宮古島の要塞化に反対する会

沖縄戦を繰り返すな!宮古島をはじめとする、琉球弧の軍事要塞化、自衛隊配備に反対します。

中国を明示した軍事演習と、実現性のない避難計画

2024-02-07 10:17:43 | 情勢

 こんな報道がありました。

 

「中国」明示し日米初演習 台湾有事の作戦計画反映へ(共同通信) - Yahoo!ニュース

「中国」明示し日米初演習 台湾有事の作戦計画反映へ(共同通信) - Yahoo!ニュース

 自衛隊と米軍が実施中の最高レベルの演習で、仮想敵国を初めて「中国」と明示していることが4日、複数の政府関係者への取材で分かった。仮称を用いていた過去の演習と比べ...

Yahoo!ニュース

 

 自衛隊と米軍が実施中の最高レベルの演習で、仮想敵国を初めて「中国」と明示していることが4日、複数の政府関係者への取材で分かった。仮称を用いていた過去の演習と比べ、大きく踏み込んだ想定にした。演習はコンピューターを使用するシミュレーションで、シナリオの柱は台湾有事。防衛省は特定秘密保護法に基づき、シナリオを特定秘密に指定したもようだ。数年以内に中国が台湾に武力侵攻するのではないかとの懸念は高まっており、今回の敵国名変更は日米の強い危機感の表れといえる。 

 日米間には有事を想定した共同作戦計画が複数存在する。このうち、台湾有事に関する作戦計画の原案は昨年末に完成した。キーン・エッジと呼ばれる今回の演習の結果を原案に反映させ、今年末までに正式版を策定する予定。2025年ごろに部隊を実際に動かす演習(キーン・ソード)を実施し、作戦計画の有効性を検証する流れだ。

 中国を仮想敵とした、日米共同訓練・演習はこれまで何回も行われてきました。しかし、中国を名指しで敵視したのは今回が初めてです。それだけ日米両国が戦争に踏み込んだ、踏み出したとみるべきです。危険な兆候です。
 もっとも「台湾有事」で軍事行動を起こせば、宮古島をはじめとする琉球弧の島々が戦場になります。ミサイルが雨あられと降ってくるのです…逃げることはできません。
 逃げることができないことが、次の東京新聞の記事で示されています。

 

実現性あやしい「先島諸島から12万人避難計画」 台湾有事を想定 対象住民「島から出ろと言われても」:東京新聞 TOKYO Web

実現性あやしい「先島諸島から12万人避難計画」 台湾有事を想定 対象住民「島から出ろと言われても」:東京新聞 TOKYO Web

中国の武力攻撃による「台湾有事」を想定し、政府が沖縄県の与那国島や石垣島、多良間島など先島諸島の住民ら計12万人を九州地方に避難させる...

東京新聞 TOKYO Web

 

  中国の武力攻撃による「台湾有事」を想定し、政府が沖縄県の与那国島や石垣島、多良間島など先島諸島の住民ら計12万人を九州地方に避難させる計画に対し、対象となる住民から批判が出ている。計画には障害者や重病者の避難方法は十分に盛り込まれず、住民への説明機会も足りていない。「有事ありき」で画竜点睛を欠いた計画になりそうだ。(佐藤裕介)
◆12万人を6日間で避難
 政府は2022年末に閣議決定した国家安全保障戦略に、「国民保護のための体制強化」として、台湾有事の影響が及ぶ恐れのある先島諸島などの住民を避難させる計画の「速やかな策定」を盛り込んだ。政府と沖縄県は先島諸島にある5市町村の全住民11万人や観光客ら1万人を、航空機と船舶を使って6日間で避難させる計画を想定。1月30日、国民保護法に基づいて国と県による図上訓練を県庁で行った。訓練は昨年3月に続き2度目となる。
 実際の避難は、日本への攻撃が予測される「武力攻撃予測事態」と政府が認定して初めて実施されるが、認定基準はあいまいだ。政府関係者も「(認定は)容易ではない」と打ち明ける。さらに、一部の自治体では、避難時に配慮が必要な障害者や重病者らの人数把握ができておらず、治療を継続しながら重病者をどのように輸送するかも決まっていない。
◆政府、住民への説明会「開く予定はない」
 避難者の受け入れ先となる福岡や鹿児島、山口など九州・中国地方の9県の準備も進んでいない。昨年10月、松野博一官房長官(当時)は、九州地方知事会の蒲島郁夫会長(熊本県知事)に受け入れ計画の策定を初めて依頼。内閣官房と防衛省は、避難施設や食料の確保など、各県の受け入れの初期計画を24年度中にも取りまとめる方針だが、どれだけ具体化できるかは見通せていない。
 実際に避難するとなれば、事前の住民説明は欠かせない。だが、今月2日現在、自治体主催で開かれた意見交換会は5市町村のうち、与那国町と多良間村で計5回のみ。国主催の説明会は行われておらず、内閣官房の担当者は「(今後も)開く予定はない」と話す。
◆識者「方針ありきで、説明責任も果たしていない」
 有事になれば、避難期間が長期化する恐れもあるが、与那国町の農家小嶺博泉(ひろもと)さん(52)は「意見交換会で納得のいく説明はなく『島から出ろ』と言われても納得できない」と憤る。先島諸島が有事に巻き込まれる前提での避難計画に加えて、自衛隊の配備も進める政府に対し、与那国町の民宿経営狩野史江さん(63)は「『戦争の島』にしないでほしい。故郷を要塞(ようさい)の島にしようとしている」と不満を募らせる。与那国町職員の田島政之さん(52)も「平和外交に力を入れるべきだ」と訴えた。
 日本大学危機管理学部の福田充教授(危機管理学)は「まずは外交努力で紛争を回避することが大前提」と指摘した上で、「攻撃の予測が困難な中での事前避難は難しく、強制力のある全島避難が本当に実施できるか慎重に検討するべきだ。方針ありきで、住民への説明責任を果たしていないのも問題だ」と語った。(以下略)

 「台湾有事」を口実に、中国と戦争をしてはなりません。そのための軍事力強化、ミサイル配備など認められません。
 そもそも、国連の秩序としては「一つの中国」「台湾は中国の一部」であり、仮に中国が台湾を「武力統一」しようと群を動かしてもそれは中国国内での「内戦」という扱いになります。米国や日本が「介入」する理屈が立ちません。
 日本も1972年の日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明において、
三 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する。
 と認めているのです。軍事介入は、できません。
 また現在、ウクライナと中東で戦争が行われている中、米国が東アジアでさらなる軍事行動を起こす力はありません。仮に「台湾有事」が起これば、日本の自衛隊が前面に立つことになります。
 それは「沖縄戦の再来」です。

 宮古島をはじめとする、琉球弧の島じまを戦場にしてはなりません。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