「核兵器を使う可能性」示唆…プーチン大統領の“脅し文句” ラブロフ外相からも
ロシアとウクライナの外相会談は、進展がないなか、物別れに終わりました。ラブロフ外相は「ロシアはウクライナを攻撃していない」と話し、打開策が見通せない状況が続いています。
■外相同士の会談も…議論かみ合わず 会談の冒頭、コの字型のテーブルで向き合い、ウクライナのクレバ外相が相手を直視しているのに対し、ロシアのラブロフ外相は下を向き、何かメモを取るような姿もありました。 軍事侵攻が始まってから2週間。初めて実現したロシアとウクライナの外相会談です。 世界が注目するなか、1時間半の会談を終えたクレバ外相は、次のように話しました。 ウクライナ・クレバ外相:「24時間の停戦を提案したが、進展はなかった。私の印象では、ロシア側は、現時点では停戦を成立させる気がない。そもそも、前提となる立場が違っていた。私は解決策や決断を託された外相として交渉に臨んだが、ラブロフ外相は『意見を聞きに来ただけ』と言っていた。これだけの温度差があった」 一方、ラブロフ外相は、次のように話しました。
ロシア・ラブロフ外相:「この場で停戦の合意について、話し合う計画はなかった。ベラルーシで行われている停戦協議以外の選択肢はない。ロシアは、ベラルーシで行われている協議で、ウクライナの問題を解決するための議論を行いたい」 前回、ベラルーシで行われた3回目の停戦協議でロシア側は、具体的な要求を提示し、次回の協議でウクライナ側の回答が得られるはずだと明かしました。 停戦協議を重視するロシアと、事態の打開につなげたいウクライナ。その隔たりは大きく、外相同士が直接会ったにもかかわらず、双方の議論がかみ合うことはなかったようです。
■ロシア外相「攻撃していない」 さらに、ラブロフ外相の口からは、信じられない主張が飛び出しました。 ラブロフ外相:「我々は、ウクライナを攻撃していない。ロシアの安全が脅威にさらされているのだ。これは、ウクライナという実験室で行われている、アメリカ国防総省の実験だ。ロシアが戦争を望んだことは、一度もない。ウクライナ市民は、“人間の盾”にされている。“人間の盾”として、人質になっている民間人を解放したい」 多くのウクライナ人が犠牲になっているなか、ラブロフ外相は「ロシアは攻撃していない」と言い放ちました。 クレバ外相:「相手の主張をずっと聞かされるのは、決して楽ではなかった。それでも私は、人道問題に直ちに対処するよう、何度も訴えた。マリウポリ発着の『人道回廊』設置の合意を持ち帰るつもりだった。しかし、残念ながら、ラブロフ外相から確約は得られなかった」
■「核兵器を使う可能性」を示唆 そして、プーチン大統領が何度も口にしている“脅し文句”は、ラブロフ外相からもありました。
ラブロフ外相:「核戦争が始まるとは、信じたくない」 軍事攻撃が激化するなかで、この先「核兵器を使う可能性」を示唆しました。 ラブロフ外相に対して、記者からはこんな質問がありました。
記者:「ロシアは本当に、真剣に交渉を行っているのでしょうか?」 ラブロフ外相:「真剣ですよ」 記者:「そうであれば、これまで何か進捗はありましたか?」 ラブロフ外相:「…」
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