僕たちは稽古と言います、普通。
平田オリザさんの「幕が上がる」の映画で、小劇場出身の演劇部顧問の美術の先生が「稽古場」という言葉を使うのがカッコいい、という表現が出ていましたが、たしかに私たちは稽古場と言います。
なぜかなあ、と思っていましたが、この間謎が解けたというか俳優に脱帽っていうことがありました。
こないだの現場はCTTという事務局がやってくれていたので、久しぶりに本番前は暇、というか余裕ある時間を過ごさせてもらいました。挟み込みも受付準備もやらなくっていいので。
そこで発見したのは、演出家はやはり本番前には不要・・・、という事実。
ゲネプロをしてダメ出しして、というところまでは今までと一緒です。でもそのあと時間があるので、稽古というかセリフ覚えや新たな演出を覚える手伝いをしようかと思ったのですが、むしろ個人練習したい、とのこと。
そうなんです、演出をつけた後、当然俳優さんたちは個人練習をして、それを自分の体に落とし込む時間が必要なんですよね。その時間があって、その上で稽古に臨んでくださったいるのです、皆さん。
だから練習と言わず、稽古、稽古場と言うんですね。
稽古っていうのはやはり演出家がいる場所。創造が生まれる場所。
でも自宅その他での俳優の練習があればこそ、実現可能なのが作品なのです。
Tomo Matsuura
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