某所にて。
一斉送信のメールで落し物の連絡が来たのです。
「sub:【落し物】帽子が落ちていました
階段のところに、ウォッチキャップが落ちていました(黒色。グレーのラインあり)。
心当たりの方は・・・」
ワタクシは、さっと一読、ただちにシカトすることに決めました。
ワタクシも帽子が好きですが、ワタクシがかぶっているのはキャスケットなのです。
これは、絶対にワタクシの帽子じゃありません。
なので、このメールは読む必要がありません。
それだけで、深い意味はありません。
とにかくシカトすることに決めたのです。
ワタクシのこういう一面は、我ながら惚れ惚れするほど見事で、この判断も実に賢明だと思います。
しかし、残念ながら世の中には、こういう判断にたどり着かない人も存在するのです。
「『ウォッチキャップ』ってなに?」
あああ、言ってしまったか・・・。
大人の女性の落ち着きと少女のような純粋さを併せ持つステキなJ子さん。
そんな彼女には、この疑問を無視することはできなかったようなのですね。
しかし、まだ大丈夫。
ワタクシとJ子さんの間の席には、若者Q夫くんが座っているのです。
ほら、言ってやれ、Q夫!
ビシッと決めろ!
Q「さぁ・・・」
うわああ! 使えねえ! こいつ、マジ使えねえ!!
若者つったら、ファッションだろうよ!
「メンズノンノ」とか、「smart」とか読んどけよ!
あと「メンズナックル」!
黒に染まっとけよ! 伊達ワルに酔っとけよ!
お前らがそんなだから「草食系」とか言われるんだろうが!
・・・要するに、このQ夫くん、年は違えどワタクシとタイプ的には近いところがあって、ワタクシは勝手に親近感を持っているのです。
Q「何ですか、吉田さん?」
それはそれとして、おれに振るな! おれにだけは!
・・・しかし、ワタクシだってもはや人間としてもベテランの域。
この流れは読んでいたのです。
ワタクシはただちに
「えー! 知らないの? 今、流行ってるんだよ!?」
と言い放ちました。
今までも散々ここで言ってきましたね。
ウソをつく時は、まず相手を呑んでかかることが大事なのです。
大威張りで断言すれば、その態度自体が説得力になるのです。
それを知っているからこその、完璧な上から目線。
質問に対して食い気味に発声を始めることも、細かいですがポイント。
こういう丁寧さがいい仕事になってくるのです。
しかし、
Q「どんな帽子なんですか?」
ワ「そりゃあ、お前・・・ここんとこに、時計のついた・・・」
態度だけでは、ダメなのです、ウソって奴は。
最低限の準備をしておかなければ、あっさりメッキがはがれてしまいます。
それにしても、これはセンスないにも程がありますね!
「ここんとこ」って、ワタクシ、額を指さしちゃってますが、じゃあ、いちいち帽子を脱いで時計を見るってのか!
案の定、J&Qのお2人からは、たっぷりと疑い成分を含んだ視線をいただいちゃいました。
これは、普段からスキあらばしょうもないウソをつき続けてきたワタクシの行いにも問題があったかもしれません。
フンだ。そのうち本当にオオカミが来ても、知らないからな!
結局、ワタクシ達3人とも「ウォッチキャップ」が何か解らない、ということになったわけですが、おいおい冗談じゃありませんよ!
ワタクシなんてのは、ファッション業界に身を置く、それも最先端を走るはずのデザイナーじゃないですか!
・・・知らなかったもんなぁ・・・。
ア、アレでしょ?
これは、このメールを書いた人がオシャレさんだったってだけでしょ?
みんなも思ったんだよね「ウォッチキャップ・・・?」って!
・・・いや、じゃあさ! アナタは知ってたのかよ(逆ギレ)!?
ワタクシ、正直、その日帰ってから、調べてみたんですが、正解はコレ。
「Google」で「ウォッチキャップ」で画像検索
どうですか?
ワタクシと同じように、
「ニットキャップやん・・・」
て、アナタはつぶやいちゃったりしませんでしたか? え?
まぁまぁまぁまぁ、これもファッション業界ではお馴染みのことでしてね。
新たにあるアイテムを売り出そうっちゅう時に、新鮮味を出すために呼び名が変わったりするものなのですな。
最近だと「これ、何?」って画像を見せられたワタクシが自信満々で「スパッツ!」と答えると、世間はとっくに「レギンス」と呼ぶ流れになっていて赤っ恥、なんてことがありましたが、あの類ってことでいいのでしょう。
いいんですよね!?
本当、解らんな、ファッションの世界って奴は・・・。
何でもかんでも「ジャケット」でいいもんだと思ってましたら、ある日突然「ブルゾン」なんてわけのわからん奴が出て来まして、あの「ブルゾン」てのはイヤだったなぁ。
どこからどこまでが「ブルゾン」なんだか、サッパリ解りませんでしたもん。
未だに解らない。
ズボンのことをパンツって呼ぶのには、未だに抵抗ありますし・・・。
まぁ、それがオッサンってことだよ、と言われたら一言もないのですが、同じ物の呼び名をこんなにコロコロ変えるのは、ファッション界のためにもよくないんじゃないかと余計な心配をしてしまいますね。
ワタクシなんかは、もうオッサンですから、明日もトックリの上にチョッキ着て、その上にヤッケ着ようと思ったけど、やっぱりやめてジャンバー(ジャンパーですらなく、なぜか年配の人はjanba^って発音しますよね)着て。
あ、お腹出てきたから、明日はバンド(これもベルトですらなく)やめてズボンつりにしてみようか。
そんで、ずだ袋持って、ズック履いて、8時の汽車で出かけますよ。
じゃあ、今日のところは、ウチでコレがコレでコレだもんで、このへんでドロンということで・・・。
一斉送信のメールで落し物の連絡が来たのです。
「sub:【落し物】帽子が落ちていました
階段のところに、ウォッチキャップが落ちていました(黒色。グレーのラインあり)。
心当たりの方は・・・」
ワタクシは、さっと一読、ただちにシカトすることに決めました。
ワタクシも帽子が好きですが、ワタクシがかぶっているのはキャスケットなのです。
これは、絶対にワタクシの帽子じゃありません。
なので、このメールは読む必要がありません。
それだけで、深い意味はありません。
とにかくシカトすることに決めたのです。
ワタクシのこういう一面は、我ながら惚れ惚れするほど見事で、この判断も実に賢明だと思います。
しかし、残念ながら世の中には、こういう判断にたどり着かない人も存在するのです。
「『ウォッチキャップ』ってなに?」
あああ、言ってしまったか・・・。
大人の女性の落ち着きと少女のような純粋さを併せ持つステキなJ子さん。
そんな彼女には、この疑問を無視することはできなかったようなのですね。
しかし、まだ大丈夫。
ワタクシとJ子さんの間の席には、若者Q夫くんが座っているのです。
ほら、言ってやれ、Q夫!
