寄り道フィッシング、釣りと自然を語る

釣りや自然を気ままに語ります。

蚊の増加とトンボの減少

2021-09-19 20:45:00 | 日記
9月も後半になり朝夕は涼しい日が続くようになりました。
犬の散歩中、愛犬がその辺の匂いを嗅いでいるのを立ち止まって眺めていると、ものの1分で足を3箇所も蚊に刺されました。
吸血中に叩き潰すと返って痒みが増すから吸い終わるまで待った方が痒みが緩和されるなんて話も聞きますが、私は「そんなことよりこいつらが勝手に血を吸った挙句、酷い痒みだけ残した上に人様の血液を栄養に繁殖までしやがる無礼さが許せん」と言わんばかりに痒みと引き換えに全力で叩き潰すのです。
吸血に来る蚊は決まってヒトスジシマカです。


別名、ヤブ蚊とも呼ばれているヤツですが名前の通り鬱蒼とした藪に多く生息しており私の少年時代は山林にでも入らなければコイツに刺されることはほとんどありませんでした。
しかし現在では自宅の庭で2〜3分突っ立ってれば全身滅多刺しにされる始末です。
子供の頃に庭で遊んでいても昼間に蚊に刺された記憶はありませんでしたし、母親もしょっちゅう庭で草取りしていましたが昔は蚊に刺されることはなかったと言っています。
そういった実体験から確実に蚊の総数の増加は推測出来ます。
蚊の増加の背景にはトンボの個体数の減少があると思います。


    近くの山で撮影したカワトンボ

また私の少年時代の話になりますが、昔は夏から秋にかけてアカネ属であるノシメトンボやアキアカネが空いっぱいに飛んでおり、どのくらい多かったかというと幼少時の私が捕虫網なんか使わず素手で簡単に捕まえることが出来る程でした。しかし現在では秋の空を見上げてもアキアカネがたまに1匹飛んでいく程度しか見ることが出来なくなりました。


        ノシメトンボ

蚊の増加とトンボの減少の因果関係ですが、単純にトンボは蚊を捕食するしトンボの子供(ヤゴ)も蚊の子供(ボウフラ)を同様に捕食するわけで、捕食者が減れば必然的に被捕食者が増えるわけです。
ではなぜトンボの数がここまで減ってしまったのか。
いろいろと調べてみると一番有力と思われる記事を見つけたのでURLを載せておきます。http://nacsj.net/magazine/post_936.html
日本自然協会のホームページです。
詳しくはURLの記事を参照して頂ければと思いますが、かいつまむと1990年代から2000年代にかけて稲の育苗箱に使用する殺虫剤の種類に変遷があったようで90年代後半から使用されている“プリンス”という殺虫剤ではヤゴの羽化が成されなくなったようです。
また、田んぼへ水を送る用水路も現在ではほとんどコンクリートで固められヤゴどころかその他の生き物でさえ見ることがなくなりました。

文明は常に進化していくもので、そのお陰で私たちは安定した食品を得ることが可能となってきましたが、私たちの見えないところで徐々に歪み壊れていくものがあるということを肝に銘じておかなければいけません。
蚊の増加とトンボの減少は、ほんの氷山の一角なのかもしれません。


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