医療技術の進歩と高齢化に伴い、我が国における症例の重症化と複雑化は一段と進んできています。
2018年に厚生労働省から“人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン”が提言されましたが、この提言が広く国民に浸透したとは言いきれません。
そのため、“とりあえずできる治療は全て行って下さい”という患者家族からの要望も依然として多く、本来適応があるかどうかは別として集中治療へのニーズは年々高まってきています。
世界における我が国の病床数の偏在は際立っており、人口10万人あたり700と他の先進国200~400と比較して圧倒的に多いのに対し、ICU病床数は4と他の先進国7~24と比較して非常に少ないのが現状です。
我が国の集中治療専門医制度は1989年に始まり、麻酔あるいは救急を専門とした医師を中心に2016年までに1400名あまりと緩やかに増えてきました。
しかし、ICU病床数と同様ICU管理をする集中治療専門医の数も近年の我が国における集中治療へのニーズの高まりと比較すると十分な伸びとはいえません。
海外の先進国ではICU管理を専門に行う集中治療専門医への認知度も高く、集中治療を専門としない診療各科と比較した場合、集中治療専門医がICU管理をした場合に患者のICU在室日数を始めとして在院日数や予後を有意に改善することが多くの研究で証明されてきました。
このような背景から、我が国において集中治療医の存在意義を知ってもらうことや集中治療医を育成することは急務であるといえます。
これまで集中治療医の育成や運営は各施設の自主性に任されてきた面が大きく、お世辞にも日本全体としてしっかりしたシステムが構築されてきたとは言えない状況でした。
私自身も医師4年目にして救命救急センターの内科系ナンバー2となり、専門医ではないのに下級医を指導しなくてはならない立場を経験し、医学教育や集中治療部門の運営をいかに行うかについてはとても悩まされました。
そうした中で、医学教育や集中治療の先端を行くとされている米国ではどのように行われているのだろう、実際に見て経験してみたいという強い興味が沸きました。
その後、苦節はあったものの7年間の臨床留学を経験し、当初の目的であった集中治療医をいかに育成するか、またどのように集中治療部門を運営してゆくかというエッセンスを十二分に学んで来ることができました。
詳細については、別ブログを参照下さい
(へなちょこ内科医の臨床留学記: https://blog.goo.ne.jp/junmakinony)
よく “先生はなぜ臨床留学をしてきたのですか?”と聞かれますが、それは上記の理由があったからなのです。
そして、今後は米国で学んできたエッセンスを自施設で実践するだけではなく、国内の施設にも紹介し国内全体の集中治療のレベル向上に少しでも貢献してゆければと思っています。
幸い、現在日本集中治療教育研究会(JSEPTIC)において活動の場を与えて頂いておりますが、今後自分と同じように臨床留学を経験された先生を始め同じ志を持った仲間達と日本の集中治療を盛り上げてゆきたいと考えています。
2018年に厚生労働省から“人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン”が提言されましたが、この提言が広く国民に浸透したとは言いきれません。
そのため、“とりあえずできる治療は全て行って下さい”という患者家族からの要望も依然として多く、本来適応があるかどうかは別として集中治療へのニーズは年々高まってきています。
世界における我が国の病床数の偏在は際立っており、人口10万人あたり700と他の先進国200~400と比較して圧倒的に多いのに対し、ICU病床数は4と他の先進国7~24と比較して非常に少ないのが現状です。
我が国の集中治療専門医制度は1989年に始まり、麻酔あるいは救急を専門とした医師を中心に2016年までに1400名あまりと緩やかに増えてきました。
しかし、ICU病床数と同様ICU管理をする集中治療専門医の数も近年の我が国における集中治療へのニーズの高まりと比較すると十分な伸びとはいえません。
海外の先進国ではICU管理を専門に行う集中治療専門医への認知度も高く、集中治療を専門としない診療各科と比較した場合、集中治療専門医がICU管理をした場合に患者のICU在室日数を始めとして在院日数や予後を有意に改善することが多くの研究で証明されてきました。
このような背景から、我が国において集中治療医の存在意義を知ってもらうことや集中治療医を育成することは急務であるといえます。
これまで集中治療医の育成や運営は各施設の自主性に任されてきた面が大きく、お世辞にも日本全体としてしっかりしたシステムが構築されてきたとは言えない状況でした。
私自身も医師4年目にして救命救急センターの内科系ナンバー2となり、専門医ではないのに下級医を指導しなくてはならない立場を経験し、医学教育や集中治療部門の運営をいかに行うかについてはとても悩まされました。
そうした中で、医学教育や集中治療の先端を行くとされている米国ではどのように行われているのだろう、実際に見て経験してみたいという強い興味が沸きました。
その後、苦節はあったものの7年間の臨床留学を経験し、当初の目的であった集中治療医をいかに育成するか、またどのように集中治療部門を運営してゆくかというエッセンスを十二分に学んで来ることができました。
詳細については、別ブログを参照下さい
(へなちょこ内科医の臨床留学記: https://blog.goo.ne.jp/junmakinony)
よく “先生はなぜ臨床留学をしてきたのですか?”と聞かれますが、それは上記の理由があったからなのです。
そして、今後は米国で学んできたエッセンスを自施設で実践するだけではなく、国内の施設にも紹介し国内全体の集中治療のレベル向上に少しでも貢献してゆければと思っています。
幸い、現在日本集中治療教育研究会(JSEPTIC)において活動の場を与えて頂いておりますが、今後自分と同じように臨床留学を経験された先生を始め同じ志を持った仲間達と日本の集中治療を盛り上げてゆきたいと考えています。