和貴の『 以 和 為 貴 』

論語:子罕第九 〔29〕 知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず


論語を現代語訳してみました。



子罕 第九

《原文》
子曰、知者不惑、仁者不憂、勇者不懼。

《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、知者〔ちしゃ〕は惑〔まど〕わず、仁者〔じんしゃ〕は憂〔うれ〕えず、勇者〔ゆうしゃ〕は懼〔おそ〕れず。 




《現代語訳》


孔先生はまた、次のように仰られました。


賢人は、〈確乎たる信念をもって人を導こうとするので〉惑わず、仁徳者は〈確乎たる信念をもって自分を律するので〉悩まず、勇者は〈確乎たる信念をもって物・事にあたるので〉恐れない。 


〈つづく〉



《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。

PCのモニターも復旧したので、論語の現代語訳を再開いたします。これらかもよろしくお願いいたします。


さて、今回の語訳の意味することは、何事も『確乎たる信念をもって』とする言葉を添えて訳することで、孔子が弟子たちに伝えたかったことが、より明確になってくると思われます。

単に『惑わず』『悩まず』『恐れず』ということではなく、どのような立場や環境にあろうとも、自分の信念を大切にすることで、自然とこの三つのことが成立するのであって、信念なき者は常に『惑い』や『悩み』や『恐れ』のなかで苦しんでいなければならないのだと思います。

そしてこのことは、前述の松柏のような何事も言葉を発しない木々たちが、幾千もの歳月をかけ、その子孫たちに引き継いできた知恵(遺伝子)を例えとして、人間の生き様みたいなものを、孔子は弟子たちに語り継いでいるのかもしれませんね。



※ 関連ブログ 知者は惑わず
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考


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