の強みはなんと言っても多職種の力を結集した総合医療です。


個々の力は微力であっても、患者様や患者家族のニーズにお応えするためには
幅広い知識と価値観が必要です。

当ブログでは、そんなうわまち集中治療部の日常の活動や教育活動の一部を少しでも
皆様にお届けできればと考えています。

これから、どうぞよろしくお願い致します。