小学生の頃のワタクシは、わりと本を読むことが好きな子供でした。
奈良県のド田舎の村立小学校の木造校舎の図書室で、気まぐれに借りた本を読んでは物語に入り込むのがとても楽しかったのを、たまに懐かしく思い出します。
で、このたび、こうした小学校時代に読んだ懐かしい名作の数々を、なぜかやたらと思いだしまして、もう一度読みたくてたまらなくなった本というのが数冊出て来たのです。
ネットというのは、特にこういう時に非常に便利なものでして、タイトルや作者なんて解らなくても気にしない、断片的な記憶や特徴的な言い回し、登場人物の印象的なセリフ、などで片っぱしから検索すれば、スッカリ忘れていたあの名作が、
「そうか! こんなタイトルだったっけ! ああ! この表紙、覚えてる! おお、しかもこれ、古本で売ってるじゃん!!」
なんて、簡単にワタクシの前に再度現われてくれるのです。
間に横たわる30年近い年月を思えば、なんという時空を超えたロマンでありましょうか!
ガマンできなくなったワタクシは、早速ある本をネットで買いつけ、またある本を近所の古本屋で見つけ、ってな具合で、ここしばらく41歳のおっさんが児童書に凝っていたのでした。
それをご紹介するのが、今回の「ガチンコ児童書デスマッチ」!
何がガチンコだかまったく解りませんし、もちろん「デスマッチ」なんて言ったって誰も死んだりはしないんですけどもね。
さあ、それじゃ、第1回はエーリヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」をご紹介です!
ドイツのギムナジウムという寄宿学校を舞台に、五年生の少年たちのクリスマスを描いています。
まず、何と言ってもこの少年たちの立派さ!
それこそがこの作品の魅力だと思います。
五年生というのは、日本で言うところの中学三年生に当たるということですが、それぞれに悩み、悲しみを抱えて、それでもいきいきと生活しているところが、この歳のおっさんにはマブシイのです。
特にグループのリーダー格のマルティンという優等生の、誰が何と言おうと間違っていることには間違っていると大声で言う、という姿勢が見事。
冒頭いきなり、ルールを守らない上級生に対してかんしゃくを爆発させ、結局言うことをきかせてしまう痛快なシーンが、マルティンのキャラクターを見事に印象付けてくれます。
中三のワタクシに、彼らの半分の立派さでもあったか?
いや、今のワタクシだって、そんなもんありませんとも!
無駄に年齢だけを重ねて、言いたいことの半分も言えずにいるばかりの自分と引き比べると、自己嫌悪で胸がいっぱいになります!
彼らが大いに尊敬し、いろんなことを相談する正義先生と禁煙先生という2人の立派な大人の存在も感動的。
何ていうか、すばらしい人たちばっかり出てくるのですよ。
物語序盤に実業学校とのけんかという事件が置かれているのは、今読むと実に上手いなあ、という気がします。
どんなに弱っちい、度胸のない、ワタクシのような奴でも、男というのは暴力沙汰の話に胸を躍らせるものなのですよね。
主人公グループの一人の少年、ボクシング世界チャンピオンが目標でいつもお腹を空かせているマティアスが代表となって実業学校側の代表と殴り合うわけですが、これはもう、初っ端からハデに手に汗握るわけですよ!
結局、このシーンがマティアスの快勝で幕を閉じ、続いて全員でのけんかでも主人公側のグループが上手く勝ちを収めるという流れの中では、もうワタクシはギムナジウムの名もなき一生徒として、彼らの活躍に心で声援を送るしかないのでした。
で、いつの間にか話全体にスッカリ引き込まれているわけですよ。
それからは、一気にラストまで。
最後はモチロン、正しい人たちがみな幸せになってほしいという読み手側の願いが叶って、少年たちが家族と過ごす静かなクリスマスというハッピーエンド。
本当にすばらしい児童文学だと思います。
子供の頃に読めていてよかった!
まだの人は、大人になってても遅くない!
