
【THE COURIER】
2021/09/23公開 イギリス/アメリカ 112分
監督:ドミニク・クック
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー、アンガス・ライト
世界の運命は、一人のセールスマンに託された。
STORY:米ソの軍拡競争が激しさを増していた冷戦時代。米英の諜報機関であるCIAとMI6が一人の男に接近する。彼の名はグレヴィル・ウィン。東欧諸国に工業製品を卸す平凡な英国人セールスマンだった。しかし、それ故にあるミッションの適任者として白羽の矢が立ったのだった... (allcinemaより)
米ソ冷戦下に発生した“キューバ危機”に際し、ごく平凡な英国人セールスマンが核戦争の回避に大きな役割を果たしていたという事実を映画化した実録スパイ・サスペンス。監督は『追想』「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」シリーズのドミニク・クック。
米ソ冷戦時代のスパイ映画は面白い。しかしこれが実話だったのは驚き。“アメリカとソ連との戦争回避に重要な役割をしたのがイギリス人セールスマンだったとは。今の世の中があるのは彼のおかげだった。キューバ危機”は有名だけれど詳しくは知らず裏側ではこんなことが起きてたとは...とても興味深く観られた。一見、難しそうな内容に思えるけれどわかりやすく描かれていた。
確かに普通にスパイが潜入したところで怪しまれる。だったらただのセールスマンだったら怪しまれることもなく...しかし、ソ連側の情報提供者・アレックスから機密情報を持ち帰る任務はもーハラハラドキドキで緊張感ある。情報の受け渡しシーンはわくわくしたけれど。
ウィンは何度もアレックスと受け渡しを繰り返していき次第に信頼関係を築いていく。ソ連もさすがというかだんだん怪しまれてきて後半は緊張感半端なかった。ウィンとアレックスが最後に再会して手を握り合うシーンは泣ける。こんな時代じゃなかったら良い友人同士になれただろうに...悲しい。
ウィンを演じたベネディクト・カンバーバッチの演技が素晴らしい。後半での役作りの半端なさはすごい。アレックスを演じたメラーブ・ニニッゼも素晴らしかった。どこかで見たような気もしたんだけど『ミケランジェロの暗号』に出演していたのね。
リアルなスパイ映画でもあったけど、友情や家族愛も感じられた良作だった。ちょっと『ブリッジ・オブ・スパイ』を思わせる。派手なスパイ映画も好みだけど、こういう地味で静かなスパイ映画は緊張感があってこちらも好み。
鑑賞日:2021/09/23
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