『ねえ、蓮司。きょうもまた艶歌を詠んだの。聞いてね。楽園に立ち入るために聖棒という名の鍵をさあ挿し込んで。どう?』と艶っぽく微笑みながら妻(法子)は訊ねる。『ほほう。きょうもまた艶っぽい一首だね。御返しの一首を俺も詠むね。この聖の鍵を貴女に挿し込んでいま開かれる愛の扉が。どうかな?』と妻(法子)に俺は返した。そして、俺たち夫婦の午後からの『秘儀』へと移ろってゆくのである。
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