【DAS LEBEN DER ANDEREN/THE LIVES OF OTHERS】
2007/02/10年公開
製作国:ドイツ
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ、ウルッヒ・トゥクール
この曲を本気で聴いた者は、
悪人になれない
STORY:
シュタージ(国家保安省)の局員ヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は、劇作家のドライマン(セバスチャン・コッホ)と恋人で舞台女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)が反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。ヴィースラーは盗聴器を通して彼らの監視を始めるが、自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられ……。(シネマトゥデイ)
とにかくすばらしい作品でしたー☆
第79回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品ですね。以前、WOWOWにて鑑賞・・・のハズが見始めてしばらくした頃突然の砂嵐という悲劇に見舞われ、やっとレンタルにて鑑賞できました。
ベルリンの壁が崩壊するちょっと前のお話。ドイツの歴史からいってもそんなに昔ではない時代なのに、芸術家たちがは常に監視の対象とされていてプライベートも全てお見通しになっていたとはびっくり。あんなことやこんなこと・・・考えるだけでゾッとしてしまいます。
本人がいないすきに絶対バレない盗聴器を仕掛け方の手際の良さ。この様子を見ていた人には脅しをかける。でもって密告すればご褒美がもらえる。なんともおそろしい時代ですな。
そんな中で、ひとりの作家の盗聴を命じられたヴィースラーが屋根裏でひっそりと盗聴。あんなことやこんなこと・・・を聞きながら・・・仕事とはいえ地味でつらい仕事ですね。かなりのストレスがたまりそう、、、
ウルリッヒ・ミューエさんのヘッドホンを手を掛けてる画像がとても印象的のパッケージですが、全編を通して無表情での演技。でも無表情なんだけど、ヴィースラーという人間の心が少しずつ変化していく様子はちゃんと伝わってきましたね。
全ての感情を押し殺してまで命令に忠実に監視してきたヴィースラーが、なぜ今回、作家とその恋人クリスタの監視から見守るほうにいってしまったんでしょ。今までも同じような芸術家たちの監視はしてきてただろうし。“この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない”というピアノソナタを聴いて自分の生き方に疑問を持ってしまったんでしょうけど、やはり大きな原因としては、クリスタを好きになってしまったからでしょうかねぇ・・・。
旧東ドイツ時代の監視国家の怖さがよくわかりますね。自分の言いたいことも自由に言えない時代。常に誰かに盗聴され監視されてる時代。その後東西が統一。閲覧できる個人の資料・・・どんな気持ちで閲覧していたのでしょうか。というかちゃんと保存されいるんですね。すべて処分してるもんだと思ってましたが。
ラストでのヴィースラーが本を手に取るシーンが感動もの。私のドライアイの目がとても潤ってしまいました。捧ぐの文字と“私のための本だ”というセリフが泣かされます。
久々に静かにじわ~っと感動できる作品を観ました。暗く重いお話ではありますが、希望が見える終わり方で観て損はない作品ですね。抑え気味な音楽もとても良かったです。
ヴィースラー役のウルリッヒ・ミューエさんが、亡くなられたのはとても残念です。ご本人も監視された過去があると知ってビックリ。複雑な思いもあったでしょうね。もっと活躍が見たかったです。
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