私は妻と結婚してから、3年前までは、妻と海外旅行をしたことは2回しかありませんでした。
1回は40年以上前の新婚旅行で行った香港・澳門(当時はカメラはフィルムの時代で、途中でフィルムが引っかかり、うっかり開けてしまい、妻との大事な想い出の3分の1を失ってしまいました。・・・・私はいつも肝心なときにとんでもないミスをしてしまうのです)。そして、もう1回は台湾。国内旅行は家族を連れて良く出かけていましたが、当時は、仕事で一杯一杯の状態で、妻と長期で旅行する気持ちの余裕はありませんでした。
私は、仕事で中国に3回、韓国に1回、台湾に1回、それとスキューバダイビングのライセンスを取りに息子とグアムに1回です。妻は台湾に数回、韓国に数回、ベトナムに1回、子供たちや友達と出かけています。
私は銀行にいたときも大型のプロジェクト案件を担当させていただいていたのですが、今のグループに再就職してからも、大型案件は、その多くを私が手がけてきました。
4年ほど前、新しいプロジェクトを立ち上げることとなり、私が指揮をとることになりました。
60才を超えた年齢から、官庁相手の2年以上にわたるプロジェクトの指揮を執ることは体力的に無理があったのですが、やはり体中が悲鳴を挙げ始めました。
元々の持病の糖尿病と脳動脈瘤のほかに、回帰性リュウマチ、座骨神経痛、不整脈、不眠症、高血圧などが加わり、体はボロボロでした。
妻は、
「仕事止めテ。youさん、死ぬヨ。仕事を止めて、収入がなくなっても、何とかなるヨ。youさん、いつも、仕事辞めたら、『おまえと海外旅行をしたい』と言ヨンヤン。二人で海外旅行に行こうヨ」
と言うのです。
それで、仕事が一区切りついた後に、私はトップに
「12月末で辞めさせて頂きたい」
と告げました。
「辞めてどうするの」
「妻と海外旅行がしたい」(馬鹿なことを言ったモンです。でも真実です)
「辞めなくても良いじゃないか。休みは取らせるから、旅行が終わったら、うちに戻ってこいよ」
ということで、3ヶ月間、1ヶ月半を病院通いで、2週間を妻とスペインで、1ヶ月近くを台湾で過ごし、職場に戻って来ました。
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