千葉市内では訪問介護の事業廃止による空白地域は生まれていないとのこと。廃止・休止になっている事業所があるものの、新規指定の事業所もあるということで、すぐに介護難民が生まれる状況ではないとしています。しかし、のじま市議が何か所か事業所から聞くところによると、「訪問介護を担うヘルパーには現場でケアをする時間しか報酬が発生せず、到着するまでの交通費は入っていないために事業所の経営を悪化させている」とのことです。
のじま市議は「移動時間は介護報酬に算定されないため、利用者宅への距離が遠いほど事業所の経営が厳しくなる。市独自の支援をすべきではないか」と求めました。市は「燃料費など事業運営に関わる基本的な経費は、国が定める介護報酬において、施設併設型とそれ以外の事業所との違いなどを踏まえて適切に評価されるべきものと認識しており、市独自の支援を行うことは考えていない」と、冷たい答弁でした。
また、のじま市議は「処遇改善加算を算定することで増益になるという声もあるが、小さい訪問介護事業所であれば、事務職員の配置は経営的にも難しく、管理者や介護職員が加算を取れるような体制づくりや書類の整理をしたりと、体制を継続していく体力は残っていない。その結果、加算算定ができずに減収となる」と指摘し、「事業者の経営が厳しい場合、処遇改善加算の取得は容易でないと考えられるが、市の見解を」と求めました。
市は「書類作成の煩雑さ等を理由に、処遇改善加算を取得していない事業者もあるため、今年度から加算の取得を希望する介護事業者を対象に、アドバイザーとして社会保険労務士の派遣を行っている。今後も、より多くの事業者が処遇改善加算を取得できるよう支援していく」と答えました。
のじま市議は、利用者の生活を守るヘルパーさんの役割の事例を紹介しながら、「国に訪問介護費の引き下げ撤回と介護報酬引き上げの再改定の早期実現を強く求めるべきではないか」と求めました。市は「国に対しては大都市民生主管局長会議を通じて、報酬改定の影響の検証および実情に応じた報酬体系の構築を検討するよう求めたところであり、引き続き、機会を捉えて国に対して要望していく」と答えました。