たわ言、泣き言、独り言 時々新刊案内

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「RTした人の小説を読みに行く」企画総評 7月6日~7月21日

2021年07月21日 20時49分30秒 | 読書感想文
今回、4回目の「RTした人の小説を読みに行く」企画を行いました。
今回の企画で、告知を含めて要した期間は、7月6日から7月21日までの16日間でした。
告知は以下のツイートで行いました。



先ほどのツイートにある通り、募集の条件は以下のように設定しました。

作品URLはリプライで。
10万字程度以下で完結済みの小説。
先着5名(1人1作)。
未登録でも読めるweb 小説。
Kindle なら無料のもの。
読んだ小説には必ずブログに感想を書きます。
【ご注意】感想にはネガティブなことも書きます。

募集の開始は7月6日の22時ごろ。
募集枠最後の5作品目の応募があったのが翌日の22時ごろ。
ファンタジーや日常を扱った作品などの応募がありました。
ご応募頂いた方々、そして拡散にご協力頂いた方々、ほんとうにありがとうございました。

応募を締め切ってからすぐに精読にかかりました。
平均すると、1作品につき3日程度のペースで読破し、感想文をこのブログに書きました。

今回集まった作品にほぼ共通して感じたことは、話者(視点)のゆらぎです。
どの作品にも、大なり小なり話者(視点)のゆらぎを感じました。

複数の話者(視点)が頻繁に切り替わったり、神視点(物語の外部からの視点)のある作品が幾つかありました。
これはたぶん、アニメや映画のように物語を記述したいという欲求によるものでしょうか?

話者(視点)をどうするかと言う事は、物語の登場人物の誰に物語を語らせるか、と言う事です。
誰に語らせるか決まったら、主語をどうするか、一人称(わたし、ぼく、おれ、etc...)にするか、三人称(名前)にするか。
さらに、物語を通して一人の登場人物に語らせるか、それとも複数の登場人物に語らせるか。

話者(視点)の問題で注意が必要なことは、今、物語を語っている登場人物がAであるとするならば、そのAには見えないこと、聞こえないこと、感じられないことを、Aが話者(視点)である間は書いてはいけないと言う事です。
このルールを破ってしまうと、Aに感情移入することが難しくなり、物語への没入感も薄れてしまいます。
反対に、このルールが守られていると、Aへの感情移入がしやすくなり、物語への没入感も深くなります。

また、あまりに複数の話者(視点)が頻繁に切り替わると、登場人物に感情移入することが難しくなり、物語への没入感も薄れてしまいます。

話者(視点)である人物に強く感情移入できて、物語にも深く没入できる。
そんな作品を読み終えた後には、深い余韻に浸ることができると思います。

それでは最後に、今回書いた読書感想文へのリンクを、掲載した順番に紹介しておきます。
各作品へのリンクは、それぞれの感想文に記載してあります。
皆様の読書のご参考にしていただければ幸いです。
【ご注意:読書感想文の投稿後に、作品が改稿されている場合があります】

読書感想文「青春するから応援よろしくお願いします!!」(メロウ+, 2021/07, カクヨム)

読書感想文「就活か魔王か!? 殺虫剤無双で愛と世界の謎を解け! ~鏡の向こうのダンジョンでドジっ子と一緒に無双してたら世界の深淵へ~」(月城 友麻 (deep child), 2021/07, カクヨム)

読書感想文「ただ将棋をして話すだけ」(takemot, 2021/05, ノベルアッププラス)

読書感想文「オニタイジ・システム」(佐崎 遊/レッド・ジン, 2021/05, 小説家になろう)

読書感想文「迷帝?コレカラキメルノ=ジャー」(ケーエス, 2021/07, カクヨム)

迷帝?コレカラキメルノ=ジャー

2021年07月21日 18時35分18秒 | 読書感想文
「迷帝?コレカラキメルノ=ジャー」(ケーエス, 2021/07, カクヨム)
https://kakuyomu.jp/works/16816452218552133974

読了しました。
世界の8割を支配するキメルノ大帝国。そのあちこちで反乱が発生する。即位したばかりの皇帝、コレカラキメルノは反乱の鎮圧に向かうが……
今回は「#RTした人の小説を読みに行く」企画による読書です。

世界の8割を支配するキメルノ大帝国。そのあちこちで反乱が発生する。即位したばかりの皇帝、コレカラキメルノが鎮圧に向かう。
しかし彼には欠点があった。何かを決めるのに時間がかかるのだ。
優柔不断な皇帝であったが、なんだかんだと各地の反乱をおさめてしまう。
やがて物語は結末を迎え……

結末近くで各所に張られた伏線が回収されます。
なぜ皇帝が、それぞれの場面で決めるのに時間がかかっていたのか、それが明らかになります。
なるほどとを思いました。

この作品の難点をあげるとすれば、それは話者(視点)だと思います。
話者(視点)が明確でなかったりする部分や、短い展開で話者(視点)が変わる部分があって、誰に感情移入していいのか迷いました。
話者(視点)を絞って書けば、物語に感情移入しやすくなります。
そうすれば、ラストでもっとカタルシスを感じることができたと思います。