mariの自然さんぽ

道ばた・近所の山・公園などの植物、動物を探してふらふらと散歩。

箱根湿生花園の花々 〜7月末〜 ②

2020-08-07 09:46:34 | お出かけ
箱根湿生花園の花々 ①の続きになります。(出来るだけ調べてはいますが、表現、情報に間違いがありましたら申し訳ありません。)

○チダケサシ(ユキノシタ目ユキノシタ科チダケサシ属)
根茎がある多年草。明るい林床から林縁、山麓の湿った草原に生える。葉は2回奇数羽状複葉〜4回奇数羽状複葉状深裂。
チダケサシ属には他にもトリアシショウマ、アカショウマ(広義でトリアシショウマの分類とする見解もあり。)、アワモリショウマ等がありますが、とても見分けが難しそうです。
また、ショウマとついてもサラシナショウマやイヌショウマ、オオバショウマはキンポウゲ科サラシナショウマ属。レンゲショウマはキンポウゲ科レンゲショウマ属。キレンゲショウマはアジサイ科キレンゲショウマ属に属します。





雄蕊は10個、花弁は普通淡紅色で雄蕊より長く、花軸には腺毛があります。
お花は1つ1つ見るととても可愛いです。



チダケサシの頂小葉の先端は普通鈍頭とありましたが、確かに鈍頭です。トリアシショウマやアカショウマは先端が尾状になるそう。



下は参考に高尾山にて、アカショウマと思われます。アカショウマは花序の側枝の最下のもの以外は分枝しないようです。トリアシショウマは分枝します。



小葉の先端が特にチダケサシと違います。






○ヒメトラノオ(シソ目オオバコ科クワガタソウ属)
林縁や草地に生える多年草。茎は短毛が散生し、葉は対生する。花冠は4裂する。クワガタソウ属は雄蕊は2本。
やはりクワガタソウ属にヤマトラノオという花がありますが、違いがよくわかりません。ヤマトラノオ(ヒメトラノオ)などとも記載があり、ヤマトラノオとの差があいまいということなのでしょうか。





○ヌマトラノオ(ツツジ目サクラソウ科オカトラノオ属)
オカトラノオ属の仲間です。湿地に生える多年草。葉は互生で披針形または倒披針形狀長楕円形で、柄はない。茎は円柱形で点状の毛が散生します。
オカトラノオとヌマトラノオの雑種をイヌヌマトラノオといい両者の中間の性質を持つそうです。








ヒョウモンチョウの仲間も来ていました。ちょっと調べてみたところウラギンスジヒョウモンかオオウラギンスジヒョウモンかな?



○エゾイヌゴマ(シソ目シソ科イヌゴマ属)
箱根の湿生花園の情報ではエゾイヌゴマと紹介されています。同属のイヌゴマは湿地に生える多年草。4稜で稜に下向きの刺毛があり、葉は披針形でごく短い柄があります。下面の中肋に短い下向きの刺毛があります。こちらのエゾイヌゴマは茎や葉や萼に開出する剛毛を密生するらしいのですが、見えますでしょうか。仙石原にはイヌゴマもあるということです。



穂状のお花は良く見ると可愛い花たちです。ですが何の花かを調べるとき、葉で見分けられないものは、小さくて見分けが難しいです。花柄や毛の有無や花序の分枝の仕方なども種類によって差があるので良く観察しないといけなくて、後から「あーー、観察し忘れた!」と思うことも多いです。💦

参考文献  大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司編(2016)改訂新版 日本の野生植物 平凡社