今からでも、読みなさい!
奈良県のド田舎の村立小学校の木造校舎の図書室で、気まぐれに借りた本を読んでは物語に入り込むのがとても楽しかったのを、たまに懐かしく思い出します。
で、このたび、こうした小学校時代に読んだ懐かしい名作の数々を、なぜかやたらと思いだしまして、もう一度読みたくてたまらなくなった本というのが数冊出て来たのです。
ネットというのは、特にこういう時に非常に便利なものでして、タイトルや作者なんて解らなくても気にしない、断片的な記憶や特徴的な言い回し、登場人物の印象的なセリフ、などで片っぱしから検索すれば、スッカリ忘れていたあの名作が、
「そうか! こんなタイトルだったっけ! ああ! この表紙、覚えてる! おお、しかもこれ、古本で売ってるじゃん!!」
なんて、簡単にワタクシの前に再度現われてくれるのです。
間に横たわる30年近い年月を思えば、なんという時空を超えたロマンでありましょうか!
ガマンできなくなったワタクシは、早速ある本をネットで買いつけ、またある本を近所の古本屋で見つけ、ってな具合で、ここしばらく41歳のおっさんが児童書に凝っていたのでした。
それをご紹介するのが、今回の「ガチンコ児童書デスマッチ」!
何がガチンコだかまったく解りませんし、もちろん「デスマッチ」なんて言ったって誰も死んだりはしないんですけどもね。
さあ、それじゃ、第1回はエーリヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」をご紹介です!
ドイツのギムナジウムという寄宿学校を舞台に、五年生の少年たちのクリスマスを描いています。
まず、何と言ってもこの少年たちの立派さ!
それこそがこの作品の魅力だと思います。
五年生というのは、日本で言うところの中学三年生に当たるということですが、それぞれに悩み、悲しみを抱えて、それでもいきいきと生活しているところが、この歳のおっさんにはマブシイのです。
特にグループのリーダー格のマルティンという優等生の、誰が何と言おうと間違っていることには間違っていると大声で言う、という姿勢が見事。
冒頭いきなり、ルールを守らない上級生に対してかんしゃくを爆発させ、結局言うことをきかせてしまう痛快なシーンが、マルティンのキャラクターを見事に印象付けてくれます。
中三のワタクシに、彼らの半分の立派さでもあったか?
いや、今のワタクシだって、そんなもんありませんとも!
無駄に年齢だけを重ねて、言いたいことの半分も言えずにいるばかりの自分と引き比べると、自己嫌悪で胸がいっぱいになります!
彼らが大いに尊敬し、いろんなことを相談する正義先生と禁煙先生という2人の立派な大人の存在も感動的。
何ていうか、すばらしい人たちばっかり出てくるのですよ。
物語序盤に実業学校とのけんかという事件が置かれているのは、今読むと実に上手いなあ、という気がします。
どんなに弱っちい、度胸のない、ワタクシのような奴でも、男というのは暴力沙汰の話に胸を躍らせるものなのですよね。
主人公グループの一人の少年、ボクシング世界チャンピオンが目標でいつもお腹を空かせているマティアスが代表となって実業学校側の代表と殴り合うわけですが、これはもう、初っ端からハデに手に汗握るわけですよ!
結局、このシーンがマティアスの快勝で幕を閉じ、続いて全員でのけんかでも主人公側のグループが上手く勝ちを収めるという流れの中では、もうワタクシはギムナジウムの名もなき一生徒として、彼らの活躍に心で声援を送るしかないのでした。
で、いつの間にか話全体にスッカリ引き込まれているわけですよ。
それからは、一気にラストまで。
最後はモチロン、正しい人たちがみな幸せになってほしいという読み手側の願いが叶って、少年たちが家族と過ごす静かなクリスマスというハッピーエンド。
本当にすばらしい児童文学だと思います。
子供の頃に読めていてよかった!
まだの人は、大人になってても遅くない!
今からでも、読みなさい!