では、なぜ人々は政府を持つことに決めたのでしょうか?
↓こちらのビデオで分かりやすく説明してくれています
政府の必要性についてはトーマス・ホッブスが1651年に刊行した「レヴァイアサン」と、
ジョン・ロックが1690年に刊行した「政治二論」にある政治理論がよく取り上げられるようです。
ホッブスがレヴァイアサンを執筆したのはイギリス市民革命の大混乱期であったことを念頭に置いておく必要があるそうですが
彼は人間のState of nature(自然状態)は万人が万人の敵である戦争状態であるとしています。
人間の生活はSolitary(孤独で)Poor(貧しく)Nasty(つらく)Brutish(残忍で)Short(短い)
放っておいたら最後の1人になるまで人間は殺しあうだろうと言うんですね。
なので全ての人々は自己を防衛するために、進んで自分の自然権(生命・自由・財産などに関する不可譲の権利)を
国家に対して全部譲渡(というSocial contract:社会契約)すべきであるとしています。
彼の理論では国家は絶対の権力を持つべきで、革命も許されません。国家が理不尽で多少苦労しても人々の生活が殺しあわずに成り立つのならよしとするといったところです。
一方ジョン・ロックは「統治二元論」で、人間の自然状態は牧歌的・平和的状態だとしています。
「しかし人々は自分の利益に偏った判断や執行を行いがちで、たとえ公平な判断を誰かが下しても、その実効的な執行が期待できません」(「法とは何か」長谷部恭男)
ですので、人間は「Life(生命)、Liberty(自由)、Property(財産)のより確実な保証を目指して政治社会を設立し、政治的権力を結集します。それがジョン・ロックのいう社会契約です。
もし政府がこれらの権利を守ることができなければ、人民は革命を起こして新しい政府を設立することができるとしています。
このジョン・ロックのConstitutionalism(立憲主義)を採用しつつ、Absolutism(絶対主義)も微妙~に見受けられるNZの法律ですが
もう2020年も間近ですし、一人ひとりがより内側から幸福になって法律はあるけどほぼ必要がないような社会になるといいですね。
ところで「レヴァイアサン」は旧約聖書のヨブ記に登場する海の怪物(レヴィアタン)から名前が取られています。
「義人の苦難」を扱った文献らしいですが、何かと奥が深いですね~。
(昨日はパンを焼いてみました♪)
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