三国志演義とマクロスとロボテック【一騎当千】

2010-09-17 23:57:16 | 日記
名称変換表
 (あくまでもわかりやすく表現する為の端的な一例です)
 

「陳寿」の史書「三国志」  ロボテック及びマクロス・シリーズ世界で描かれる物語世界の出来事
の基本となる、想定上の「物語世界上の現実の歴史」
「三国志演義」  初代テレビシリーズ「超時空要塞マクロス」、及びロボテックに於いて暗黙の内に設定拡張の参考にされている
各種マクロス・シリーズ。 
「三国志 」
(横山光輝)
ロボテック・シリーズ
「一騎当千」 ロボテック、マクロスを問わず、
基となる作品との「連続性を全く持たない」二次的連続性作品、或いはファン作品。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
1:本国で史書「三国志」(物語世界の想定上の現実の歴史)を基に「三国志演義」【=初代テレビシリーズ「超時空要塞マクロス」】が製作されました。

2:言語の異なる他国では、その「三国志演義」【=初代テレビシリーズ「超時空要塞マクロス」】を基本に作品展開上の事情から、設定に幾分の共通部分を持つ同国作品を共通基盤として登場人物の名称や設定を入れ替えたり、独自設定を付加し「翻案」した「三国志 (横山光輝)」【ロボテック・シリーズ】が製作されました。

3:本国に於いて「三国志演義」【=初代テレビシリーズ「超時空要塞マクロス」】を執筆した原作者及び制作者、出資者の間で「誰がいったい三国志演義を製作したのか?」という店を巡って法律的争いがおきました。

4;判官(裁判官)はこのように判断しました。

A:関連商品を販売したり、映像(小説など出版物を含む)を頒布する権利について、その「三国志演義」(TV版初代超時空要塞マクロス)の作品本体については、T社が権利を持つ、しかし、登場人物(キャラクター・メカ)のデザインには独自性が認められるので、Sスタジオが権利を持つ。

B:このため、T社は「三国志演義」(TV版初代超時空要塞マクロス)そのものについては「処分権」を持つものの、同作品の登場人物(キャラクター・メカ)を使用した続編や派生作品を(本国内で)製作することが出来ない。

C;一方、Sスタジオの考案物、或いは同スタジオの権利者の所属するS企業のデザインを使用した三国志演義の続編・派生作品【「マクロス・シリーズ】については、B社が著作権利者から許諾を得て作品を製作しているので、同社が権利を持つ。
 
さて、ここまでは本国内の話です。
 
三国志演義は、その作品(フィルム)については処分権を持つとされたT社が、他の派生作品2作を付加して他国に権利放棄の形で売却してしまいました。
 
1985年A国の少年少女達は、三国志演義+2作品を含めて翻案された「三国志」(横山光輝)【ロボテック】という作品で原体験を迎えました。
 
本国(例えでは中国)の人たちは、まさか三国志演義(マクロス)が他所の言葉の異なる国で他の2作品を加えて「三国志」(横山光輝)【ロボテック・シリーズ】になっているなど、知る由もありません。
 
もちろん、輸入翻案先の国でも、懸命に古典中国語(日本語)を勉強して三国志演義(超時空要塞マクロス)のみを評価し、自国の作品を認めない人もいます。
 
それは一面で真実であり、翻案作品には必ずつきまとう問題です。
 
しかし三国志演義と、「三国志」(横山光輝) のどちらが優れているのかを論じるのは無意味です。
 
両者は設定の一部を共有し、また登場人物もかなりの部分で共有していますが、曹操孫権劉備・諸葛 亮(諸孔明)の人物像はそれぞれ異なります。
 
また、中国(日本)の人々が、日本(米国)の、「三国志」(横山光輝) のファンを捉えて、
 
君たちの国の作品、「三国志」(横山光輝)【ロボテック・シリーズ】は、偽物だ、自分たちの国の作品こそ本物なのだから、わが国(中国→日本)の「三国志演義」【超時空要塞マクロス】のみを認めて崇拝しなさい。
 
という態度も正しくないのがお解かりでしょう。

しかし、その一方で、自国の英雄たちが肌も露(あらわ)な美(?)少女となって格闘をする「一騎当千」(その他の設定無視のファン作品) については、今度は翻案元が「この作品は三国志演義」の設定だけを借りた別の作品なのだから、笑って許してよ?」いわれても、心情的には認めたくないし、オリジナル作品との連続性を殆ど残さない以上、本国の人々の感情は理解できるかと思います。
 
 
翻案物の本質と宿命を端的に例示で表現してみましたが、まずは本国(例えでは中国→ここでは日本国)の皆さんも日本語で書かれた「三国志」(横山光輝)【→英語で記述されたロボテック・シリーズ】を知ってもらってから、批判なり、評価してもらうことが必要なのではないかと考えました。

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