どうも、今回は保守主義について。
宇野重規「保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで」(2016)を、先日読みましたよ。
学術会議の件で有名になった某国立大学の先生の本。
現代日本ではリベラルや革新のみならず、保守についても言葉の意味が曖昧になってますねえ。
宇野さんが言うには、近代社会における人権や平等などの原則を重視するのが大前提。
その上で、社会の改良を進める立場が急進的なのが革新、漸進的なのが保守とのこと。
まあ、この考え方なら、自民や維新は保守ではありませんなあ。
自民や維新のような主義主張の場合、保守ではなく復古とか反動と呼ぶそうですよ。
これが政治学者の見解ですよ。そりゃ自民党からしたら不都合ですなあ。
さて、保守という言葉の意味は上記のもので良いのですが。
私自身としては、正直にいえば、復古に近い意味で捉えてましたねえ。
もちろん戦前戦中の軍国主義に戻ろうということでは絶対にありませんよ。
なんとなくですけど、江戸時代以前に憧れがあったんですよねえ。
中世や古代の社会も、決して楽園ではなく厳しい世界だったとは思いますが。
ただ、現代のような消費社会、儲け主義第一の社会ではなく、原発も資源の浪費もない。
社会の持続可能性は高かったんじゃないかと。
全面的に良かったとは言いませんが、肯定的に評価できる部分もあると思うんですよね。
そんな考えから、保守と自認していました。
まあ、今になって振り返ると、科学技術の発展を否定しているようで、これはこれで危険な考え方だったかもしれませんな。