暑中お見舞い申し上げます。
いかがお過ごしですか?
私は近くの海岸で夏を過ごす事が多いです。
そんな私の夏夜のお話しをおひとつ…
タイトル「花火女」
昨日、波の音を聞きながらビーチにあるスパマッサージを受けようと思い、お店を訪問。
昨年、施術してくれた癒し系のお姉さんとは違って、なんか軽~い感じの美人さんが担当です。
30分下半身を中心に頼んでみることにしました。
「オイルですかぁ?」
はい、オイルお願いします。
「オイルですねー。オイルと言うより、叩いてみたいんですけど。」
え?あ、はぁ。
「強いの好きでしょ?」
いえっ!ソフトが良いです。
「強いの好きだと思うな。叩きますよ。ドーンとね。」
へ?ドーンって、笑うセールスマンみたいですね。お姉さん面白い!決めつけられたけど…
「大丈夫ですよ。不幸には陥りませんから~。じゃ~、行きますよ。ドーン!」と口で言いながら激しく叩いて来てビックリ。
いて~っ!
「ドーン!」繰り返す。
え~?!こ、これは何式ですか?
「何式って特にありませんよ。しいて言うなれば私式ですかね。ドーン!」
ひえ~っ。
しまいには背中に立ち上がりお尻を踵落とし。「ドーン!」
は、初めての経験なんですけどぉ。
「そうでしょうね~。どうですか?ドーン!」
かなり痛いんですけど…
「力抜いて下さいね。叩かれたらアリガトーて言って下さい。」
…。
「黙ってますね?ドーン!はい、アリガトーウ!お尻に感謝するんです。はい、ドーン。感謝でアリガトーウ!」強制的に言わせようとする
ひひひ
言えません。
「笑ってる?はい、ドーン!それっドーン!ん~、我慢強いんですね~
」
え、あ、受け入れる事で、後が楽になれると思って…。
「受け入れる?!エライですね~。受け入れるって大切ですよね~。エライと思う。はい、ドドーン!」
っ
でも、なぜ叩くんですかぁ?
「命って漢字分かりますか?人が横になって叩かれるんですよ。だからドーン!」
〓…。なるほどぉ…なんて言わないぞっ。
さすがに体の前とか、頭は叩かないですよね。
「叩きますよ。首に踵落としとか頭にチョップとかどんどんやりますよ~。頭ん中がスパ~クって感じっ
ドーン!」
た、助けてぇ早く終わってぇ。
「は~い、終わりました。」
〓あ、以外に早いですね。
「そうですね。25分経ってませんから。」
30分やれよ…いいか…いいや。
これ何?知ってる人ぉ?マジ有り得ない体験なんですけどぉ。カルマ落としかよって感じ。
お姉さんいわく、色々ほぐしを経験したらしく、アーユルヴェーダと弥生気功なんか取り入れていて、叩くのが一番深層部に届いてホルモンの分泌を良くするって話です。
でも二度とやりたくないなぁ。今度お姉さん見たら絶対逃げる。
施術が終わり、スパの下でマサラティを飲みながら、放心状態で葉山の花火を見ていた。
ドデカい花火が、勢いよく打ち上がると、スパから乗り出したお姉さんは目を輝かせながら、迫力満点の拍手をしていた。
ドドーン!〓夏の夜空に響きわたる…暑さ忘るる世にも恐ろしい体験でした。