左手首捻挫による尺側痛み(回内障害)
左手首のじん帯を痛めて(整形外科受診)回内すると手首尺側に痛みが走り、回内できないとのこと。
触診すると単純に小腸経の経絡上の痛み。
単純に考えると、小腸経のどこかの気の停滞による運動障害。
あるいは膀胱経の気の停滞による運動障害。
右側の膀胱経を触診すると気の詰まりが明確にわかる。
膀胱経の問題のある経穴(ツボ)に鍼を一本入れる。
その瞬間から、回内が出来るようになった。痛みを問うと、ペインスケールで10のうち4の痛みに軽減。
僕はペインスケール6を目指している(ペインスケール6以下だと患者さんの治癒力が働きだす)ので、治療はこの瞬間に終了なのだが、もう少しと思い、もう一本、僕の手に触れたところのツボに入れる。
これでペインスケール2。
あとは、胃の経絡(胃は基本)にお灸をした。これで治療は終わり、痛みが6以下になるともうすることは無いのだ。
鍼灸は時間をかけて治療をするものだと思っている人がほとんどだと思うが、僕は実際の臨床では、その場で瞬間的に痛みをとったり症状を改善させるのを治療と思っている。
しかも、それはその時だけ症状が取れる訳では無く、治療は家に帰宅しても続いている。
鍼を入れた場所が的確であれば、鍼を抜いた後も身体は鍼が入っていると認識した状態になる。
その時だけ症状が良くなるような治療はしない。
何故、その時だけのその場しのぎの魔法のような治療では無いと言えるのかと言うと、次回も必ず来るので、その時点で確認できる。
その効果はずっと続き、身体は良くなる方向に働きだす。
鍼灸は巷で思われている時間がかかる治療ではありません(もちろん慢性疾患で時間がかかるものもありますが、その症状については一瞬です)
的確に状態を把握し、適切な経絡やツボに鍼を正しい方向と深さで入れて、鍼の響きを得れば、それこそ一秒で改善する。
それが鍼灸です。
鍼灸師は、その病態をいかに的確に捉えるかということを行っています。
僕は20年の臨床経験がありますが、全てについて瞬時に結果を出せる訳ではありませんが、年々その精度は向上しています。
鍼灸は本当に奥が深いのです。ですから面白いのです。
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