ビシッと決めろ!
Q「さぁ・・・」
うわああ! 使えねえ! こいつ、マジ使えねえ!!
若者つったら、ファッションだろうよ!
「メンズノンノ」とか、「smart」とか読んどけよ!
あと「メンズナックル」!
黒に染まっとけよ! 伊達ワルに酔っとけよ!
お前らがそんなだから「草食系」とか言われるんだろうが!
・・・要するに、このQ夫くん、年は違えどワタクシとタイプ的には近いところがあって、ワタクシは勝手に親近感を持っているのです。
Q「何ですか、吉田さん?」
それはそれとして、おれに振るな! おれにだけは!
・・・しかし、ワタクシだってもはや人間としてもベテランの域。
この流れは読んでいたのです。
ワタクシはただちに
「えー! 知らないの? 今、流行ってるんだよ!?」
と言い放ちました。
今までも散々ここで言ってきましたね。
ウソをつく時は、まず相手を呑んでかかることが大事なのです。
大威張りで断言すれば、その態度自体が説得力になるのです。
それを知っているからこその、完璧な上から目線。
質問に対して食い気味に発声を始めることも、細かいですがポイント。
こういう丁寧さがいい仕事になってくるのです。
しかし、
Q「どんな帽子なんですか?」
ワ「そりゃあ、お前・・・ここんとこに、時計のついた・・・」
態度だけでは、ダメなのです、ウソって奴は。
最低限の準備をしておかなければ、あっさりメッキがはがれてしまいます。
それにしても、これはセンスないにも程がありますね!
「ここんとこ」って、ワタクシ、額を指さしちゃってますが、じゃあ、いちいち帽子を脱いで時計を見るってのか!
案の定、J&Qのお2人からは、たっぷりと疑い成分を含んだ視線をいただいちゃいました。
これは、普段からスキあらばしょうもないウソをつき続けてきたワタクシの行いにも問題があったかもしれません。
フンだ。そのうち本当にオオカミが来ても、知らないからな!
結局、ワタクシ達3人とも「ウォッチキャップ」が何か解らない、ということになったわけですが、おいおい冗談じゃありませんよ!
ワタクシなんてのは、ファッション業界に身を置く、それも最先端を走るはずのデザイナーじゃないですか!
・・・知らなかったもんなぁ・・・。
ア、アレでしょ?
これは、このメールを書いた人がオシャレさんだったってだけでしょ?
みんなも思ったんだよね「ウォッチキャップ・・・?」って!
・・・いや、じゃあさ! アナタは知ってたのかよ(逆ギレ)!?
ワタクシ、正直、その日帰ってから、調べてみたんですが、正解はコレ。
「Google」で「ウォッチキャップ」で画像検索
どうですか?
ワタクシと同じように、
「ニットキャップやん・・・」
て、アナタはつぶやいちゃったりしませんでしたか? え?
まぁまぁまぁまぁ、これもファッション業界ではお馴染みのことでしてね。
新たにあるアイテムを売り出そうっちゅう時に、新鮮味を出すために呼び名が変わったりするものなのですな。
最近だと「これ、何?」って画像を見せられたワタクシが自信満々で「スパッツ!」と答えると、世間はとっくに「レギンス」と呼ぶ流れになっていて赤っ恥、なんてことがありましたが、あの類ってことでいいのでしょう。
いいんですよね!?
本当、解らんな、ファッションの世界って奴は・・・。
何でもかんでも「ジャケット」でいいもんだと思ってましたら、ある日突然「ブルゾン」なんてわけのわからん奴が出て来まして、あの「ブルゾン」てのはイヤだったなぁ。
どこからどこまでが「ブルゾン」なんだか、サッパリ解りませんでしたもん。
未だに解らない。
ズボンのことをパンツって呼ぶのには、未だに抵抗ありますし・・・。
まぁ、それがオッサンってことだよ、と言われたら一言もないのですが、同じ物の呼び名をこんなにコロコロ変えるのは、ファッション界のためにもよくないんじゃないかと余計な心配をしてしまいますね。
ワタクシなんかは、もうオッサンですから、明日もトックリの上にチョッキ着て、その上にヤッケ着ようと思ったけど、やっぱりやめてジャンバー(ジャンパーですらなく、なぜか年配の人はjanba^って発音しますよね)着て。
あ、お腹出てきたから、明日はバンド(これもベルトですらなく)やめてズボンつりにしてみようか。
そんで、ずだ袋持って、ズック履いて、8時の汽車で出かけますよ。
じゃあ、今日のところは、ウチでコレがコレでコレだもんで、このへんでドロンということで・・・。