株価バブル期超え
東京株式市場で日経平均株価の2月27日
の終値が3万9239円をつけ、史上最高値
3万8915円を超えるなど、年初から株価の
大幅な上昇が続いている。
海外投資家が日本の市場改革を評価し、
日本株を積極的に買っていることなどが
理由だ。
ただ、中小企業や個人は景気の改善を感じて
いないことがかなり多く、<実感なき株高>
となっている。
株価はバブル期以来、約34年ぶりの高値を連日
更新している。
3月1日には前日比744円63銭高の3万9910円
82銭まで上昇し、平成元年12月29日につけた
終値を更新して、過去最高に達した。
株高の理由は、まず、海外投資家による積極的
な日本株買いだ。
今年1月は「買い」が「売り」を約2兆円
上回った。
昨年、東京証券取引所が上場企業に株価を
意識した経営を呼びかけ、株主への配当金を
増額するなどの企業が相次いだ。
海外投資家はこうした改革を評価。
円安が輸出企業の追い風となり、企業決算が
好調であることも材料だ。
今年1月に始まった新たな少額投資非課税制度
(NISA)も大きい。
株式や投資信託の運用益の非課税枠が広がり、
個人投資家の資金が流入した。
台湾有事の懸念などから中国への投資が避け
られ、日本に資金が入っているとの見方もある。
株価が上がれば、上場企業は高い株価で新しい
株を発行して、市場から多額の資金を調達でき、
事業拡大につなげやすい。
だが、上場していない中小はこのメリットが
少ない。
大手自動車メーカーに設備機械を納入している
業者は、
「今の株価は業績に特段プラスにならない」
とこぼす。
個人の場合、多額の株式に投資している富裕層は
売却で大きな利益を得られる。
保有株の値上がりでお金をつかう意欲が強まり、
日本全体の消費拡大の追い風にもなる。
だが、投資額が少ない個人には追い風には
ならない。
夫の勤務先、賃上げ無縁
あるパートの女性は日経平均に連動する投資信託
商品を数万円分、含む益が出た状態で持ち続けて
いるが、
「利益確定しても臨時収入が多少入る程度、株高と
言われてもピンとこない」
と指摘する。
「スーパーの食品は値上がりしているのに、家計の
収入は数年前からほぼ変わっていない。
夫の勤務先は世間で言われる賃上げとも無縁だ」
と苦しさを訴える。
賃上げについては、内閣府の1月の調査でも
「株価が伸びているが、物価の上昇に賃金が
追いついていないため、景気がよくなって
いる実感はない。」
という声が出た。
今後は中小からの納入品価格などへのコスト
分の上乗せ(価格転嫁)を大企業が認めるなど
して、中小の業績を改善させ、賃上げに繋げる
ことが必要となる。
政府も価格転嫁の監視や支援を確実に行うことが
求められる。
東証最高値 4万円迫る
3月1日(金)の東京株式市場で、市場発の4万円
まで、残り10円を切る3万9990円23銭まで上昇
した。
半導体関連を中心に幅広い銘柄が買われた。
日経平均への影響が大きい「東京エレクトロン」
や「アドバンテスト」など主要な半導体関連株が
軒並み上昇した。
為替レートがやや円安ドル高に触れたことも株価
を押し上げる要因となった。
午後になり、
➀「4万円接近に伴う一定の達成感」が
広がる。
②「週末を控えた利益確定の売り」が
出始める。
上記の理由で、4万円突破には至らなかった。